メニュー

最終更新日:2025.9.3

ビフィズス菌BB536とは?便秘改善効果と科学的データを分かりやすく解説

ビフィズス菌BB536とは?便秘改善効果と科学的データを分かりやすく解説

「また便秘かも…」「お腹の張りがつらい」「薬に頼らず根本からスッキリしたい」――そんな悩みを抱える方は少なくありません。

実は、年齢を重ねるにつれて腸内の善玉菌「ビフィズス菌」が減り、便秘になりやすくなることがわかっています。

中でも、臨床試験で便通改善効果が確認されている「ビフィズス菌BB536」は、加齢による腸内フローラの乱れを整え、便秘やお腹の張りの改善に役立つと注目されています。

本記事では、加齢と腸内環境の関係、BB536の特徴、そして実際の研究データに基づく効果をわかりやすく解説。薬に頼らず、腸からスッキリを目指したい方は必見です。

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会 食品保健指導士
管理栄養士

そもそもビフィズス菌とは?どんな働きをする?

ビフィズス菌は、腸内環境を良好に保つために欠かせない「善玉菌」の代表格です。

母乳で育てられた乳児の腸内細菌叢(腸内フローラ)にはビフィズス菌が多く存在し、健康状態に影響を与えることが研究によって明らかにされています。

さらに、一部の研究ではビフィズス菌の摂取が血中脂質の改善に寄与し、コレステロール値の低下作用を示す可能性が報告されました。

また、動物実験の段階ではあるものの、ビフィズス菌のある特定株を肥満マウスに投与した研究で、体重増加や体脂肪蓄積の抑制が観察されています。

このような知見は、ヒトにおいても生活習慣病や肥満対策に役立つ可能性を示唆しています。

ビフィズス菌の作用

以上は、ビフィズス菌が持つ機能のほんの一例に過ぎません。

現在も世界各国で多様な研究が行われており、腸内環境改善にとどまらず、全身の健康に寄与する可能性が次々と報告されています。

日本人に多い腸内細菌の種類は?

大規模コホート調査により、日本人成人は他国の集団と比較してBifidobacterium属細菌(ビフィズス菌)の占有率が高いことが報告されました。その背景には、日本食に多様な糖質が含まれている点が関与していると考えられています。

Bifidobacterium属は糖質分解酵素を豊富に保有しており、日本人の食習慣に適応する形で腸内に定着している可能性が示唆されています。

さらに、日本人は近年「やせ菌」として注目されているBlautia属細菌(ブラウティア菌)の相対的存在量も高く、腸内細菌叢の特異的な特徴として位置づけられています。

日本人に多い腸内細菌の種類

加齢とともに腸内のビフィズス菌は減少する

私たちの大腸には100兆個以上の腸内細菌が生息しており、大きく「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つのグループに分類されます。

腸内フローラの健康はこれらのバランスによって左右され、便秘をはじめとする消化管トラブルは、悪玉菌の増加や善玉菌の減少と深く関係しています。

腸内環境が悪化する主な要因が、以下の3つです。

腸内環境が悪化する主な要因

  • 加齢やホルモン変動によるビフィズス菌の減少
  • 食物繊維・水分不足、偏った食事
  • 運動不足やストレスによる腸のぜん動運動低下

この中でも、特にビフィズス菌が減少する大きな要因となるのが加齢です。

加齢とともに減少するビフィズス菌

腸内細菌叢の構成は、2~3歳頃までに大きく変動し、免疫系の発達にも多大な影響を与えます。

その後、10~50代では10~20%程度で比較的安定した状態を保ったまま推移します。
そして、70歳以降で再び大きく変動。ビフィズス菌が大幅に減少することが、日本人を対象にした研究調査によって明らかになりました。

このことから、加齢が腸内フローラの構成に影響を及ぼす重要な要因であることが推測できます。

年齢とビフィズス菌数の変化

ビフィズス菌BB536とは?ヒト由来のビフィズス菌

ビフィズス菌属には数十種が存在し、ひとくちに「ビフィズス菌」といっても、生息場所や機能は菌株ごとに異なります。

その中でも、特に健康効果への期待が高いビフィズス菌が「BB536(ビフィドバクテリウム・ロンガム BB536)」。1969年に日本の森永乳業によって健康な乳児の腸内から分離された、ヒト由来のビフィズス菌株です。

BB536は国際的にも高い評価を受け、世界30カ国以上で食品・サプリメントに利用され、販売されています。

日本でも、厚生労働省から特定保健用食品の指定を受けている、プロバイオティクスの代表格なのです。

ビフィズス菌・BB536の作用と歴史

BB536が他のビフィズス菌より優れている理由

市販の乳酸菌・ビフィズス菌製品にはさまざまな菌株が含まれていますが、菌株によって生き残りやすさ、腸内定着性、便通改善効果には大きな差があります。

BB536が他のビフィズス菌株より優れている点を、具体的に挙げていきましょう。

① 胃酸や胆汁酸に耐性が高い

多くの菌は胃酸や胆汁酸に弱く、腸に届く前に死滅しやすい課題があります。

BB536は酸や酸素への耐性が高く、消化管を通過しても生存率が高いことが実験で確認されています。

② 腸内に定着しやすい

一般的な菌株は一時的に通過するだけで、摂取をやめると腸内から減少しやすい傾向があります。

BB536はヒト由来株であるため、腸粘膜への付着性が高く、一定期間の摂取で腸内フローラを善玉菌優位に維持しやすいことが報告されています。

ただし、摂取を中止すると徐々に減少します。

③ 腸内細菌叢のバランスを整える

BB536には、腸内にビフィズス菌などの善玉菌を増やす一方で、悪玉菌の増殖を抑制して、腸内細菌叢のバランスを回復させる作用があります。

腸内細菌叢のバランスは便通だけでなく、全身の健康状態に影響を及ぼすため、BB536の摂取で多くの健康障害を改善する可能性があると考えられます(※)。

④ 臨床試験のエビデンスが豊富

ビフィズス菌の中でも、ヒト試験で便秘改善効果が証明されている株は多くありません。

しかし、BB536は日本・海外を含む多数の試験で以下の効果が統計的に有意に示されています:

  • 排便回数の増加
  • 便の性状改善(硬便→普通便)
  • 悪玉菌の減少、腸内短鎖脂肪酸の増加

⑤ 安全性が確立されている

BB536は、安全性の面でも高い評価を得ています。

米国ではSelf-affirmed GRASとして、専門家によって一般に安全と認められると評価されています(※)。

これまでの研究や利用実績から、赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層を対象とした食品・サプリに採用されています。

BB536と他のビフィズス菌との違い

臨床試験で示されたBB536の便秘改善効果

BB536(Bifidobacterium longum BB536)は、多くのヒトを対象としたランダム化比較試験でその便通改善効果が確認されており、安全性にも配慮された実績のある菌株です。

1. 高齢者の慢性便秘に対する効果

70~80代の慢性便秘患者80名を対象に、BB536を4週間摂取させた試験では、排便回数の有意な増加や便の硬さの改善、便秘症状スコアの改善が認められました。
副作用はプラセボ群と差がなく、安全性にも問題は見られませんでした。

この結果は、加齢による腸内環境の乱れが便秘に直結する高齢者層において、BB536の有効性を示す根拠となります。

2. 健常成人における腸内環境改善試験(発酵乳による介入)

ある臨床試験では、BB536を含む食品を一定期間摂取した際の腸内環境や排便状態の変化が詳細に検討されました。

その結果、以下のような複数の改善傾向が確認されています。

BB536が及ぼす影響

  • 便中のビフィズス菌数および相対割合が有意に増加し、善玉菌優位な腸内フローラへシフト
  • 腸内で発生するアンモニア濃度が低下傾向を示し、有機酸が増加することで腸内代謝環境が良好に
  • 排便頻度が有意に増え、便の色調は黄色に、性状はやわらかくなるなど、排便の質が向上
BB536が便形状に及ぼす影響

3. 免疫力を高めて風邪をひきにくくする可能性

BB536の働きは、単に腸内環境を整えるだけではありません。いくつかの研究では、BB536を摂取により腸内の免疫機能が活性化されることが報告されています。

BB536の摂取と風邪の症状

  • 高齢者を対象にした研究では、BB536を12週間投与し、その後4週間観察したところ、腸などの粘膜を守る「IgA抗体」の分泌が増加。外部から侵入する有害物質や病原菌に対する防御力が高まることが示されました。
  • 健康な成人200名を対象に2021年11月~2022年2月にかけて毎日BB536もしくはプラセボ粉末を摂取させた試験では、BB536を摂取していたグループで発熱を含む風邪症状や疲労感の軽減傾向が報告されています。
BB536の摂取と風邪症状・発熱の関係

以上の結果から、BB536は腸内を善玉菌が優位な状態に導くだけでなく、免疫力をサポートし、日常生活での健康維持や風邪予防の強い味方となる可能性が示されています。

食事だけでは不足しがちなBB536。サプリ活用で“続ける力”をサポート

BB536は一部のヨーグルトや発酵乳からも摂れますが、臨床試験で使われるレベルの菌数を毎日継続して摂取し続けるのは、食事だけではかなり難しいのが実情です。

不規則な生活やストレス蓄積、加齢など腸内環境が乱れやすい現代人にとって、ビフィズス菌を安定的に補うことは、思っているよりも難しいのが現実といえるでしょう。

そんな現代人が、安定的かつ効率良くビフィズス菌を摂取する方法としておすすめなのが、サプリメントです。

サプリのメリットとして挙げられるのが、

BB536サプリのメリット

  • 1日分に十分な菌数をしっかり補える
  • 善玉菌のエサとなるオリゴ糖もあわせて摂れる
  • 外出先でも飲みやすく、習慣化しやすい

という点です。手軽だからこそ、腸内環境を整える“継続力”につながります。

まとめ | BB536を毎日の習慣に取り入れて、腸から健やかに

便秘は単なる一時的な不調ではなく、腸内環境の乱れが根本にあります。

特に加齢や食生活の乱れでビフィズス菌が減少すると、腸のリズムが崩れ、排便トラブルが慢性化しやすくなります。

BB536の特徴と摂取のポイント

  • ビフィズス菌は菌株ごとに効果が異なり、BB536は複数の臨床試験で便通改善効果が科学的に示されている菌株
  • 食事だけで必要量を毎日安定して摂るのは難しい
  • サプリなら続けやすく、腸内フローラを整える習慣が作れる

腸内バランスが整ってくると、便秘の改善だけでなく、お腹の張りやガスの臭いが気にならなくなる、肌の調子が安定するなど、日々の快適さにもつながることが報告されています。

腸内環境は1日や2日で変わるものではありませんが、適切な菌株を毎日補うことで少しずつ腸のリズムは整っていくでしょう。

“便通力”のようにBB536をしっかり配合したサプリを活用し、腸の内側から健やかな変化を実感してください。

腸活をもっと効率的に続けたいあなたへ

加齢とともに減少する

ビフィズス菌BB536を効率良く摂取!

無理なく自然なお通じを目指しませんか?

【参考資料・出典】

※Miriam N Ojima, Lin Jiang, Aleksandr A Arzamasov, Keisuke Yoshida, Toshitaka Odamaki, Jinzhong Xiao, Aruto Nakajima, Motomitsu Kitaoka, Junko Hirose, Tadasu Urashima, Toshihiko Katoh, Aina Gotoh, Douwe van Sinderen, Dmitry A Rodionov, Andrei L Osterman, Mikiyasu Sakanaka, Takane Katayama, Priority effects shape the structure of infant-type Bifidobacterium communities on human milk oligosaccharides, The ISME Journal, Volume 16, Issue 9, September 2022, Pages 2265–2279.

※近藤しずき, 清水(肖)金忠. "プロバイオティクス細菌による血中脂質改善作用." 腸内細菌学雑誌 24.4 (2010): 281-286.

※Shizuki KONDO, Jin-zhong XIAO, Takumi SATOH, Toshitaka ODAMAKI, Sachiko TAKAHASHI, Hirosuke SUGAHARA, Tomoko YAESHIMA, Keiji IWATSUKI, Asuka KAMEI, Keiko ABE, Antiobesity Effects of Bifidobacterium breve Strain B-3 Supplementation in a Mouse Model with High-Fat Diet-Induced Obesity, Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, Volume 74, Issue 8, 23 August 2010, Pages 1656–1661.

※Suguru Nishijima, Wataru Suda, Kenshiro Oshima, Seok-Won Kim, Yuu Hirose, Hidetoshi Morita, Masahira Hattori, The gut microbiome of healthy Japanese and its microbial and functional uniqueness, DNA Research, Volume 23, Issue 2, April 2016, Pages 125–133.

※Laursen MF, Bahl MI, Licht TR. Settlers of our inner surface - factors shaping the gut microbiota from birth to toddlerhood. FEMS Microbiol Rev. 2021 Aug 17;45(4):fuab001.

※Odamaki, T., Kato, K., Sugahara, H. et al. Age-related changes in gut microbiota composition from newborn to centenarian: a cross-sectional study. BMC Microbiol 16, 90 (2016).

※堀米綾子. "ヒト腸管に棲息するビフィズス菌を中心とした腸内細菌に関する研究 乳児から高齢者まで: 腸内細菌研究を通じた健康への貢献を目指して." 化学と生物 62.5 (2024): 240-245.

※Chyn Boon Wong, Toshitaka Odamaki, Jin-zhong Xiao, Beneficial effects of Bifidobacterium longum subsp. longum BB536 on human health: Modulation of gut microbiome as the principal action, Journal of Functional Foods, Volume 54, 2019, Pages 506-519.

※Takeda T, Asaoka D, Nojiri S, Yanagisawa N, Nishizaki Y, Osada T, Koido S, Nagahara A, Katsumata N, Odamaki T, Xiao JZ, Ohkusa T, Sato N. Usefulness of Bifidobacterium longum BB536 in Elderly Individuals With Chronic Constipation: A Randomized Controlled Trial. Am J Gastroenterol. 2023 Mar 1;118(3):561-568.

※Yaeshima, T., Takahashi, S., Matsumoto, N., Ishibashi, N., Hayasawa, H., & Iino, H. (1997). Effect of Yogurt Containing Bifidobacterium longum BB536 on the Intestinal Environment, Fecal Characteristics and Defecation Frequency. Bioscience and Microflora, 16, 73-77.

※Akatsu H, Iwabuchi N, Xiao JZ, Matsuyama Z, Kurihara R, Okuda K, Yamamoto T, Maruyama M. Clinical effects of probiotic Bifidobacterium longum BB536 on immune function and intestinal microbiota in elderly patients receiving enteral tube feeding. JPEN J Parenter Enteral Nutr. 2013 Sep;37(5):631-40.

※Chendong Xu, Akari Hiraku, Satoshi Arai, Noriyuki Iwabuchi, Miyuki Tanaka, Masahiko Nakamura, Probiotic Bifidobacterium longum BB536 and its impact on subjective symptoms of physical conditions associated with common cold-like symptoms in healthy adults: A randomized, double-blind, placebo-controlled trial, Journal of Functional Foods, Volume 115, 2024.

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾病の診断や治療を意図するものではありません。症状や健康面にご不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門の医師による診断と指導をお受けください。

本記事の内容に起因するいかなる結果についても、筆者および運営者は責任を負いかねますのでご了承ください。