最終更新日:2024.9.20
更年期に入ってから、便秘になることが増えたと感じている女性も多いのではないでしょうか?
便秘は年齢に関係なく女性に多い症状ですが、更年期になるとさらに悪化したり、それまでスムーズに排便できていた人でも便秘しやすくなったりします。
そこで今回は、更年期の女性が便秘になる原因や、便秘解消におすすめの食べ物などについてお伝えします。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
更年期とは、閉経を挟んだ前後5年ずつの約10年間を指した期間です。
日本人女性の平均的な閉経年齢は50歳前後とされ、45歳~55歳頃が更年期にあたる人が多いと考えられています。.5度以上を発熱、38度以上は高熱」と定義されていますが、人によって平熱が異なるため、平熱が低い人はたとえ37.4度以下であっても発熱状態にあると考えられるでしょう。
更年期になると「更年期障害」と呼ばれる、色々な不調に悩まされることが増えます。
更年期障害で表れる症状や程度は人によって異なりますが、ひどい人になると日常生活や仕事に支障をきたす場合も少なくありません。
更年期障害の代表的な症状
更年期になると、それまでお通じの悩みを抱えたことがない女性でも、便秘気味になることがあります。その主な原因が、女性ホルモンの減少によるものです。
自律神経には、主に日中に働いて心身を興奮・緊張状態にする交感神経、夕方以降に働き始めて心身をリラックスさせる副交感神経の2種類があり、呼吸や心拍数、体温調整など全身の様々な機能を自動的に調整しています。
自律神経は女性ホルモンの一種であるエストロゲンと深い関係性があり、更年期に入ってエストロゲンが減少すると、自律神経の切り替えがスムーズにいかなくなります。
自律神経がバランスを崩して夜になっても交感神経が昂った状態が続くと、副交感神経に切り替わりません。
すると、本来であれば睡眠中に副交感神経の作用によって促されるはずの腸の蠕動運動が行われず、便が腸内に滞留した状態となるのです。
自律神経の乱れによって引き起こされるのは、便秘だけではありません。
更年期障害の代表的な症状であるホットフラッシュやほてり、倦怠感、めまいや頭痛なども自律神経がバランスを崩したことによって引き起こされます。
更年期の不調は、食生活の見直しによって緩和できる可能性があります。
更年期の女性におすすめの食べ物を紹介します。
チーズには、腸内環境の改善に役立つ乳酸菌のほかに、カルシウムが多く含まれています。
更年期の女性は便秘しやすくなるだけでなく、女性ホルモンの減少によって骨密度が急激に低下。
その結果、骨粗しょう症や骨折のリスクが上昇します。
骨密度の低下を防ぐためには、カルシウム分が多い食べ物を摂ることが欠かせません。
チーズは、乳酸菌とカルシウムの両方を同時に摂取できる、まさに更年期の女性にうってつけの食べ物なのです。
チーズには食物繊維が含まれていないため、野菜や穀物類といった食物繊維が豊富な食品と一緒に摂取すると、より高い便秘解消効果が実感できるでしょう。
アーモンドには食物繊維のほかに、ホルモンバランスの調整や血流促進効果があるビタミンE、免疫力を高めるCoQ10(コエンザイムQ10)が豊富に含まれています。
ただし、脂質が多いので食べ過ぎには注意が必要です。1日に20~25粒程度(約30g)程度を目安に食べましょう。
また、塩分の摂り過ぎを防ぐために食塩無添加のアーモンドがおすすめです。
更年期の女性におすすめしたい食品の代表格が、大豆を使った食品です。
大豆に含まれる成分の「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンに似た働きをします。
木綿豆腐には、絹ごし豆腐よりも多くのカルシウムやビタミンEが含まれているほか、腸内環境を良くするのに欠かせない食物繊維も豊富です。
また、加齢とともに筋肉が減少して足腰が弱くなくなる原因となります。
豆腐には良質なタンパク質が含まれているため、筋肉の減少を抑制する効果も期待できるでしょう。
ドライいちじくのプチプチとした触感の粒には、植物性エストロゲン(大豆イソフラボン)が含まれているほか、カルシウムやビタミンEも豊富です。
また、水溶性食物繊維のペクチンも多いため、便秘を解消して腸内環境を改善する効果も期待できます。
しかし、ドライフルーツは全般的にカロリーが高く、ドライいちじくも例外ではありません。
1日当たり2個程度を目安に、そのまま食べたり、刻んでヨーグルトと一緒に食べたりしましょう。
バナナは、食物繊維やマグネシウムなどが含まれた便秘解消におすすめのフルーツです。
また、バナナには“幸せホルモン”と呼ばれる脳内神経伝達物質・セロトニンの原料となるトリプトファンや、トリプトファンからセロトニンを生成するために必要なビタミンB6も含まれているため、更年期の女性が抱きやすい不安感やイライラ感を緩和する効果も期待できます。
今回は、更年期の女性に多い便秘の症状が起こる原因や、更年期の不調を和らげる効果が期待できる食べ物などについてご紹介しました。
更年期の不調は人によって程度も症状も異なるため、どの対策が効果的なのか明言はできません。
しかし、自律神経を整えたり、更年期の女性に不足しがちな栄養素を補ったりすることで、更年期特有の症状を緩和できる可能性があります。
また、腸内環境を良好にするために、ビフィズス菌やビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖などの成分が配合ざれたサプリメントを活用するのもおすすめです。
自分に合う方法で、更年期の不調を乗り越えましょう!