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便秘の影響

便秘の影響

便秘が続くと、おなかの膨張感や不快感のほかに、ニキビや吹き出物といった肌荒れが引き起こされることが少なくありません。

その原因として、便が排出されず腸内にとどまっていると腸内環境が悪化し、腸からの有害物質が増加するために皮膚の健康な状態が阻害され、ニキビや吹き出物といった肌トラブルが増えると考えられます。

慢性便秘が引き金となって命に関わる重篤な事態を招くことも少なくありません。

慢性便秘で便が硬くなると、硬い便を排出するためにいきむ必要があります。すると血圧が急上昇し、心血管に関連する疾患が引き起こされる可能性が高くなるのです。ほかにも、くも膜下出血や動脈瘤の破裂など、脳疾患のリスクも上昇させます。

排便頻度と心血管疾患死の関連を検証するために大崎地域住民45,112例(40歳~79歳)を対象に行った研究では、排便回数が1日1回の群に比べて、2~3日に1回の群は心血管疾患死のハザード比は1.30倍、4日に1回以下の場合は1.62倍という高い数値になりました。このことから、排便回数の減少が、心血管疾患死のリスク増加と関連している事が考えられるでしょう(※1)。

また、慢性便秘を放置することで引き起こされる病気に「宿便性穿孔」があります。宿便性穿孔は、多くの便が腸に詰まって硬くなりS状結腸や直腸が破れてしまう病気です。発症から24時間以上で死亡率が33%、48時間以上では50%とされ、早期の診断と治療が重要なカギとなります(※2)

さらに、慢性便秘による影響として、慢性腎臓病の発症リスクを上昇させることも指摘されています。慢性腎臓病の人は腸内細菌叢が乱れた状態にあり、人体に悪影響を及ぼす尿毒素の産生量増加や蓄積、免疫力の低下などが引き起こされやすいと考えられています(※3)。

便秘の影響

※1:眞部紀明, and 春間賢. "便秘症の診断と病態生理." 日本消化器病学会雑誌 115.11 (2018): 950-958.

※2:木村英明, et al. "宿便性大腸穿孔の 4 例." 日本大腸肛門病学会雑誌 53.1 (2000): 50-55.

※3:阿部高明. "慢性腎臓病と microbiota." 腸内細菌学雑誌 32.1 (2018): 15-23.

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
 食品保健指導士
管理栄養士

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