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最終更新日:2025.09.04

出口で詰まる便・便が細い・残便感を解消する方法 | 50~60代女性におすすめの便秘改善策

出口で詰まる便・便が細い・残便感を解消する方法 | 50~60代女性におすすめの便秘改善策

「便が硬くて出しにくい」「便が細い」「便を出したのにまだ残っている気がする」。
こうした便通トラブルは、50~60代の女性にとって身近な悩みです。

本記事では、50~60代の女性に多い「出口で詰まる便」「便が細い」「残便感」という3つの便通トラブルについて、それぞれの原因と改善法を徹底解説します。

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会 食品保健指導士
管理栄養士

50~60代女性に多い「出口で詰まる便」の原因

「便は出そうなのに、最後のひと押しができない」「排便のたびに強くいきまないと出てくれない」。

50~60代女性に多いこうした症状は、医学的に「直腸性便秘」と呼ばれるタイプの便秘である場合が少なくありません。

直腸性便秘とは

便意を我慢する習慣や、下剤・浣腸の頻繁な使用によって、排便反射が鈍くなることで起こるのが「直腸性便秘」です。

直腸に便が溜まっても、便意を感じにくくなるため、自覚しないうちに便秘が慢性化・悪化していくことがあります。

また、便は直腸まで到達しているのに、硬すぎて押し出せない状態が続き、排便後もスッキリ感が得られません。

便秘の分類

便が出口で詰まりやすくなる理由

便がスムーズに排出されない原因は、一つではありません。便が詰まりやすくなる代表的な要因を挙げていきます。

1. 加齢による腸の水分保持能力低下

加齢とともに腸の水分保持機能は低下し、便が硬く乾燥しやすくなります。そのため、直腸付近で便がつかえ、強くいきまなければ排出できなくなります。

2. 排便に必要な筋力の低下

排便には腹筋、横隔膜、骨盤底筋が協調して働く必要があります。50~60代になると筋肉量が減少。特に、骨盤底筋の働きが弱まります。

骨盤底筋の筋力が低下すると便を押し出す「最後の力」が不足し、出口で便が詰まりやすくなります。

3. 腸内環境の乱れ

腸内には、善玉菌と悪玉菌、日和見菌といった腸内細菌が存在し、バランスを保っています。しかし、善玉菌の代表格であるビフィズス菌は、加齢に伴い減少していくことが示されています。

ビフィズス菌が少なくなると腸の蠕動運動が鈍くなり、便の停滞時間が長くなります。便が腸内に長く滞留すると、便に含まれる水分が腸で吸収され、便が硬化し、出しにくくなる悪循環に陥ってしまうのです。


加齢と腸内細菌数の推移のグラフ

4. 便意の我慢・トイレのタイミングを逃す

忙しい朝や外出先での排便を我慢することが続くと、脳と腸の連携が乱れ、排便反射が起こりにくくなります。

出口で固くなった便を出す方法【今すぐ試せる】

「出口で便が固くなって出にくい…」。そんなとき、焦って無理にいきむのは逆効果です。痛みや体に負担をかけてしまうことがあります。

そこで、誰でも簡単に実践できて、出口で固くなった便をスムーズに出せる方法をご紹介!

スッキリ出せない不快感を解消するために、試してみませんか。

1. 排便姿勢を「ロダンのポーズ」に

足元に高さ10~20cmの台を置き、膝を胸に近づけるように前かがみになる「ロダンのポーズ」をとると、直腸と肛門の角度が排便に適した角度に整い、出しやすくなります。

排便しやすいポーズ・姿勢

2. 肛門まわりをマッサージ

肛門周辺をやさしく円を描くようにマッサージすると、筋肉の緊張がほぐれ、スムーズな排便が促されます。

3. 下腹部を温めてリラックス

カイロや温タオルで下腹部を温めると、副交感神経が優位になって腸が活性化し、排便が促進されます。

ある試験において、便通不調の女性(平均年齢54.5歳)に対して皮膚表面温度を38〜40°Cにする蒸気温熱が5時間以上持続する蒸気温熱シートを腹部へ3週間連用したところ、便秘、膨満感、排便改善に有効であることが示されました。

4. 骨盤底筋トレーニングを行う

骨盤底筋は肛門や直腸を支える筋肉で、弱くなると排便時の力がうまく伝わらず、便が出口で滞る要因に。日常的に鍛えることで、すっきりとした排便に必要な筋力アップが目指せます。

骨盤底筋を鍛えるトレーニング

骨盤底筋は、膀胱や子宮、腸などを下から支える大切な筋肉です。更年期以降は筋力が低下しやすいため、尿漏れや便秘、お腹の張りにつながることも。日常生活の中で「骨盤底筋トレーニング(ケーゲル運動)」を取り入れると、腸や骨盤まわりのサポートにつながります。

<基本トレーニング方法(ケーゲル運動)>

  1. 仰向けで膝を立て、肩の力を抜きます。立位の場合は肩幅程度に足を開いて背筋を伸ばします。
  2. → リラックスした姿勢で行うことで、骨盤底筋に意識を集中しやすくなります。

  3. 肛門と膣(または尿道)を「きゅっ」と締める感覚で3〜5秒間力を入れます。
  4. → 下腹部全体ではなく、小さな筋肉を意識して締めることがポイントです。

  5. 力をゆっくり緩めて5秒休みます。
  6. → 緊張と緩和を繰り返すことで、筋肉のコントロール力が高まります。

  7. これを10回1セット、1日2〜3セット行いましょう。
  8. → 毎日の習慣にすることで、効果が持続します。

★ポイント

・呼吸は止めず、自然に行うこと。

・お腹やお尻の大きな筋肉ではなく、肛門・膣まわりの小さな筋肉を意識する。

・立っているときや座っているときにも行えるので、通勤や家事の合間に取り入れると継続しやすい。

・最初は仰向けの姿勢から始め、慣れてきたら椅子に座ってや立位でもチャレンジしてみましょう。

5. グリセリン浣腸や座薬で一時的に対応

どうしても出ない場合は、市販の浣腸や便秘用座薬で便を柔らかくし、排出をサポートするのも一つの方法です。

ただし、対症療法のため常用は避けるようにしましょう。

便が細くなるのはなぜ?鉛筆状の便が出る原因

50~60代の女性に多い便トラブルの一つが、「便が細くなる」です。

以前のようにしっかりとした太さの便が出なくなり、鉛筆のように細い便、あるいはヒモのようにひょろひょろの便ばかり出ることが増えた、という方も多いのでは?

50~60代の女性は腸の働きや構造に加齢による変化が起きやすく、このような症状が現れやすい傾向があります。

便が細くなる主なメカニズム

便が細くなる主な理由には、腸内のスペースが狭くなっていること、あるいは腸の動きが鈍くなっていることが考えられます。

1. 腸管内のスペースが狭くなる

腸管の内側が炎症やポリープ、腫瘍などによって狭くなると、便が細くなります。

50代以降は大腸がんのリスクが高まるため、細い便が長期間続く場合は、一度検査を受けましょう。

2. 腸の蠕動運動の低下

腸は食べ物を消化・吸収したあと、残った内容物を便として肛門に運ぶために「蠕動運動」と呼ばれるリズミカルな動きを行います。

しかし、腸内環境の悪化や自律神経の乱れなどによって蠕動運動が鈍くなると、便の通過が遅れ、腸内で圧迫されて便が細くなる場合があります。

<悪玉菌が増えると起こること>

  1. 腸内ガスが増え、腸管が圧迫される
  2. 腸内に炎症が起こり、粘膜が過敏に
  3. 腸の蠕動運動が鈍くなり、排便力が低下
腸内に悪玉菌が増えると起こること

3. 排便時のいきみ不足

筋力の低下で十分にいきめないと、腸内に便が滞留し、軟らかい状態で押し出され、ひょろひょろとした便になることがあります。

また、痔などが原因で排便時に痛みを感じる人は、十分にいきむことを避ける場合があります。この場合も、腸内に便が滞留する原因に。

4. ストレスや自律神経の乱れ

ストレスは、腸の動きをコントロールする自律神経に影響を与えます。過敏性腸症候群(IBS)なども含め、排便のリズムや便の形状が乱れる原因になります。

5. 姿勢や骨盤のゆがみ

便が肛門へ向かってスムーズに移動するためには、正しい姿勢や骨盤の位置も大切です。長時間のデスクワークや運動不足で骨盤が歪むと、排便に悪影響を及ぼすことがあります。

以上のような要因で、「ひょろひょろした便」「細長い便」になってしまいます。

便の太さや質は、腸内フローラの健康度を映し出す“鏡”。細い便が続く時には、健康上のトラブルが起きていないか、専門医に相談しましょう。

残便感(しぶり腹)とは?出し切れてない感じがする原因は?

「便は出したのに、まだ残っているような感覚がある」「トイレに行ってもすぐに行きたくなる」。

このような症状は「しぶり腹(テネスムス)」と呼ばれ、50~60代女性に多く見られる便通トラブルの一つです。

しぶり腹は単なる便秘とは少し異なり、排便後も腸に便が残っているように感じる不快な症状が表れます。

しぶり腹(テネスムス)とは?|便意があるのに出ない不快な症状

残便感が常にあるのは、「しぶり腹」と呼ばれる状態かもしれません。

医学用語では「テネスムス」と呼ばれ、消化器内科で見られる症状の一つです。

「便意はあるのに出ない」「常に残便感がある」「トイレに行っても少ししか出なくて、何度もトイレに行きたくなる」などの不快感を伴います。

ひどい場合には日常生活に支障をきたすこともあり、決して軽視できません。

しぶり腹・テネスムスとは

排便後もスッキリしない「残便感」の原因

しぶり腹(残便感)が起こる背景には、腸や直腸の働き、神経系の調整、そして腸内環境の影響が複雑に絡み合っています。

1. 腸の感覚過敏や運動低下

腸や直腸が便の存在を正しく感知できない場合、排便後も「まだ残っている」という感覚が続きます。また、腸のぜん動運動が弱まると、便が腸内で十分に移動せず、残便感を引き起こします。

2. 骨盤底筋の協調運動の乱れ

排便には骨盤底筋の柔軟性と協調運動が欠かせません。しかし、加齢により筋力が低下すると、便を押し出すタイミングがずれ、便が直腸内に残ったままになりやすくなります。

3. 腸内環境の悪化

善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌が減少し、悪玉菌が優位になると腸内の発酵やガス生成が増え、腸壁に刺激を与えます。これにより腸の感覚が過敏になり、残便感が生じやすくなるのです。

4. 生活習慣やホルモンバランスの変化

閉経後のホルモンバランスの変化や運動不足、水分・食物繊維の不足も腸の働きを鈍らせ、残便感を助長します。加えてストレスや生活リズムの乱れも症状を悪化させる要因です。

しぶり腹・テネスムスの主な原因

50~60代女性が残便感を覚えやすい理由

50~60代女性は、加齢による筋力低下に加え、閉経後のホルモンバランスの変化によって腸の働きがさらに鈍くなることがあります。

さらに、運動不足や水分・食物繊維の不足も重なることで、残便感を覚えやすくなるのです。

日常生活では、「便は出したけれど、すぐまたトイレに行きたくなる」「便を出してもスッキリしない」といった形で現れ、精神的なストレスやトイレの不安を引き起こすこともあります。

しぶり腹(残便感)は病気の前兆? | 放置するとどうなる?

排便後も「まだ残っている」と感じるしぶり腹(残便感)は、命に関わる病気ではありません。しかし、放置すると次に挙げる病気のリスクが高まります。

  • 痔(いきみすぎによる)
  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • 潰瘍性大腸炎やクローン病
  • 直腸がん(残便感が続く場合)

しぶり腹が長く続く場合は、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。

今日からできる!便が細い・残便感がある人のための腸内環境向上法

細い便や残便感は、ちょっとした生活習慣の見直しで改善できる場合があります。

ここでは、今日からすぐに実践できる腸活法をご紹介。
食事・運動・ケアのコツを押さえて、“良い便がすっきり出る毎日”を手に入れましょう!

1. 野菜・海藻・豆類で食物繊維をたっぷり摂る

食物繊維は、腸内を元気に保つために欠かせません。便のかさを増やし、スムーズな排便を促進するのに必要不可欠な栄養素です。

便が細くなりがちな人には、毎食ごとに野菜や海藻、豆類をプラスするのがオススメ。目安として1日25g以上の食物繊維を目指しましょう。

<実践方法>

  1. 朝食:サラダやきんぴらごぼうを添える
  2. 昼食:海藻サラダや納豆、味噌汁で補給
  3. 夕食:煮物や豆腐ステーキに野菜を加える
1日あたり25g以上の食物繊維を摂取

2. 水分をしっかりと摂って便をやわらかく

水分不足は、便が硬くなって細くなる原因の一つです。腸内で水分が足りないと、排便が困難になります。特に寝起きに温かい飲み物を摂ると、腸の動きがスムーズになりやすいでしょう。

<実践方法>

  1. 1日に最低でも2リットルの水を意識して摂る
  2. 朝起きた時に温かい白湯を一杯
  3. 食事中もこまめに水分を摂取する

3. 発酵食品を積極的に摂取して腸内フローラを整える

善玉菌が減少すると、腸内のバランスが崩れて便が細くなる原因に。発酵食品を意識的に摂ることで、便の質が改善されやすくなります。

<実践方法>

  1. 納豆、キムチ、味噌を食事に加える
  2. 朝食にヨーグルトを取り入れる

4. 腸内環境を整える食品・サプリメント

50~60代女性は加齢によって腸内の善玉菌が減少しやすく、悪玉菌が優位になることで便通が乱れやすくなります。そこでおすすめなのが、ビフィズス菌BB536とオリゴ糖(ガラクトオリゴ糖・フラクトオリゴ糖・ビートオリゴ糖)を配合した腸活サプリです。

<期待できる効果>

  1. 善玉菌を増やして腸内フローラを整える
  2. 便の太さや残便感の改善をサポート
  3. 食事だけでは補えない善玉菌とそのエサを同時に摂取可能

<実践のポイント>

  1. 継続して摂る(少なくとも4週間以上)
  2. 日常の水分・食物繊維・運動と組み合わせることが理想
便通改善に腸内環境をサポートするサプリメントを活用

5. 日常生活での習慣づくり

生活習慣を見直すことで、より効果的に便通を改善できます。

<実践方法>

  1. 毎日同じ時間にトイレに行き、排便リズムを整える
  2. 朝食を摂って腸を目覚めさせる
  3. ストレスを溜めない工夫をする(入浴、軽い運動など)

これらを組み合わせることで、出口で詰まる便、便が細い、残便感といった複数の症状を総合的に改善し、スッキリとした排便を取り戻すことができます。

腸内環境を整えて便通を改善する生活習慣

まとめ | 50~60代女性の便通トラブルを改善する腸活のポイント

50~60代の女性に多い「出口で詰まる便」「便が細い」「残便感がある」といった便通トラブルは、加齢による筋力低下や腸内環境の変化が大きく関係しています。

そこに水分不足や食物繊維の不足、運動不足など日常生活の影響も重なり、排便のしづらさを感じやすくなるのです。

しかし、十分な量の水分補給や食物繊維の摂取、運動の習慣化、さらには腸内環境を整えるサプリの併用で、出口で詰まる便や細い便、残便感を和らげ、満足できる排便習慣を取り戻すことが可能です。

排便トラブルは、生活の質を左右する重要な要素の一つ。腸の健康を整えて、内側からスッキリ快適な毎日を過ごしましょう!

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【参考資料・出典】

※鈴木邦夫. "老化と腸内フローラ." ビフィズス 3.1 (1989): 9-27.

※井垣通人, et al. "便通不調のある中高年女性の蒸気温熱シートの腹部適用による症状緩和." 日本看護技術学会誌 6.2 (2007): 12-17.

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾病の診断や治療を意図するものではありません。症状や健康面にご不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門の医師による診断と指導をお受けください。

本記事の内容に起因するいかなる結果についても、筆者および運営者は責任を負いかねますのでご了承ください。