最終更新日:2024.9.12
便秘になると、おなかにガスが溜まって苦しくなったり、下腹部に便が溜まっている不快感で集中力が低下したり、見た目にも下腹がポッコリしてイヤですよね。
便秘を解消したいなら、排便を促す効果が期待できる食べ物を摂りましょう!
今回は、管理栄養士としての知識を織り交ぜながら、便秘解消や腸内環境を良くする作用があるといわれる食べ物をご紹介します。
便秘で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
便秘解消に欠かせないのが、食物繊維です。
厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食物繊維の1日あたりの目標摂取量を18歳~64歳の女性は18g、男性は21g以上としていますが、ほとんどの世代で目標値に達していません。
食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、「水溶性1:不溶性2」の割合で摂るのが良いとされています。
水溶性食物繊維には、便を柔らかくしたり、善玉菌を増やしたりする作用があります。
・海藻類(ワカメ、ひじきなど)
・サトイモ
・納豆
・キウイフルーツ
・大麦
・アボカド
・オクラ
・キクラゲ など
不溶性食物繊維は保水性が高く、便の量を増やして腸のぜん動運動を促進し、便意を促します。
・おから
・サツマイモ
・ゴボウ
・タケノコ
・レンコン
・カボチャ
・リンゴ
・ブロッコリー
・玄米 など
便秘しないためには、食物繊維が多い食べ物を摂ることが大切です。
しかし、食物繊維を摂ると逆に便秘が悪化する場合があります。それは、便秘が長期間続いている時です。
何日間も出ない便秘の症状がある人の大腸には、腸管によって水分が吸収されて硬くなった便がたまっています。
その状態で不溶性食物繊維が含まれる食べ物を摂ると、便が巨大化。さらに排便困難な状態になってしまいます。
便秘が数日間にわたって続いている人は、まず便を柔らかくする作用がある食品を食べましょう。
便秘解消・予防のためには、食物繊維だけでなく、腸内環境を整える作用がある食べ物を摂ることが大切です。
腸内環境が整えば、便の状態も良くなって出しやすくなります。
食物繊維が豊富な食べ物と一緒に摂取すれば、より高い便秘解消・予防効果が期待できるでしょう。
便秘といえば、ヨーグルト。ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が含まれていて、腸内環境を整える働きがあります。
中でもおすすめなのが、ビフィズス菌が入ったヨーグルトです。
ビフィズス菌は大腸内の善玉菌のうち99.9%を占め、主要な短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)である「酢酸(さくさん)」を作り出します。
短鎖脂肪酸には悪玉菌の増殖を抑制する働きに加え、脂肪の蓄積を防ぐとともに脂質の代謝を促進し肥満を防ぐ効果や、腸のぜん動運動を促進させる働きがあります。
ビフィズス菌を生きたまま腸に届かせるためには、胃酸の影響を受けやすい空腹時よりも食後に食べるのがおすすめです。
ビフィズス菌は、オリゴ糖や水溶性食物繊維といったエサを食べることで、酢酸を作り出します。
そのため、ビフィズス菌を含むヨーグルトなどを食べる際は、オリゴ糖や水溶性食物繊維が含まれた食べ物を一緒に摂るようにしましょう。
ハチミツには、腸内に善玉菌を増やして悪玉菌を減らす、有機酸のグルコン酸やオリゴ糖が含まれています。ビタミン類やミネラル類も豊富で、美容面や疲労回復にも役立ちます。
ビフィズス菌配合のプレーンヨーグルトに加えたり、ハーブティーに入れたりして日常的に摂るようにしましょう。
ただし、1歳未満の乳児には与えないように注意を。
便をスムーズに出すためには、すべりを良くする良質な脂質の摂取が必要です。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸には、腸のぜん動運動を促進する作用があります。
サラダドレッシングなどとして使うほかに、納豆のタレとして使うのもおすすめです。
スプーン一杯のオリーブオイルに少量の岩塩を加えれば、新感覚の味わいを楽しめます。
また、水切りをしたヨーグルトにオリーブオイルとはちみつを加え、そこに胃腸を整える効果があるセイロンシナモンのパウダーを少量混ぜれば、腸活デザートに。
きな粉を加えたら、ほんのり和風のやさしい味わいになります。
梨や桃、リンゴ、プルーンなどバラ科の果樹には、腸管内の水分を増やして便を軟化させる作用がある成分「ソルビトール」が含まれています。
ソルビトールは便秘薬の成分として使われることもあり、即効性が期待できます。効果が高い分、食べすぎには注意を。
トウモロコシには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のほか、ビフィズス菌など善玉菌のエサとなるオリゴ糖も豊富に含まれています。
今回は、便秘解消や予防に効果的な食べ物をご紹介しました。
便秘解消・予防に理想的なのは、今回ご紹介した食物繊維やビフィズス菌、オリゴ糖などを含む食べ物を、朝・昼・晩の3食でバランス良く摂ることです。
しかし、実際にそのような食生活を毎日実践するのは難しい人も多いでしょう。
出来る範囲で腸活を意識した食事を摂りつつ、不足分はビフィズス菌など腸内環境を整える成分が配合されたサプリメントで補うのもおすすめです。
無理なく続けられる方法で腸内環境を整えて、便秘とは無縁の毎日を目指しましょう!