最終更新日:2024.2.14
便秘になると、下腹がポッコリ膨らんだり、膨満感があったりして不快ですよね。即効で便秘解消を目指すなら、市販の便秘薬を服用するのも有効です。しかし、薬には頼らず自然な形で便秘を改善したいと考える人もいるでしょう。
そこで今回は「便秘解消に効果的な飲み物」を、管理栄養士としての知識を交えながらお伝えします。コンビニでも販売されている飲み物を中心にご紹介しますので、便秘で悩んでいる人は一度試してみてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
便秘の主な原因は食物繊維不足や自律神経の乱れ、運動不足などがありますが、水分不足も大きな要因です。
便の排泄には水分と腸管の蠕動運動が関連していて、腸管内の水分が不足すると便が硬くなり、排便が困難になります(※)。
また、便秘が続くほど便に含まれる水分が腸に吸収されて、便が硬化。ますます排出しにくくなり、便秘が悪化します。
そのため、便秘を解消するためには十分な量の水分を摂ることが大切なのです。
※:徳井教孝, et al. "便秘の定義と便秘体質." 中村学園大学薬膳科学研究所研究紀要 5 (2012): 49-54.
それでは早速、便秘解消に効果が期待できる飲み物を10つご紹介します。温めて飲めるドリンクは、身体が冷えるのを予防するためにホットドリンクとして飲むのがおすすめです。
あずきに含まれる食物繊維量は、ゴボウの2倍、サツマイモの約3倍と言われています。特に多く含まれているのが、水に溶けないタイプの食物繊維である「不溶性食物繊維」です。
不溶性食物繊維は体内で水分を吸収して膨張し、糞便量を増やして腸を刺激。蠕動運動を活発にして、便通をスムーズにします。さらに、あずきにはビフィズス菌の増殖活性があることも分かっています(※1)。
自分で作る場合は、乾燥小豆50gをオーブンで加熱またはフライパンで炒ってから、鍋に移して水400㏄を加え10分程度煮出し、それをザルなどで濾せば完成です。煮出した後の小豆は、サラダや煮物に加えたり、ご飯に混ぜて炊いたりして有効に活用しましょう。
自分で作る時間がない人は、ペットボトルタイプのあずき茶がコンビニやスーパーで販売されていることもあるので、見つけた時に購入してみてはいかが。
ペパーミントに含まれるメントール成分には、腸の蠕動運動を正常にする効果があります。
ペパーミントティーとして飲めば手軽に摂取できるだけでなく、爽やかな香りでリフレッシュ効果も得られるでしょう。甘さが欲しい場合は、腸内環境の改善に役立つハチミツやオリゴ糖を加えると、便秘解消効果が高くなります。
濃厚な甘酸っぱさと豊かな香りが魅力的なパイナップルは、栄養満点で便秘解消にも役立つフルーツです。
パイナップルの摂取と排便状況の関係を調べた研究で、パイナップル摂取群は腸内細菌の菌種に変動が見られ、ルミノコッカス属やブラウディア属などの善玉菌が増加しました。
善玉菌が増えたことで腸内環境が改善し、排便状況が改善した可能性があると考えられる結果が報告されています(※2)。
パイナップルを毎日食べるのは大変ですが、パイナップルジュースならコンビニでも購入出来て手軽に飲めます。糖分の摂りすぎを避けるため、パイナップルのみを原料に使った商品を選ぶようにしましょう。
食物繊維がたっぷり含まれるリンゴは、便秘対策フルーツの代表格です。
リンゴジュースには、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える作用があるフルクタンの一種・オリゴ糖もたっぷり。便秘薬にも使われる成分のソルビトールも含まれています。
ニンジンにはビフィズス菌増殖因子が含まれ、便秘解消や腸内環境の改善にプラスの作用をもたらします。また、不溶性食物繊維が含有されているため、便の量を増加させて腸を刺激し、排便を促進します。
“飲む点滴”とも呼ばれるほど栄養価が高い甘酒には、便通を整える効果もあります。
甘酒の原料となる麴には善玉菌の養分となるイヌリンやオリゴ糖、代謝促進効果が高いビタミンB群が豊富に含まれているため、腸内環境を整えてスムーズな排便を促すと推測されます(※3)。
健康な女子学生を対象に、甘酒の摂取と便秘改善効果の関係について検証した結果、1日1回の甘酒摂取は便秘改善に有効である可能性が高いという結果が報告されています(※4)。
ココアには、カカオ豆由来のリグニンという不溶性食物繊維が豊富に含まれています。リグニンには排便を促進する作用のほかに、血圧低下や血漿コレステロール上昇抑制、さらに動物実験では大腸がん形成を抑制することも確認されました。
しかし、野菜や果物からのリグニンを摂取することは難しいため、ココアからカカオリグニンを摂取するなどの工夫が必要であると指摘されています(※5)。
玄米茶には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランス良く含まれているほか、ミネラル分も豊富です。
玄米茶にはリラックス効果やストレス緩和作用が認められている「GABA」も含まれているため、ストレスの蓄積によって乱れている自律神経を整える効果が期待できます。
自律神経の乱れは便秘を引き起こす原因となるため、玄米茶を飲んで自律神経が整えば、便秘解消につながるでしょう。
飲み物やお菓子などの香りづけに使用されるシナモン(桂皮)には胃腸を整える作用があり、古くから胃腸薬や便秘薬の原料として使われてきました。市販されているシナモンティーのほか、ココアにシナモンパウダーを加えた「シナモンココア」もおすすめです。
ただし、シナモンは摂りすぎると肝臓に負担がかかる場合があるため、摂取量には注意しましょう。
爽やかな酸味と鮮やかなピンク色が特徴のハイビスカスティーには、有機酸やビタミンC、ミネラルがたっぷり含まれています。
便秘解消のほか、代謝促進や肌荒れ改善、むくみ解消にも役立つ、美容効果が高いお茶です。酸っぱさが苦手な人は、ハチミツを加えると飲みやすくなりますよ。
※1:堀尾拓之, et al. "あずきの歴史と栄養." 名古屋経済大学自然科学研究会会誌 49.1・2 (2016): 21-34.
※3,4:住吉和子, and 中尾美幸. "便秘に対する甘酒摂取の効果." 日本看護技術学会誌 16 (2017): 36-40.
※5:上脇達也, 辻啓介, and 中川靖枝. "カカオリグニン摂取が高血圧自然発症ラットの血圧および血漿脂質に及ぼす影響." 日本農芸化学会誌 68.5 (1994): 957-965.
頻繁に便秘を繰り返している人は、根本からの便秘対策が必要かもしれません。
便秘体質の改善には、「腸内環境の改善」「規則正しい生活」「十分な睡眠」「バランスのとれた食生活」「適度な運動」、そして「ストレスをためない生活」を目指すことが大切です。
起床・就寝・食事の時間を毎日同じにすることで、体内リズムが安定して自律神経が整いやすくなります。毎朝同じ時間にトイレに行くことを意識すると、より効果的です。たとえ便が出なくても、習慣化することで次第にスムーズに排便できるようになるでしょう。
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今回は、便秘解消に即効で効果が期待できる飲み物をご紹介しました。コンビニでも手軽に買える飲み物がほとんどですので、便秘に悩んでいる人はぜひ手に取ってみませんか。
また、便秘を改善するために毎朝一杯の白湯を飲むことをおすすめします。水を沸騰させるだけでできる白湯は、起きてすぐに飲むと腸の動きを活性化してスムーズな排便を促すだけでなく、自律神経やホルモンバランスを整える効果も。50℃くらいに冷まし、できるだけ時間をかけてゆっくり飲むのがポイントです。
腸内に善玉菌を増やして腸内環境を良くするためにも、水分をしっかり補給しましょう!
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