最終更新日:2024.10.01
便秘は性別や年齢を問わず、誰にでも起こる症状です。
しかし、便秘になるのは女性の方が圧倒的に多く、21歳~30歳を対象に行った調査では女性の便秘率が男性の約5倍にも上りました(※)。
そこで今回は、女性が便秘になりやすい理由や便秘の原因になる生活習慣、効果的な便秘解消法などについて解説します。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
※平塚秀雄."女性のこう門部疾患女性と便秘."日本大腸肛門病学会雑誌43.6(1990):1070-1076.
女性が男性よりも便秘になる割合が高い原因の一つが、女性ホルモンの影響です。
ほかにも、便を押し出す腹筋力が弱いことや腸が長いなど、女性ならではの便秘になりやすい理由が複数あります。
生理前になると、卵巣から女性ホルモンの「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が分泌されます。
プロゲステロンが増えるとむくみや眠気、イライラしやすくなるなどの症状が表れるだけでなく、腸の蠕動運動が鈍くなって腸内に便が滞留しやすくなります。
便が腸内に長時間留まると、便に含まれる水分が腸管で過剰に吸収されてカチコチの硬い便に。
便が硬くなると腸内で移動しにくくなったり、スムーズに排便できなくなったりして便秘がひどくなります。
生理が始まるとプロゲステロンの分泌が止まり、腸が元通り動き始めます。便秘は解消されますが、人によっては蠕動運動が活発になりすぎて下痢気味になることがあります。
女性は男性よりも体格が小さいにもかかわらず、腸が長い傾向にあることが調査の結果、明らかになりました(※)。
長い腸を体内に収めるためには、腸を何度も折り曲げなければなりません。
すると腸に折れ曲がった部分が多くなり、そこに便が滞留します。腸内に溜まった便は、留まる時間が長くなるほど水分が抜けて硬くなり、ますます排便できない状態になるのです。
便秘になる原因には、生活習慣や食生活など複数の要因が絡んでいることがほとんどです。
次に挙げる便秘の原因は女性だけに限ったものではありませんが、女性に多い傾向があります。
便秘が続いている人やお腹にガスが溜まることが多い人は、当てはまる原因がないかチェックしてみましょう。
便をスムーズに出すためには、腸から便を押し出すための腹筋力が必要です。
女性は男性に比べて腹筋力が弱い人が多く、排便時に十分な腹圧を掛けられない場合が少なくありません。
ダイエットで食事の量を減らすと、便の量も減少します。便の量が少ないと、便が腸内をスムーズに移動できません。
腸内に滞留した便は腸管で水分を吸収されて硬くなり、さらに出にくくなります。
米やパン、麺類などの炭水化物を食べないことで、炭水化物に含まれる糖質の摂取量を抑える糖質制限(糖質オフダイエット)を実践している人は、便秘しやすいといわれています。
夜更かしをすると体内時計が乱れて、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
自律神経は自分の意思に関係なく体内の機能を自動的に調整していますが、正常に動かなくなると腸の活動にも影響を及ぼします。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、日中は交感神経が働いて心拍数を増やしたり、体温を上げたりして体を活動に適した状態に整えています。
夕方からは徐々に副交感神経が優位な状態へと切り替わって、睡眠に向けて体をリラックスさせていきます。
しかし、夜更かしをすると夜になっても交感神経が優位な状態が続いて、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりして睡眠の質が低下。
本来であれば、睡眠中に副交感神経の働きによって促進されるはずの腸の蠕動運動が行われず、便が腸内に留まることになるのです。
便秘は、腸内環境が悪化しているサインです。悪玉菌が増えて悪化した腸内環境を良い状態に戻すためには、生活習慣や食生活の見直しが欠かせません。
次に紹介するのは、腸内環境を良くするのに効果的な生活習慣や食生活です。
すぐにできる簡単な方法ばかりですので、自分に合う方法を実践してみてくださいね。
規則正しい毎日を送ると、体内リズムが整って自律神経がバランス良く働くようになります。
起床・就寝時間や食事、入浴のタイミングを毎日同じ時間に揃えてみましょう。
また、便意が無くても毎朝同じ時間にトイレに行って便座に座るのも大切なルーティンです。毎日繰り返すうちにトイレタイムの習慣化が期待できます。
便意を感じたタイミングでトイレに行けないことが続くと、直腸性便秘になりやすくなります。
直腸性便秘は、便が溜まっているのに排便を我慢することで直腸が広がって、次第に便意を感じにくくなる便秘です。
直腸性便秘になると便意が起こらなくなるため、腸内で便が硬くなって排便しにくくなり、排便時に痛みが生じるようになります。
その痛みを避けるために排便を我慢し、ますます便秘が悪化するといった悪循環に陥ります。
自分のタイミングでトイレに行けないのはよくあることですが、便意をもよおしたら可能な限りトイレへ行くようにしましょう。
ストレス解消法は色々ありますが、便秘の人におすすめのストレス解消法はウォーキングやストレッチなど毎日でもできる軽い運動です。
ウォーキングやストレッチには自律神経を整える効果や、腸を刺激して排便を促進する効果も期待できます。
特に晴れた朝のウォーキングは、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌を促進します。
セロトニンには自律神経を整える作用があるため、自律神経の乱れによる便秘を改善する効果も期待できるでしょう。
白砂糖を摂りすぎると体温が低下し、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が優勢になりやすくなります(※1)。
悪玉菌が増えると腸内環境が悪化。ひどい便秘を引き起こす原因となるのです。
緑茶などに含まれる茶カテキンには、悪玉菌を減少させて腸内環境を整える効果があるほか、便の臭いが軽減したという報告があります(※2)
便秘になるとおならや便のニオイが臭くなりがちなので、気になる人は緑茶を試してみてはいかが。
※1:東川尅美, and 下坂智恵. "日常生活と薬膳に関する研究 (第 2 報): 食材と体質改善." 北星学園女子短期大学紀要 35 (1999): 181-192.
※2:原征彦. "茶カテキン類の機能性とそれらの応用例." 日本食品保蔵科学会誌 26.1 (2000): 47-54.
今回は、便秘が女性に多い理由や便秘になる原因、便秘解消に効果的な生活習慣や食生活などについてお伝えしました。
便秘を改善するためには、腸内環境を整えることが必要不可欠です。そのためには、腸内に善玉菌が増える生活や食事を摂ることが欠かせません。
しかし、日常的に腸内環境を整えることを意識した生活や食事を徹底するのは、現実的には難しいですよね。
手っ取り早く腸内環境を良くしたい人は、腸活に役立つ成分が配合されたサプリを活用するのもおすすめです。
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自分に合う方法で、便秘しない腸内環境作りを目指しましょう!
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