最終更新日:2025.4.24
「うちの子、何日も便が出ていないかも…」「恥ずかしがって学校ではトイレに行けないみたい」。
そんな悩みを抱える、中学生の保護者は少なくありません。
中学生という思春期の時期は、身体的にも精神的にも大きく変化するタイミング。
その変化が「便秘」という形で表れることは珍しくありません。
この記事では、中学生に多い便秘の原因と、その背景にある心身の変化を解説しつつ、家庭でできる予防・解消法を紹介します。
さらに、日々の腸活で腸内環境を整えるための具体的なアプローチについてもお伝えします。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
まずは、中学生が便秘しやすい原因について解説します。
便秘になる背景をしっかり理解することが、便秘改善への第一歩です。
思春期は性ホルモンが急激に増える時期。
これにより自律神経が不安定になり、腸のぜん動運動(排便を促す動き)が低下しやすくなります。
朝食を抜くと胃腸が刺激されず、排便のリズムが乱れがちに。
特に男子中学生に多く、朝食抜きが習慣化している家庭も少なくありません。
思春期は「他人の目」が気になる時期。
トイレで音がするのが恥ずかしい、臭いが気になるなどの理由から、学校では便意を我慢してしまうケースが少なくありません。
これが慢性化すると、腸が便意を感じにくくなり、便秘に繋がります。
通学がバスや車、放課後は部活もせずスマホやゲーム中心…腸を刺激する運動の機会が極端に少なくなっているのも問題です。
「のどが渇いても面倒で水を飲まない」という習慣。
特に冬場は顕著で、体内の水分不足が便秘を招きます。
コンビニのおにぎりや菓子パン、スナック菓子、カップ麺などを好む傾向があり、食物繊維・発酵食品・栄養バランスが不足しがちです。
人間関係や受験のプレッシャー、SNS疲れ…。
心の緊張状態が腸にダイレクトに影響するケースもあります。
中学生は成長と変化の真っ只中にあり、身体的にも精神的にも非常にデリケートな時期です。
便秘が続くことで心と体に与える影響は深刻で、生活全体に波及する可能性があります。
この章では、便秘が中学生の心と体に及ぼす影響について、さらに深掘りして解説していきます。
便秘はお腹に強い圧力をかけ、腸内のガスが溜まる原因にもなります。
これにより、腹部の膨満感や痛みを感じることがあります。
腸の動きが悪くなると、消化不良を引き起こし、食欲の低下を招くことも。
これらの不快感は、特に学校での集中力や活動能力に直接的な影響を与えます。
腹痛や不快感があると、授業やテストに集中することが難しくなり、結果として成績に悪影響を及ぼすことがあります。
便秘が長引くと、腸内の有害な細菌が繁殖しやすくなります。
腸内環境が悪化することで、免疫力が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなることもあります。
免疫機能は腸内で60~70%が管理されていると言われており、腸内フローラの乱れは直接的に健康に影響を与えるのです。
便秘が続くことで、身体的な不快感だけでなく、精神的なストレスも蓄積されます。
特に思春期の中学生は、ホルモンバランスが大きく変化しているため、些細なことで不安やイライラを感じやすくなります。
便秘による腹痛や膨満感が続くと、気分が落ち込み、ストレスにさらされることが増えます。
これは、学業や人間関係にも悪影響を及ぼし、ますます便秘が解消しにくくなるという悪循環に陥ります。
便秘が続くことで、学校生活にも支障をきたすことがあります。
便意を我慢してしまうことで、トイレに行くタイミングを逃し、便意が鈍ってしまう可能性も。
このような身体的・心理的なストレスが積み重なることで、学校の授業や部活動に対しても興味ややる気を失ってしまうことがあるのです。
便秘は、子どもたちが自分に対して抱く自信にも影響を与えます。
思春期の中学生は自分の身体や外見について敏感な時期であり、便秘による体調不良が長引くと心の不安が増し、さらなるストレスを抱えてしまう可能性があります。
便秘は、腹痛や不快感が持続するため、学業においても集中力が欠ける原因になります。
お腹が張った状態で座っていることは、長時間の授業や試験においてはとても辛いものです。
この状態が続くと、勉強や課題に対する意欲が減退し、成績にも影響を与えることがあります。
便秘が長引くことで、子どもは友達との遊びや外出を避けるようになることがあります。
学校でトイレに行きにくいという理由で、休憩時間や放課後の活動を避けるケースも少なくありません。
このようにして社会的な孤立が進むと、友達関係に支障をきたすこともあります。
また、便秘が原因で気分が不安定になり、友達とトラブルを起こすことも考えられます。
「病院に行くほどではないけれど、できれば毎日スッキリ過ごしてほしい」。
家庭でできるちょっとした工夫が、便秘の予防・改善に大きな効果を発揮します。
ここでは、無理なく取り入れやすい「5つの習慣」をご紹介。
お子さんと一緒に楽しみながら、毎日の腸活に取り組んでみましょう。
1. 朝の「起きたら水+トイレ習慣」をルール化
起床後すぐのコップ1杯の水と、トイレに座る習慣をつけましょう。
腸を刺激するリズムが生まれ、排便しやすくなります。
2. 朝食に「発酵+食物繊維」を必ず入れる
味噌汁+バナナ、納豆ごはん+ヨーグルトなど、腸を目覚めさせる食材を。
時間がない日はバナナとヨーグルトだけでも◎。
3. 学校トイレを使いやすくする声かけ
「誰だってお腹が痛くなるよ」「気にしないで大丈夫」と、家庭でトイレの話題をオープンにするだけで心理的ハードルは下がります。
4. 1日15分のストレッチまたは散歩
運動が苦手でもOK。腹部をゆっくりねじるストレッチや散歩で腸を自然に刺激できます。
5. 腸内環境を整えるサプリメントの活用
毎日の食事だけでは補いきれないビフィズス菌・オリゴ糖などを効率的に摂れる腸活サプリは、中学生の便秘対策にも有効です。
腸活の基本は食事と生活習慣の見直しですが、成長期の子どもには無理なく続けられることも大切です。
そんなとき、補助的に取り入れたいのが腸内環境を整えるサプリメント。
特に、ビフィズス菌やそのエサとなるオリゴ糖を配合したタイプは、自然なリズムをサポートしてくれます。
中学生でも飲みやすいタイプのサプリを選ぶと、継続しやすくおすすめです。
サプリメントはあくまで「補助」として活用し、日々の食事や生活リズムを整えることを忘れないようにしましょう。
保護者が一緒に腸活に取り組むことで、子どもにとっても安心して続けやすい環境が整います。
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家庭でのケアで改善しない場合、医療機関の受診も検討しましょう。
特に以下のような症状がある場合は要注意です。
・1週間以上お通じがない
・便に血が混じる
・激しい腹痛が続く
・体重が減る、食欲がない
子どもは受診を嫌がることもありますが、「一緒に行こう」「心配だから話だけ聞いてみようか」と、優しく背中を押してあげましょう。
「なんとなく元気がない」「お腹の調子がずっと悪そう」。
そんな子どもの様子、気になりますよね。
便秘は放っておくと、肌荒れ、頭痛、精神面の不調へとつながることもあります。
家庭でできる対策を丁寧に行いながら、必要に応じて医療機関やサプリメントの活用も検討することで、健康的な腸内環境をサポートできます。
思春期の子どもたちが健やかに過ごせるよう、今できることから一歩ずつ始めていきましょう。