最終更新日:2025.1.16
体の中でむくみやすいのは顔や手、足というイメージがありますが、実は腸もむくみます。
腸がむくんだ状態は「腸むくみ」または「むくみ腸」と呼ばれ、便秘の原因です。
今回は、慢性的な便秘やおならの回数の増加、ぽっこりお腹を引き起こす「腸むくみ」について、腸がむくむ原因やむくみ腸の解消法などを詳しく解説します。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
「むくみ(浮腫)」とは、水分の吸収が不十分で細胞の間に水がたまって増加した状態を指します。
長時間立ちっぱなしでいると脚がむくんだり、お酒を飲みすぎた時に顔がむくみやすくなったりするのは、血行不良によって体内の水分がきちんと回収されないことが主な原因です。
「腸むくみ(むくみ腸)」は、同じ症状が大腸や小腸に発生したものです。
手足や顔のむくみは見た目の変化で分かりますが、腸のむくみを自分の目で確認することはできません。
もしも下記のような症状がある場合は、腸がむくんでいるかもしれません。
むくみ腸の人に多い症状
腸むくみが引き起こされる主な原因は、生活習慣や食生活です。
腸むくみの症状がある人は、当てはまる原因がないかチェックしてみましょう。
便秘になると、腸内に便が長時間滞留します。
便が腸管内にとどまっている間に、便に含まれる水分を腸管が過剰に吸収し、腸のむくみを引き起こします。
また、便秘薬や下剤を常用すると腸管の粘膜が炎症を起こしやすくなります。
腸管が炎症を起こすと、腸管壁の組織液が腸管内に滲み出して、腸がむくむ原因となります。
塩分(ナトリウム)を過剰に摂ると、血中のナトリウム濃度が上昇します。
血液中のナトリウム値を下げるために、小腸で吸収される際に多くの水分が必要となり、腸がむくむ原因となります。
脂質は悪玉菌のエサになるため、脂肪分が多い食生活を続けると、悪玉菌が増加して腸内環境が悪化します。
腸内環境の悪化は便秘の原因となり、むくみ腸を引き起こします。
糖分が多い食べ物や飲み物を摂ると、血液中の糖分濃度(血糖値)を下げて正常値に戻すために、インスリンが分泌されます。
インスリンには塩分(ナトリウム)の吸収を促進する作用があり、体液の塩分バランスを整えるために水分をため込みます。
その結果、腸にむくみが生じるのです。
運動不足の人は腸に血液が行き届かず、腸の動き(蠕動運動)が鈍くなっていることがよくあります。
蠕動運動が行われないと便が腸内を移動できず、便秘が悪化。
便秘は、腸むくみの原因です。
ストレスがたまると自律神経が乱れやすくなります。
自律神経は全身の様々な機能を自動的に調節する役割を担っているため、自律神経が乱れると血行が悪くなったり、腸の蠕動運動が鈍くなったりします。
血行不良や蠕動運動の鈍化は、腸むくみを引き起こす原因です。
体が冷えると血流が悪くなります。
腸の血流も例外ではありません。
冷えによって血行不良になると、腸がむくみやすくなります。
腸のむくみが原因で起こる症状の多くは、すぐに生命の危機に直結するものではありません。
しかし、慢性的な腸のむくみは健康寿命の長さに影響を及ぼす可能性があります。
腸のむくみが長引くことで起こりやすい、代表的な健康トラブルを挙げてみましょう。
便秘で腸内に便が長い時間留まることで、腸管によって便に含まれる水分が過剰に吸収されると、腸がむくみやすくなります。
腸管によって水分を吸収された便は硬くなり、出口で詰まって排便できなくなったり、切れ痔の原因になったりします。
便秘は腸のむくみの原因となり、腸のむくみは便秘を引き起こすという悪循環になってしまうのです。
むくみ腸になると、腸内に悪玉菌が増えやすくなります。
すると、腸内フローラ(腸内細菌叢)を形成している腸内細菌のバランスが崩れて、腸内環境が悪化します。
腸内フローラの状態は免疫力と深い関係性があり、悪玉菌の数が増えると免疫力が低下。
風邪やインフルエンザをはじめとした、様々な病気にかかるリスクが上昇します。
腸むくみの状態になると、食べた物の消化や吸収能力が低下します。
そのため、吸収・分解されるべき脂肪が体内に蓄積され、太りやすくなります。
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むくみ腸を改善すると、便秘解消や免疫力の向上といったメリットが得られます。
腸のむくみをとる効果的な方法をご紹介しますので、ぜひ実践してくださいね。
おなかを温めると副交感神経が優位になり、腸の血行が良くなります。
腸の血行が良くなるとむくみ腸が解消されるだけでなく、睡眠中に腸の蠕動運動が活発に行われて翌朝のスムーズな排便につながるでしょう。
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睡眠の質と腸内環境は密接な関係にあり、睡眠の質が低下すると腸内環境も悪化します。
また、寝つきが悪い、眠りが浅いなどの睡眠トラブルは、自律神経がバランスを崩す原因です。
腸内環境の悪化や自律神経の乱れは、腸むくみを引き起こします。
むくみ腸の改善や便秘解消には、眠りの質を向上させることが大切です。
便秘薬や下剤は、大腸に刺激を与えて排便を促すため、使い続けるほど効果が感じられなくなります。
効果を得るために用量を増やした結果、腸が炎症を起こしてむくみを引き起こすことがあります。
腸のむくみを解消するためには、生活習慣や食生活を見直すとともに副作用の心配がない腸活サプリメントを活用して、便秘改善を目指しましょう。
運動不足は、腸内の血行不良の原因です。
適度な運動を毎日行うと、腸内に血流が良くなってむくみ腸の改善につながります。
腸のむくみをとるためにおすすめなのが、朝日を浴びながらのウオーキングやラジオ体操です。
朝日を浴びることで体内時計がリセットされて自律神経が整うだけでなく、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌がスタートします。
セロトニンは、良質な眠りに欠かせない“睡眠ホルモン”と呼ばれる「メラトニン」の原料です。
上質な睡眠は、むくみ腸の解消に欠かせない要素です。
軽い運動でも良いので、まずは1週間続けてみませんか。
むくみ腸には、普段の食生活も大きな影響を与えています。
腸のむくみを解消する効果が期待できる食べ物を積極的に摂って、むくみのない腸を目指しましょう。
バナナは、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出するために必要なミネラル分のカリウムが多く含まれている食べ物です。
体内にナトリウムが多いとむくみやすくなるため、カリウムを適量に摂取することでむくみ改善につながります。
食物繊維も豊富で便秘解消に役立つだけでなく、セロトニン生成に必要なアミノ酸のトリプトファン、セロトニンを作るのに欠かせないビタミンB6も含んでいます。
シナモンは「桂皮」という呼び名で漢方薬に用いられ、血流促進効果や水分代謝を調節する作用があることで知られています。
パウダー状のシナモンなら、コーヒーや紅茶、腸内環境改善に役立つヨーグルトにも加えやすくて便利です。
ただし、シナモンにはクマリンという物質が含まれていて、過剰に摂取すると肝臓に負担を掛けます。
クマリンは、シナモンの中でも「カシアシナモン」に多く含まれています。
購入する場合は、セイロンシナモンを選ぶようにしましょう。
ピスタチオには、カリウムなどのミネラル分やビタミンB2、ビタミンB6といったビタミン類、食物繊維が豊富に含まれています。
ピスタチオはナッツ類の中でも低カロリーで腹もちが良いので、ダイエット中のおやつにもおすすめです。
塩分の摂り過ぎによる腸むくみを避けるために、食塩無添加のピスタチオを食べましょう。
今回は、腸むくみの原因や健康への影響、むくみをとる方法などについて解説しました。
むくみ腸の状態になると、腸内環境が悪化して便秘や肌荒れ、免疫力低下などの悪影響が表れやすくなります。
腸のむくみをとるためには、生活習慣の改善や食生活の見直しが欠かせません。
それと併せて、善玉菌であるビフィズス菌やビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖などがバランス良く配合された腸活サプリメントを活用するのもおすすめです。
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