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ダイエットが便秘の原因に?腸活で健康的に痩せる方法

最終更新日:2024.2.20

ダイエットが便秘の原因に?腸活で健康的に痩せる方法

薄着の季節が近付いてくると、冬の間についた余分な脂肪が気になってダイエットを始める人も多いのでは?

肥満による生活習慣病のリスクを下げるためにも、適正な体重の維持は大切です。

しかし、食事制限によるダイエットは便秘しやすくなるばかりでなく、逆に太ってしまう可能性もあります。

今回は、ダイエットで便秘になる原因や、便秘しやすいダイエット方法、ダイエット中の便秘を予防する腸活のポイントなどについてご紹介します。

これから減量しようと思っている人は、ダイエットが原因の便秘を予防するために最後までお読みくださいね。

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
 食品保健指導士
管理栄養士

ダイエット中は便秘になりやすい?食事制限のデメリットは?

ダイエットと言えば、まず思いつくのが食事制限。

食べる量を減らしたり、糖分や油を控えたり、痩せる効果があるとされている一つの食品を食べ続けたりと、その方法は実に様々です。

ところが、食事制限によるダイエットは便秘を引き起こしやすいとも言われています。

まずは、ダイエットで食事制限する際にやりがちなこととそのデメリットについて、詳しく解説していきましょう。

食べる量を極端に減らす

痩せるために食べる量を減らすと、作られる便の量も減ります。

すると、便が腸内を移動できないばかりか、便が腸内に停滞している間に便内の水分が腸管で過剰に吸収され、カチコチの硬い便に。

排出困難な状態となり、便秘になります。

また、硬い便を無理に出す際に切れ痔になる可能性も。

切れ痔になると、排便時の痛みを避けるために便意が起こっても我慢するようになり、ますます便秘が悪化するという悪循環に陥りやすくなるのです。

ダイエットで食べる量を極端に減らすデメリット

油をほとんど摂らない

「油分はダイエットの天敵」と考えている人も多いでしょう。

しかし、油(脂質)は便が腸内をスムーズに移動するための潤滑油として作用するため、極端な脂質制限はひどい便秘の要因となります。

さらに、脂質には脂溶性ビタミンの吸収を促進する役割があり、ダイエットで油の摂取量が減少すると脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収率が低下。

その結果、動脈硬化を予防したり抗酸化力を高めたりする効果がある「若返りのビタミン」ことビタミンEが不足し、神経障害や肌のシミ・シワの増加、動脈硬化のリスク上昇といった悪影響をもたらします。

糖質制限ダイエットで炭水化物を食べない

お米やパンなどの炭水化物をはじめとした、糖質が高い食品を控える糖質制限。

短期間で体重減少効果が得られるため、効率的に痩せられると人気のダイエット法です。

しかし、炭水化物には食物繊維が含まれているため、糖質制限で炭水化物を控えると食物繊維が不足して便秘傾向に。

また、糖質は身体や脳にとって大事なエネルギー源であり、極端に減らすと低血糖症による頭痛や眠気、疲労感、イライラ感などを引き起こす恐れがあります。

糖質制限ダイエットで炭水化物を食べないことのデメリット

水を飲まない

水太りを気にして、食べ物だけでなく水分の摂取を控える人がいるかもしれません。

しかし、水分制限によって体内に必要な水分量が不足すると、便が硬くなって便秘しやすくなります。

それだけではありません。水分には、細胞内で起こる代謝活動を正常に機能させるための機能もあります。

代謝の活発な細胞は水分の含有率が大きいとされ、水分量が不足すると代謝活動が正常に機能せず、身体に異常をきたすとされています(※1)。

代謝が低下すると太りやすくなるため、ダイエットで水分制限を行うのは逆効果と言えるでしょう。

朝食を抜く

一日の摂取カロリーを抑えるために朝食を抜くと、太りやすくなる可能性が指摘されています。

朝食を抜いた場合、前日の夕食から翌日の昼食まで長時間にわたって食べ物を摂取しないため、体が一種の飢餓状態に陥ります。

すると、昼食を摂った際に必要以上の糖質や脂質が脂肪として体にため込まれてしまうのです。

また、昼食で多くの食べ物を一気に摂取することで血糖値が急上昇。すると、血糖を下げるためにインスリンが過剰分泌されます。

インスリンには血液中の糖分を脂肪として蓄積する作用があるため、肥満を引き起こす要因となります(※2)。

朝食には、体内時計をリセットする役割もあります。体内時計がリセットされないと体内リズムが乱れ、自律神経がバランスを崩す要因に。

自律神経が乱れると腸の動きが鈍くなり、便秘しやすくなります。

ダイエットで朝食を抜くことのデメリット

好きな食べ物を我慢して一切食べない

痩せるために好きな食べ物を我慢して、全く食べない…。

その決意は立派ですが、人によってはストレスがたまって逆に太りやすくなるかもしれません。

ストレスが蓄積すると、食欲を増大させる副腎皮質ホルモン「コルチゾール」が多量に分泌されます。

コルチゾールは血糖値を上昇させ、インスリンを過剰分泌。脂肪をため込みやすい状態を作り出します。

さらに、コルチゾールは“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌を阻害します(※3)。

セロトニンには食欲を抑制する作用もあり、分泌量が減ると過食傾向に。これこそが、ストレスがたまるとドカ食いをしたくなる大きな要因の一つなのです。

また、ストレスがたまると自律神経も乱れがち。

自律神経がバランスを崩すと、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われず、腸の動きが鈍くなって便秘しやすい状態になります。

※1:余田万央. "中・高齢者の運動 (スポーツ活動) と水分摂取ーグラウンド・ゴルフ実施者の実態をふまえて一."

※2:戎利光. "健康科学講座-朝食抜きや過激なダイエットによる悪影響." 福井大学教育学部総合自然教育センター年報 2 (1999): 54-57.

※3:厚生労働省「セルフメンタルヘルス ストレスに負けないセルフメンタルヘルス」テキスト

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ダイエット中の便秘を予防する方法!腸活効果を高めるポイント

食事制限によるダイエットは、誤った方法や極端なやり方で便秘を引き起こすだけでなく、健康面に悪影響を与える場合が少なくありません。

次は、ダイエット中でも便秘にならず、健康的に減量を目指せるポイントをご紹介します。

糖質制限する場合は精製されていない炭水化物を摂る

糖質制限ダイエットは短期間で体重が落とせるため、実践する人も多いでしょう。

その場合、炭水化物を全てカットするのではなく、玄米や雑穀米、全粒粉など未精製の穀物を選ぶようにしましょう。

玄米や雑穀米には食物繊維が豊富に含まれるので、ダイエット中の便秘を予防できます。

「白い炭水化物」を避けるのが、糖質制限ダイエットを健康的に成功させるコツです。

糖質制限する場合は精製されていない炭水化物を摂る

良質な油を摂る

ダイエット中は質の良い油を上手に使うことで、痩せ効果や美容効果が高まるだけでなく、便のスムーズな排出が促進されます。

ダイエットしている時に使いたい油の代表は、MCTオイル(中鎖脂肪酸油)やオリーブオイル、亜麻仁油、エゴマ湯、ココナッツオイルなどです。

しかし、良質でも脂質であることには変わりないため、一日あたりの適量を守って摂取しましょう。

食物繊維が多い食べ物から食べる

ダイエット中は、食べる順番を工夫すると痩せ効果がアップします。

ポイントは、野菜サラダなどの食物繊維が多く含まれる食べ物を最初に食べること。

食物繊維を先に摂ることで血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの分泌量を抑制できることが数多くの研究によって報告されています。

インスリンの分泌量が少ないと太りにくくなるため、野菜を先に食べることでダイエット効果が期待できると考えられるでしょう。

食物繊維が多い食べ物から食べる

野菜・主菜・主食を食べる順番と血糖値の変動について2型糖尿病患者を対象に行った調査では、同じ栄養量の食事であっても野菜から摂取した場合は血糖値の変動幅が大幅に減少しました。

健常者においても同様の結果が認められています(※1)。

食物繊維は便秘予防にも効果的

食物繊維は便秘予防にも効果的です。食物繊維のうち「不溶性食物繊維」には便の量を増やす効果、「水溶性食物繊維」には便を柔らかくする効果があります。

ダイエットで食事の量を減らしている時こそ、食物繊維が多い食べ物を積極的に摂りましょう。

規則正しい毎日を送る

ヒトの体温調整やホルモン分泌などは、体中の細胞に存在している「時計遺伝子」によって制御され、24時間周期で変動しています。

体内時計の乱れが肥満の原因に

米国ノースウエスタン大学の研究グループがマウスを用いて行った実験で、体内時計が狂ったマウスは昼夜関係なく摂食活動を行い、食べる量を調節できないために体重が増加することが明らかになりました。

また、血中のコレステロールや中性脂肪の値にも異常が認められ、不規則な食事や睡眠時間による体内時計の乱れが肥満を引き起こすことが実証されています(※2)。

このことから、ダイエットを成功させるためには、起床・就寝時間や食事、入浴などを出来るだけ毎日同じ時間に合わせて体内時計を整えることも重要であると言えるでしょう。

規則正しい毎日を送る

不規則な生活と体重増加の関連性

ちなみに、不規則な生活を送るリスクについて興味深い調査結果が出ています。

非肥満の日本人成人9123名を対象に、不規則な生活習慣と4年後の体重増加との関連について調査した結果、不規則な生活を送る人は体重増加のリスクが高いことが分かりました。

中でも、朝食を食べない場合は4年後に4%程度の体重増加が認められています。

また、不規則な生活を送る人ほど4年後の体重変化率が高くなる可能性が示唆されました(※3)。

十分な睡眠をとる

脂肪細胞で産生・分泌されるホルモン「レプチン」には、脳の視床下部に作用して食欲を抑制したりエネルギー消費を亢進させたりして、肥満を是正します。

レプチンは食事量が増加すると脂肪細胞で多く産生され、視床下部に作用して食欲を低下させ元の体脂肪量に戻します。

しかし、満状態が続くとレプチンが作用しにくくなるレプチン抵抗性が生じ、食欲が抑えられずに痩せにくくなることが分かっています(※4)。

十分な睡眠をとる

レプチンは睡眠サイクルの乱れや睡眠不足によって分泌量が減少します。また、睡眠不足の状態では、食欲亢進作用があるホルモン「グレリン」の分泌量が増加。

寝不足によるレプチンの減少とグレリンの増加が過食傾向を強くして、肥満しやすくなるのです(※5)。

睡眠不足は自律神経の乱れにつながり、便秘を引き起こす要因にもなります。

ダイエットを成功させるためには、食生活だけでなく睡眠の質にも気を配りたいものですね。

食事はよく噛んで食べる

咀嚼すると「神経ヒスタミン」が分泌されます。

神経ヒスタミンは、満腹中枢を興奮させて食欲を抑制するほか、交感神経系に働きかけて脂肪分解促進や脂肪合成抑制、体脂肪を燃焼させて体重を減少させる作用があるとも考えられています(※6)。

しかし、咀嚼回数が少ないと神経ヒスタミンが十分に分泌されません。

通常咀嚼と1口で50回以上噛んだ場合を比較した臨床研究では、50回以上咀嚼した場合は摂食エネルギー量が約3分の1まで低減させることが明らかになりました(※7)。

食事はよく噛んで食べる

また、咀嚼運動には“幸せホルモン”セロトニンの分泌を促進し、自律神経を整える効果があることが示唆されています。

さらに、咀嚼回数が多いと消化促進作用がある酵素を多く含んだ唾液の分泌量が増加し、食べ物が消化されやすくなります。

よく噛んで食べることが自律神経を安定させ、消化を促進して、ダイエット効果とともに便秘解消・予防効果をもたらしてくれるでしょう。

口腔環境を整える

腸内には1000種類以上、1000兆もの細菌が常在し、腸内細菌によって形成される腸内細菌叢(腸内フローラ)は、肥満やうつ病の発症など全身の健康状態に大きく関与していることが明らかになっています。

また、口腔内にも多数の細菌が常在しています。その数は約600種類以上、約1兆と言われ、腸管に次ぐ多さです。

口腔細菌の中には、唾液や食べ物と一緒に飲み込まれ、腸管まで届く菌がいます。そのため、口の中の細菌が腸内細菌に影響を与える可能性が考えられているのです。

ある疫学調査では、肥満の人は普通体重の人よりも歯周病にかかっている割合が高いことが示され、口腔の健康状態と肥満に関連性があることが示唆されました。

ダイエットを成功させるためには、食事制限や運動だけでなく、口の中の環境を整えることも大切なポイントと言えそうです。

口腔環境を整える

※1:今井佐恵子. "野菜から食べる 「食べる順番」 の効果." 野菜情報= Vegetable information/農畜産業振興機構調査情報部 編 110 (2013): 2-5.

※2:藏元佑嘉子. "体内時計の異常は肥満を引き起こす (D・環境・衛生)." ファルマシア 41.12 (2005): 1177-1178.

※3:田尻絵里, 下田誠也, and 吉村英一. "非肥満者を対象とした不規則な生活習慣と 4 年後の体重増加との関連." 日本家政学会誌 71.12 (2020): 749-756.

※4:新谷隆史. "体重を一定に保つ分子機構と肥満 レプチンによる摂食制御とレプチン抵抗性." 化学と生物 56.11 (2018): 725-731.

※5:食欲調整ホルモン(レプチン、グレリン)と睡眠時間・睡眠の質との関係

※6:高橋茂. "食習慣および咀嚼習慣が口腔や全身の健康へ与える影響." 北海道歯学雑誌 34.2 (2014): 46-52.

※7:小林義典. "咬合・咀嚼が創る健康長寿." 日本補綴歯科学会誌 3.3 (2011): 189-219.

腸活とダイエットを同時に行って健康的に痩せよう

今回は、ダイエットで便秘になる原因や、ダイエット中の便秘予防と腸活につながる方法などについてご紹介しました。

極端な食事制限は便秘の原因となります。

便秘は腹部の不快感だけでなく肌荒れや口臭・体臭が起こる要因でもあるため、目標体重を達成できたとしても満足感が得られないかもしれません。

便秘は腹部の不快感だけでなく肌荒れや口臭・体臭の原因にも

健康的に痩せるためには、特定の栄養素を控えたり、逆に一つのものを食べ続けたりするのではなく、バランスのとれた食事を適度な量、適切な時間に摂ること、さらには規則正しい生活や良質な睡眠なども重要な要素です。

効率良く痩せるためには、腸内環境が良好なのも大切なポイント。ダイエットと同時に腸活も実践して、便秘を予防しながら理想的なスタイルを目指しましょう。

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