最終更新日:2025.11.28
便が細い・残便感がある・しぶり腹…50代から増える「スッキリ出せない」原因と対策
50代・60代になると、これまで感じなかった 「便が細い」「残便感がつづく」「便意はあるのに出ない(しぶり腹/テネスムス)」 といった腸トラブルに見舞われる女性が多くなります。
本記事では、細い便の原因、残便感やしぶり腹が起こる仕組み、今日からできる腸活の方法まで、50代・60代女性の体の変化に寄り添いながら分かりやすく解説します。
腸が整えば、毎日のスッキリ感はもちろん、体の軽さや気分の明るさにも良い変化が生まれます。
まずは、自分の腸の状態を知るところから始めましょう。
目次
便が細くなるのはなぜ?鉛筆状の便が出る原因
50~60代の女性に多い便トラブルの一つが、「便が細くなる」です。
以前のようにしっかりとした太さの便が出なくなり、鉛筆のように細い便、あるいはヒモのようにひょろひょろの便ばかり出ることが増えた、という方も多いのでは?
50~60代の女性は腸の働きや構造に加齢による変化が起きやすく、このような症状が現れやすい傾向があります。
便が細くなる主なメカニズム
便が細くなる主な理由には、腸内のスペースが狭くなっていること、あるいは腸の動きが鈍くなっていることが考えられます。
1. 腸管内のスペースが狭くなる
腸管の内側が炎症やポリープ、腫瘍などによって狭くなると、便が細くなります。
50代以降は大腸がんのリスクが高まるため、細い便が長期間続く場合は、一度検査を受けましょう。
2. 腸の蠕動運動の低下
腸は食べ物を消化・吸収したあと、残った内容物を便として肛門に運ぶために「蠕動運動」と呼ばれるリズミカルな動きを行います。
しかし、腸内環境の悪化や自律神経の乱れなどによって蠕動運動が鈍くなると、便の通過が遅れ、腸内で圧迫されて便が細くなる場合があります。
<悪玉菌が増えると起こること>
- 腸内ガスが増え、腸管が圧迫される
- 腸内に炎症が起こり、粘膜が過敏に
- 腸の蠕動運動が鈍くなり、排便力が低下
3. 排便時のいきみ不足
筋力の低下で十分にいきめないと、腸内に便が滞留し、軟らかい状態で押し出され、ひょろひょろとした便になることがあります。
また、痔などが原因で排便時に痛みを感じる人は、十分にいきむことを避ける場合があります。この場合も、腸内に便が滞留する原因に。
4. ストレスや自律神経の乱れ
ストレスは、腸の動きをコントロールする自律神経に影響を与えます。過敏性腸症候群(IBS)なども含め、排便のリズムや便の形状が乱れる原因になります。
5. 姿勢や骨盤のゆがみ
便が肛門へ向かってスムーズに移動するためには、正しい姿勢や骨盤の位置も大切です。長時間のデスクワークや運動不足で骨盤が歪むと、排便に悪影響を及ぼすことがあります。
以上のような要因で、「ひょろひょろした便」「細長い便」になってしまいます。
便の太さや質は、腸内フローラの健康度を映し出す“鏡”。細い便が続く時には、健康上のトラブルが起きていないか、専門医に相談しましょう。
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残便感・しぶり腹とは?便意があるのに出ない原因は?
「便は出したのに、まだ残っているような感覚がある」「トイレに行ってもすぐに行きたくなる」。
このような症状は「しぶり腹」と呼ばれ、50~60代女性に多く見られる便通トラブルの一つです。
しぶり腹・テネスムスとは?|出し切れてない感じがする不快な症状
残便感が常にある場合は、「しぶり腹」と呼ばれる状態の可能性があります。
医学用語では「テネスムス」と呼ばれ、消化器内科で見られる症状の一つです。
しぶり腹は「便意はあるのに出ない」「常に残便感がある」「トイレに行っても少ししか出ないため、何度もトイレに行くことになる」などの不快感を伴います。
単なる便秘とは少し異なり、便通は定期的にありますが、排便後も腸に便が残っているように感じる不快な症状が表れることが特徴です。
そのため、ひどい場合には日常生活に支障をきたすこともあり、決して軽視できません。
排便後もスッキリしない「残便感」の原因
しぶり腹(残便感)が起こる背景には、腸や直腸の働き、神経系の調整、そして腸内環境の影響が複雑に絡み合っています。
1. 腸の感覚過敏や運動低下
腸や直腸が便の存在を正しく感知できない場合、排便後も「まだ残っている」という感覚が続きます。また、腸のぜん動運動が弱まると、便が腸内で十分に移動せず、残便感を引き起こします。
2. 骨盤底筋の協調運動の乱れ
排便には骨盤底筋の柔軟性と協調運動が欠かせません。しかし、加齢により筋力が低下すると、便を押し出すタイミングがずれ、便が直腸内に残ったままになりやすくなります。
3. 腸内環境の悪化
善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌が減少し、悪玉菌が優位になると腸内の発酵やガス生成が増え、腸壁に刺激を与えます。これにより腸の感覚が過敏になり、残便感が生じやすくなるのです。
4. 生活習慣やホルモンバランスの変化
閉経後のホルモンバランスの変化や運動不足、水分・食物繊維の不足も腸の働きを鈍らせ、残便感を助長します。加えてストレスや生活リズムの乱れも症状を悪化させる要因です。
50~60代女性が残便感を覚えやすい理由
50~60代女性は、加齢による筋力低下に加え、閉経後のホルモンバランスの変化によって腸の働きがさらに鈍くなることがあります。
さらに、運動不足や水分・食物繊維の不足も重なることで、残便感を覚えやすくなるのです。
日常生活で「便は出したけれど、すぐまたトイレに行きたくなる」「便を出してもスッキリしない」等の違和感があるようであれば、精神的ストレスを抱える前に対策を検討することがおすすめです。
しぶり腹(残便感)は病気の前兆? | 放置するとどうなる?
排便後も「まだ残っている」と感じるしぶり腹(残便感)は、命に関わる病気ではありません。しかし、放置すると次に挙げる病気のリスクが高まります。
- 痔(いきみすぎによる)
- 過敏性腸症候群(IBS)
- 潰瘍性大腸炎やクローン病
- 直腸がん(残便感が続く場合)
しぶり腹が長く続く場合は、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。
すぐにできる!腸内環境から便が細い・残便感の悩みを改善する方法
細い便や残便感のお悩みは、症状が軽い場合はちょっとした食生活や生活スタイルの見直しで改善が期待できます。
便通の悩みは今後の人生に影響し続ける場合が多く、残便感や便の詰まりなどは特に一時的な対策ではなく継続的な改善が望ましいトラブル。
そのため、原因となる腸内環境の改善・腸活が一番の改善策といえるでしょう。
ここでは、今日からすぐに実践できる腸活法をご紹介。
食事・運動・ケアのコツを押さえて、“良い便がすっきり出る毎日”を手に入れましょう!
1. 野菜・海藻・豆類で食物繊維をたっぷり摂る
食物繊維は、腸内を元気に保つために欠かせません。便のかさを増やし、スムーズな排便を促進するのに必要不可欠な栄養素です。
便が細くなりがちな人には、毎食ごとに野菜や海藻、豆類をプラスするのがオススメ。目安として1日25g以上の食物繊維を目指しましょう。
<実践方法>
- 朝食:サラダやきんぴらごぼうを添える
- 昼食:海藻サラダや納豆、味噌汁で補給
- 夕食:煮物や豆腐ステーキに野菜を加える
2. 水分をしっかりと摂って便をやわらかく
水分不足は、便が硬くなって細くなる原因の一つです。腸内で水分が足りないと、排便が困難になります。特に寝起きに温かい飲み物を摂ると、腸の動きがスムーズになりやすいでしょう。
<実践方法>
- 1日に最低でも2リットルの水を意識して摂る
- 朝起きた時に温かい白湯を一杯
- 食事中もこまめに水分を摂取する
3. 発酵食品を積極的に摂取して腸内フローラを整える
善玉菌が減少すると、腸内のバランスが崩れて便が細くなる原因に。発酵食品を意識的に摂ることで、便の質が改善されやすくなります。
<実践方法>
- 納豆、キムチ、味噌を食事に加える
- 朝食にヨーグルトを取り入れる
4. 腸内環境を整える食品・サプリメント
50~60代女性は加齢によって腸内の善玉菌が減少しやすく、悪玉菌が優位になることで便通が乱れやすくなります。そこでおすすめなのが、ビフィズス菌BB536とオリゴ糖(ガラクトオリゴ糖・フラクトオリゴ糖・ビートオリゴ糖)を配合した腸活サプリです。
<期待できる効果>
- 善玉菌を増やして腸内フローラを整える
- 便の太さや残便感の改善をサポート
- 食事だけでは補えない善玉菌とそのエサを同時に摂取可能
<実践のポイント>
- 継続して摂る(少なくとも4週間以上)
- 日常の水分・食物繊維・運動と組み合わせることが理想
自然なお通じを実感!腸まで届くビフィズス菌BB536のサプリとは…>>詳しく解説
5. 日常生活での習慣づくり
生活習慣を見直すことで、より効果的に便通を改善できます。
<実践方法>
- 毎日同じ時間にトイレに行き、排便リズムを整える
- 朝食を摂って腸を目覚めさせる
- ストレスを溜めない工夫をする(入浴、軽い運動など)
これらを組み合わせることで、出口で詰まる便、便が細い、残便感があるといった複数の症状を総合的に改善し、スッキリとした排便を取り戻すことができます。
まとめ | 50代・60代女性の「細い便・残便感・しぶり腹」改善に大切なこと
50代・60代になると、体はゆっくりと変化し、腸もその影響を受けやすくなります。
細い便やしぶり腹の背景には、腸の運動の低下、腸内環境の乱れ、骨盤底筋の弱まり、ストレスなど、多くの要因が複雑に絡んでいます。
しかし、原因が一つではないからこそ、生活の中でできる小さな腸活が確かな変化を生むとも言えるでしょう。
食物繊維や発酵食品を取り入れる習慣、こまめな水分補給、骨盤底筋を意識した軽い運動、リラックス時間をつくる、腸活サプリメントを活用すること——。
これらはどれも大きな負担なく始められる方法ですが、腸の動きを安定させ、しぶり腹や残便感の改善に役立つ大切なステップです。
「ずっと便秘体質だから」と諦めず、今回ご紹介した対策法を、まずは一つだけ取り入れてみてください。
腸の状態は、脳(メンタル)にも大きな影響を与えます。
毎日の腸活や腸ケアの積み重ねが翌日のスッキリ感につながり、気持ちの明るさや生活の自信にも結びついていくでしょう。
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【参考資料・出典】
※鈴木邦夫. "老化と腸内フローラ." ビフィズス 3.1 (1989): 9-27.
※井垣通人, et al. "便通不調のある中高年女性の蒸気温熱シートの腹部適用による症状緩和." 日本看護技術学会誌 6.2 (2007): 12-17.
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会 食品保健指導士
・管理栄養士
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾病の診断や治療を意図するものではありません。症状や健康面にご不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門の医師による診断と指導をお受けください。
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