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コロコロうんちの原因は?硬い便が出る便秘の改善方法

最終更新日:2024.1.24

コロコロうんちの原因は?硬い便が出る便秘の改善方法

便秘が続く毎日。やっと出ても、兎の糞のようにコロコロのうんちばかりでスッキリできない…。そんな経験をしたことはありませんか?

今回は、兎の糞のようなコロコロ便が出る原因や、コロコロ便の改善方法などをご紹介します。コロコロうんちは快適なお通じの大敵!しっかり対策をして、スッキリできる毎日を目指しましょう。

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
 食品保健指導士
管理栄養士

コロコロうんちが出る便秘の原因と特徴

便秘にはいくつかの種類があり、タイプによって便の形状に違いがあります。

便秘の種類 便の形状 原因
機能性便秘 痙攣性便秘 コロコロとした兎糞状の便 腸の過緊張により痙攣が起こり、便の移送が困難になる
弛緩性便秘 硬く太い便 大腸が弛緩することによって便の移送に時間がかかる
直腸性便秘 断片的で硬い便 便意を我慢することが続き直腸の感覚が鈍くなって起こる
器質性便秘 細く少量、血がついている場合がある 胃や腸などに何らかの疾患があることで引き起こされる

コロコロとした兎のうんちのような便が出る場合、痙攣性便秘の可能性が考えられます。

痙攣性便秘

痙攣性便秘では腸管が痙攣するため、便が小さく兎糞状となります。若い女性に多く、自律神経失調症を随伴することが珍しくありません(※1)。

痙攣性便秘

痙攣性便秘は腸管運動の亢進が原因で、副交感神経緊張状態にあるものが多いことや、副交感神経刺激に対する過敏反応があることから、副交感神経系の活動性亢進が関与することが考えられています(※2)。

コロコロうんちになる原因は?硬い便は水分不足が理由?

コロコロうんちになる原因として、以下のようなものが挙げられます。

水分不足

便がコロコロになる理由として、体内の水分不足が関係している場合があります。

大腸は1日に1.5ml程度の水分を含む腸管内容物を小腸から受け取り、大腸通過中に内容物の水分が吸収されて、1日に200ml程度の水分を残し、便として排出します。

しかし何らかの理由で便の大腸通過時間が延長すると、水分の再吸収が進んで便が硬くなり、排便回数も減少(※3)。腸内で便の硬化が進み、コロコロの便になるのです。

不溶性食物繊維の摂り過ぎ

便秘解消や予防のためには、食物繊維の摂取が欠かせません。食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があります。

便がコロコロとした形状になる痙攣性便秘の場合、不溶性食物繊維を摂り過ぎると腸への刺激が強すぎて便秘が悪化する可能性も。そのため、コロコロうんちが続いている人は水溶性食物繊維を摂るようにしましょう。水溶性食物繊維は、こんにゃくや海藻、熟した果物などに多く含まれています。

不溶性食物繊維の摂り過ぎ

※1:平塚秀雄. "女性のこう門部疾患 女性と便秘." 日本大腸肛門病学会雑誌 43.6 (1990): 1070-1076.

※2:向野義人, and 荒川規矩男. "機能性便秘に及ぼす耳針の効果と機序." 全日本鍼灸学会雑誌 34.3-4 (1985): 207-210.

※3:木下芳一. "13. 最近の便秘診療." 日本内科学会雑誌 109.9 (2020): 1945-1952.

コロコロ便の原因となる病気

病気がコロコロ便の原因となるケースもあります。

過敏性腸症候群

痙攣性便秘が起こる背景に、過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)があります。

過敏性腸症候群は、消化器官に異常がないにもかかわらず、腹痛と便通異常が慢性化または再発する状態です。発症の原因は特定されていませんが、ストレスが大きな影響を与えていると考えられています。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は「便秘型」「下痢型」「混合型」「分類不能型」の4種類に分類され、便秘型の多くは痙攣性便秘です。痙攣性便秘では、腸の痙攣によって腸管に狭い部分が生じ、便の通過が阻害されるためにコロコロとした硬い便になります。

大腸がん

コロコロ便の原因となる疾患として大腸がんがあります。大腸がんの場合、腸内で大きくなったがんが便の通過を妨げるからです。

コロコロ便を改善・予防するための生活習慣と食生活

コロコロうんちの改善や予防には、生活習慣の見直しや食生活の改善が重要です。すぐに実践できて効果的なコロコロ硬の治し方をご紹介します。

こまめな水分補給

便がコロコロになる原因は、便が腸内に長時間とどまることで便の水分が腸で過剰に吸収されるからです。それを防ぐためには、こまめな水分補給が欠かせません。

起床して1杯の水や白湯を飲むと胃腸が刺激されて動き始め、便秘解消につながります。

こまめな水分補給

おなかを温める

おなかの皮膚を温めることで副交感神経に刺激が与えられ、腸管活動が活発になって腸内での便の停滞時間が短縮され、水分を含む便に近付いたと推測される研究結果が報告されています。

研究は、常習性の便秘傾向にある女子学生9名を対象に加温刺激が便秘改善に有効かを検討したもので、温熱シートを下腹部に1日平均8時間、7日間にわたり継続貼用するというものでした。

試験前は「コロコロ便」~「硬い便」が多数でしたが、下腹部を温めた場合は「やや硬い便」~「やや軟らかい便」など水分を含む普通便に近付く傾向が見られています(※1)。

オリゴ糖を摂る

オリゴ糖の摂取が、腸内環境の改善につながることが分かっています。

女性10名を対象に、ガラクトオリゴ糖含有飲料の摂取と排便状況について調査を行ったところ、ガラクトオリゴ糖を60mlあたり4g含んだ試験飲料の摂取を開始して6週目以降はバナナ状便の出現率が安定して65%程度となり、12週目にはコロコロ状便や泥状便、水状便の出現が見られなくなりました(※2)。

ガラクトオリゴ糖は小腸で吸収されにくく、大腸まで到達してビフィズス菌の増加を促進します。

オリゴ糖には、ほかに「フラクトオリゴ糖」や「ビートオリゴ糖」などがあり、難消化性で腸内フローラの改善に役立つ存在です。オリゴ糖は、コロコロ便を改善するために積極的に摂りたい成分と言えるでしょう。

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カフェイン・アルコールを控える

コーヒーやお茶、栄養ドリンクに多く含まれるカフェインには、覚醒作用のほかに利尿作用があります。アルコールにも同様に利尿作用があり、体内の水分排出を促進するため、多量に摂取すると便が硬くなる要因となります。

便秘が続いている時は、カフェインとアルコールの摂取は控えた方が良いでしょう。

カフェイン・アルコールを控える

良質な脂質を摂る

コロコロうんちが続いている人の中には、ダイエットのために脂質をカットしている人がいるかもしれません。しかし、便の滑りを良くしてスムーズに排出するためには、適量の脂が必要です。良質な脂は、便秘改善だけでなく脳の働きを良くしたり、肌の調子を整えたりしてくれます。

コロコロ便対策には、オリーブオイルやエゴマ油、アマニ油、ココナッツオイルがおすすめです。また、アーモンドやゴマ、落花生に含まれる脂質も便秘解消には良いでしょう。

質が高い睡眠をとる

睡眠不足は自律神経のバランスが崩れる大きな要因です。

健常者9名に対して睡眠時間約4時間を2日間と、約8時間を2日間になるようにして睡眠時間以外の日常生活を等しくなるようにした試験で、約4時間の短時間睡眠群では、善玉菌を好む日和見菌「バクテロイデス菌」の減少が認められました(※3)。

コロコロうんちを改善・予防するためにも、質が高い睡眠をとることが重要と言えるでしょう。

質が高い睡眠をとる

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規則正しい毎日を送る

便がコロコロになる原因には、自律神経が深く関係しています。自律神経を整えために、規則正しい生活を送って体内リズムを一定にすることが重要です。

起床・就寝、食事、入浴などを毎日同じ時間に行うことで、体内時計が安定します。また、平日と休日で起床・就寝時間を大きく変動させないことも大切です。

※1:細野恵子. "便秘症状を有する女子学生への蒸気温熱シートによる加温効果: 便秘評価尺度と便形スケールによる検討." 紀要 4 (2010): 1-6.

※2:高山理枝, et al. "ガラクトオリゴ糖含有清涼飲料水の大量摂取と長期摂取がヒトの健康に及ぼす作用について." 日本食物繊維学会誌 8.2 (2004): 111-120.

※3:入江潤一郎, and 伊藤裕. "睡眠と腸内細菌叢." 腸内細菌学雑誌 31.3 (2017): 143-150.

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便の硬さ・形は健康のバロメーター!コロコロ便が続いたら要注意

今回は、コロコロうんちの原因や改善・予防法などについて解説しました。

コロコロ便が続いている場合、ストレス蓄積の影響による痙攣性便秘や大腸がんの可能性も考えられます。

水分補給や生活習慣・食生活の見直しなどを実践してもコロコロ便が治らない場合は、専門医や医療機関を受診しましょう。

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