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便秘で病院へ行くなら何科を受診するべき?病院を受診する症状の基準は?

最終更新日:2024.3.12

便秘で病院へ行くなら何科を受診するべき?病院を受診する症状の基準は?

便秘に悩んでいる人の中には、市販薬を服用して解消している人も多いのではないでしょうか?

もしそれでも便秘が改善されない場合や、便秘以外の症状が出てきた場合は、病院を受診した方が良いかもしれません。

しかし、いざ病院を受診しようと思っても「何科に行けば良いのか分からない」「どんな検査や治療をされるのか分からなくて怖い」といった疑問や不安が頭をよぎる人が少なくないでしょう。

そこで今回は、病院を受診する必要がある便秘の症状や、便秘で受診する時に選ぶ診療科、病院での検査内容や治療方法などについてご紹介します。

便秘で病院の受診を考えている人は、参考にしてくださいね。

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
 食品保健指導士
管理栄養士

便秘の主な症状は?何日以上出ないと便秘?

ひと口に便秘と言っても、期間や症状によってタイプが異なります。

それぞれの症状で原因も違うため、便秘のタイプを知ることが改善への近道と言えるでしょう。

病院を受診した場合は、検査によって便秘のタイプが明らかになる可能性が高いと考えられます。

便秘の種類

便秘の種類

①器質性便秘

腸閉塞(イレウス)や大腸がん、クローン病といった病気によって腸管に器質的な問題がある場合に起こる便秘です。

腸管の変形などによって便の通過が阻害されることで、便秘が引き起こされます。

②機能性便秘

1.一過性単純性便秘(急性便秘症)

急性かつ一過性の便秘で、環境の変化やストレスが発症の引き金となります。

2.慢性便秘(常習性便秘症)

機能性便秘の大半を占める慢性便秘であり、生活習慣や食生活、心因的要因など複数の要因が絡み合うことによる便秘です。

女性に多い症状ですが、加齢とともに男性の有訴率も増加して70代以上では男女比の差がほとんどなくなります。

3.症候性便秘

大腸の器質的な疾患以外の病気が原因で発生する便秘です。

糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病、うつ病などが主な要因となります。

4.薬物性便秘

腸管の正常な運動を阻害する働きがある薬物を服用することで、引き起こされる便秘です。

便秘の症状を起こす薬剤には、抗コリン薬(喘息、パーキンソン病など)や抗うつ薬、咳止め薬、鉄剤があります。

何日以上出ないと便秘?

便秘について、「慢性便秘症診療ガイドライン2017」では「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。

便を出す回数は人によって異なるため、「〇日以上出なければ便秘」といった具体的な数値はありません。

たとえ毎日排便していても、排便時に過度のいきみを必要としたり残便感があったりする場合は便秘であると考えられ、逆に排便回数が少なくてもスムーズに満足できる量の便を出せていれば、便秘ではないでしょう。

便秘の放置は危険

便秘は身近な症状であり、市販薬の服用で解消されることも少なくありません。

そのため、便秘が続いていても「病院を受診するほどではない」と軽視しがちです。しかし、便秘を放置すると健康リスクが高くなることが分かっています。

便秘の放置が危険な理由

便秘を放置すると寿命が縮む?

これまで便秘は生命に影響を与える疾患ではないと考えられていましたが、近年の研究で便秘の人は非便秘の人に比べて死亡率が高いことが明らかにされました。

その理由の一つとして、便秘の人は排便する際に強い努責(いきみ)が必要なため、血圧が急上昇して心血管に負担をかけて心血管疾患や脳梗塞を起こしやすくなるためと考えられています(※1)。

便秘を放置すると寿命が縮む?

免疫力が低下して病気のリスクが高くなる

腸には100兆個以上、1kgもの細菌が存在しています。

腸内細菌は、人間にとって良い効果をもたらす乳酸菌をはじめとした善玉菌(有用菌)、悪影響を及ぼすウェルシュ菌などの悪玉菌(有害菌)、どちらにも属さない日和見菌の3つに分類されます。

乳酸菌などの善玉菌には、免疫機能の向上や発がんリスクの低減、皮膚疾患やアレルギー症状の抑制、血圧低下作用などがあることが報告されています。

しかし、便秘が続くと腸内には悪玉菌が増え、腸内環境が悪化。善玉菌が減少して免疫力が低下し、風邪やインフルエンザをはじめとした色々な病気にかかりやすくなるのです。

うつ病を発症する可能性が上昇する

脳機能と精神疾患、腸内細菌には互いに影響を及ぼし合う関係にある可能性が高いことが、近年の研究結果から明らかになりつつあります。

うつ病も例外ではなく、うつ病発症の大きな要因であるストレスに関して、腸内環境を改善することでストレスに対する反応も改善されたという報告があります。

うつ病の人は、腸内細菌が慢性的な軽度の炎症に関わっていることを示唆する調査結果も少なくありません(※2)。

便秘を放置するとうつ病を発症する可能性が上昇する

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市販薬の長期服用には注意が必要

慢性的に便秘の症状がある場合、市販薬を購入して服用する人が多いかもしれません。

市販薬での便秘解消は手軽ですが、自己判断で使い続けると健康リスクが高くなる可能性があります。

大腸が黒く変色して大腸がんの発症リスクが上昇

市販されている便秘薬の中で多いのが、大黄やセンナ、アロエエキスなどを含む刺激性便秘薬です。

刺激性便秘薬は価格が比較的安価であり、効果を実感しやすいというメリットがあります。

その一方で、長期間にわたって服用すると「大腸メラノーシス」という大腸が黒く変色する症状を引き起こすことが分かっています。

大腸メラノーシスは大腸がんの発症リスクを高めたり、腸管運動を低下させたりする可能性が報告されています(※3)。

高マグネシウム血症を発症する危険性

便に含まれる水分量を増やして排便しやすい硬さや量にする非刺激性便秘薬は、自然に近いお通じを促します。

非刺激性便秘薬の代表格である「酸化マグネシウム」は、便秘の治療薬として市販薬や処方薬として古くから使われてきました。

しかし、高齢の人や腎臓に疾患がある人が酸化マグネシウムを服用し続けると、高マグネシウム血症を発症する危険性があります。

高マグネシウム血症は、筋肉のけいれんや嘔吐のほか、ひどい場合には不整脈などが発言し、最悪の場合は死に至る場合も(※4)。

便秘の治療で酸化マグネシウムを飲み続ける場合は、定期的な血液検査が必要でしょう。

市販の便秘薬の長期服用には注意が必要

※1:中島淳, 大久保秀則, and 日暮琢磨. "1. 高齢者の慢性便秘症の病態と治療." 日本老年医学会雑誌 57.4 (2020): 406-413.

※2:功刀浩. "うつ病・自閉症と腸内細菌叢." 腸内細菌学雑誌 32.1 (2018): 7-13.

※3::ICHIKAWA, Yuki. "便秘について-便秘治療の進歩."

※4:中村忠博, et al. "酸化マグネシウム製剤の腎機能低下患者における血清マグネシウム値への影響." 日本腎臓病薬物療法学会誌 2.1 (2013): 3-9.

便秘で病院を受診すべきタイミングは?便秘は何科を受診する?

市販薬を服用しても便秘が解消されない場合や、以下のような症状がある場合は速やかに病院を受診することをおすすめします。

  • 病院を受診した方が良い便秘の主な症状

    1. 吐き気や嘔吐がある
    2. 便に血が混じっている
    3. 便が出ていないのに体重が極端に減った
    4. 便秘と下痢を繰り返す
    5. 便が4日以上出ていない
    6. 便の色や太さが大きく変化した
    7. 硬くコロコロとした便が続く
    8. 便を出しても残っているような気がする

便秘の時は何科を受診する?

便秘で病院を受診する場合、「何科を受診すれば良いのか分からない」という人も少なくないのでは?

  • 通常は
  • ・一般内科
  • ・消化器内科
  • ・胃腸科
  • ・肛門科

を受診すれば、適切な検査や診療が受けられるでしょう。

便秘の時は何科を受診する?
  • しかし、
  • ・妊娠中の場合は産婦人科
  • ・持病がある人はかかりつけ医
  • ・ストレスなど精神的な問題を伴う場合は心療内科
  • ・子どもの便秘なら小児科

という風に、自分の状態に合った科を受診した方が良い場合もあります。

最近は便秘症状の改善に特化した「便秘外来」がある病院も増えているため、きめ細かいサポートを希望する場合は、便秘外来を選択するのも一つの選択肢です。

また、スムーズな診療のために事前に準備しておきたいものがあります。

  • 病院を受診する時に準備しておきたいもの

    1. 便の硬さや色、形、頻度などの記録
    2. 市販薬を服用している場合は薬の情報(便秘薬以外も)
    3. 日常的に食べている食品の情報

便秘の症状で病院に行く場合は、これらを用意して行くと良いでしょう。

病院ではどんな検査をするの?処方される薬は?

便秘が続いても病院を受診するのをためらっている人は、「病院で何をされるのか分からない」といった検査への不安があるかもしれません。

便秘の症状で病院を受診した場合、以下の検査が行われる可能性が高いでしょう。

  • 便秘で受診した場合の主な検査内容

    • 腹部レントゲン検査
      腹部にたまっているガスの量や便塊の有無などを検査します
    • CT検査
      腸内にどの程度の便が溜まっているのかなどを調べます
    • 腹部超音波検査
      便の硬さや便が腸内のどこに溜まっているかなどを見ます
  • 便秘で病院を受診した場合の主な検査内容

便が腸内で大量に停滞している場合や、硬くなりすぎて自力での排便が困難な場合には、摘便や浣腸が行われる場合もあります。

どんな薬が処方されるの?

診療後は、症状に応じた便秘薬が処方されます。便秘の治療に用いられる薬剤には、刺激性下剤、浸透圧性下剤、膨脹性下剤、漢方薬などがあります。

刺激性下剤

便秘改善効果が強力で、病院で処方される便秘治療薬のおよそ6割を占めます。

腸の蠕動運動を促進するほか、便に水分を与えて軟らかくし、排便しやすくするのが特徴です。

副作用として腹痛や下痢が報告されているほか、長期間の使用で耐性や依存性が表れ、蠕動運動が低下して便秘が悪化する危険性が指摘されています(※1)。

浸透圧性下剤

酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムなどの「塩類下剤」や、ラクツロースをはじめとした「糖類下剤」のほか「浸潤性下剤」が浸透圧性下剤にあたります(※2)。

浸透圧性下剤

膨張性下剤

腸管内で消化吸収されず、水分を取り込んで便の容積や量を増やして排便しやすくします。副作用が少なく、便秘が軽症の人や高齢者でも使いやすいのが特徴です(※3)。

漢方薬

センノシドあるいは大黄(ダイオウ)という大腸刺激作用や腸管の水分吸収を抑制する成分が含まれた「麻子仁丸(マシニンガン)」や「大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)」、「潤腸湯(ジュンチョウトウ)」が便秘薬として用いられます(※4)。

※1:三代剛, 三上博信, and 木下芳一. "VI. 慢性便秘の治療―大腸刺激性下剤の種類とその使い方―." 日本内科学会雑誌 108.1 (2019): 40-45.

※2,3:富田寿彦, and 三輪洋人. "IV. 慢性便秘の治療―膨張性下剤の使い方―." 日本内科学会雑誌 108.1 (2019): 29-35.

※4:河野透. "IV. 慢性便秘症に対する漢方薬の役割." 日本大腸肛門病学会雑誌 72.10 (2019): 615-620.

便秘が続く場合は病院を受診して適切に改善しよう

今回は、便秘で病院を受診するべき理由や検査内容、処方される薬などについて解説しました。

便秘になると、お腹の張りや不快感、いつ便意に襲われるか分からない不安感など、日常生活に支障をきたすことが少なくありません。

しかし、便秘は珍しい症状ではないため、「いつものことだから」と軽く考えがちです。

記事でも解説したように、便秘が原因で腸内環境が悪化すると心身の健康に悪影響を及ぼし、場合によっては何らかの病気を発症するきっかけになる可能性もあります。

健康的な生活を送るためにも、便秘が続く場合には早めに病院を受診しましょう。

>便秘が続く場合は病院を受診して適切に改善しよう

病院を受診した後は、便秘を予防するための生活習慣や食生活を心掛けることが大切です。

サプリメントなどを上手に活用して、腸内に善玉菌を増やして良好な腸内環境を築きましょう。

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