最終更新日:2025.07.03
「便がひょろひょろと細くて、いつもと違う…」
「まっすぐ出ない、リボンのような便が増えた」
それは、もしかすると腸内からのSOSかもしれません。
便の形や太さは、腸内環境や体調のバロメーター。
特に“便が細くなる”現象は、単なる便秘から病気の兆候まで、様々な原因が考えられます。
この記事では、「便が細い理由」を中心に、考えられる原因と病気との関連、すぐに始められる改善法までを分かりやすく解説!
腸内環境を整える重要性にも触れつつ、日々の生活に役立つ実践的な内容をお届けします。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
「便が細い」と聞いても、そもそもどのくらいが“正常”なのか、イメージしにくい方も多いのではないでしょうか。
そこで参考になるのが、ブリストル便形スケール(Bristol Stool Form Scale)という国際的な指標です。
便の形状を7段階に分類し、健康状態の目安として広く用いられています。
理想的な便のかたちと太さとは?
ブリストル便形スケールでは、便の状態を以下のように7段階に分類しています。 このうちタイプ3〜5が理想的とされています。
また、日本人の理想的な便量は1日150g~200gほど。
太さは直径3〜4cm、形状はバナナ状が最も自然で健康的とされています。
※瀧口隆一, et al. "発酵乳の摂取が健常成人の排便回数, 排便量, 便性および糞便内菌叢に及ぼす影響." 腸内細菌学雑誌 11.2 (1998): 117-122.
便が細くなる原因はひとつではありません。
食生活やストレス、運動不足といった日常の習慣…。その要因は多岐にわたります。
本章では、便が細くなる際によく見られる5つの原因を、分かりやすく解説します。
まずは「なぜ便が細くなるのか?」を知ることが、腸の不調からの脱出の第一歩です。
食物繊維は便のかさを増やし、スムーズな排便を促すのに欠かせません。
そのため、不足すると便が細くなったり、硬くなったりしやすくなります。
特に、外食やインスタント食品が中心の生活では、野菜・海藻・豆類の摂取量が減りがちです。
加齢や運動不足、ストレスなどで腸の動きが低下すると、便が腸内をスムーズに移動できなくなり、途中で形が崩れたり、細くなったりすることがあります。
便意を我慢するクセや、筋力の低下で十分にいきめないと、腸内に便が滞留し、やわらかい状態で押し出され、ひょろひょろとした便になることがあります。
ストレスは、腸の動きをコントロールする自律神経に影響を与えます。過敏性腸症候群(IBS)なども含め、排便のリズムや便の形状が乱れる原因になります。
便が肛門へ向かってスムーズに移動するためには、正しい姿勢や骨盤の位置も大切です。長時間のデスクワークや運動不足で骨盤が歪むと、排便に悪影響を及ぼすことがあります。
「たまたまかな?」と見過ごしがちな便の変化。
しかし、便が細い状態が続くのは、思わぬ病気のサインかもしれません。
特に注意が必要なのが、大腸がんや過敏性腸症候群などの疾患。
便の形状から体の異変をいち早くキャッチすることが、健康を守るカギになります。
便の変化が長く続く場合、以下のような疾患の可能性もあります。
特に直腸がんでは、腸が狭くなり便が細くなることがあります。血便や体重減少を伴う場合は、早めの受診を。
ストレスにより腸の動きが過剰になったり鈍くなったりすることで、便の形や回数が不安定になるのが特徴です。
便が肛門を通過しにくくなり、細くなることがあります。出血や排便時の痛みがある場合は注意しましょう。
便の形状は、腸内環境と密接に関係しています。
「便が細い=便秘の一種」であるケースも多く、背景には腸内フローラのバランスの乱れが潜んでいます。
健康な腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌という3種の菌がバランスを保ちながら共存しています。
しかし、食生活の乱れやストレスなどが重なると、悪玉菌が優勢になり、次のような影響を引き起こします。
悪玉菌が増えると起こること
このような環境下では、正常な太さの便が形成されにくくなり、「ひょろひょろした便」「細長い便」になってしまいます。
つまり、便の太さや質は、腸内フローラの健康度を映し出す“鏡”とも言えるのです。
「便が細いのは仕方ない」とあきらめていませんか?
実は、ちょっとした生活習慣の見直しで、腸の動きは劇的に変わることがあります。
ここでは、今日からすぐに実践できる腸活法を5つご紹介。
食事・運動・ケアのコツを押さえて、“するっと出る快便習慣”を手に入れましょう!
食物繊維は、腸内を元気に保つために欠かせません。便のかさを増やし、スムーズな排便を促進するのに必要不可欠な栄養素です。
便が細くなりがちな人には、毎食ごとに野菜や海藻、豆類をプラスするのがオススメ。目安として1日25g以上の食物繊維を目指しましょう。
<実践方法>
水分不足は、便が硬くなって細くなる原因の一つです。腸内で水分が足りないと、排便が困難になります。
特に寝起きに温かい飲み物を摂ると、腸の動きがスムーズになりやすいでしょう。
<実践方法>
運動をすることで腸の蠕動運動が活発になり、便の排出がスムーズになります。短時間でも毎日続けることが効果的です。
善玉菌が減少すると、腸内のバランスが崩れて便が細くなる原因に。発酵食品を意識的に摂ることで、便の質が改善されやすくなります。
<実践方法>
腸マッサージは、腸の動きを活発にし、便が自然に押し出されるようサポートします。腸内のガス溜まりや便の滞留が気になる方におすすめです。
便が細くなる原因はすぐに改善できるわけではありませんが、これらの方法を少しずつ取り入れることで腸内環境は着実に改善されます。
まずは1つの改善法から始めて、続けやすいものから習慣化してみてください。
腸が元気になれば、便も太くしっかりとしてくるでしょう。
生活改善を意識しても、「どうしても改善しない」「すぐに戻ってしまう」…という方も多いはず。
そんな方には、手軽に腸内環境を整えるサプリメントの活用が効果的です。
腸内フローラを整える注目成分
毎日コツコツと摂りたいのが、以下のような腸活サポート成分です。
腸内フローラのバランス改善を通じて、“細い便”から“自然で快適なお通じ”への変化が期待できます。
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便の形は、腸からの大切なメッセージ。
細い便が続く場合は、放置せず「なぜ細くなっているのか?」を知ることが第一歩です。
そして、原因が病気でなければ、腸内環境を整える生活習慣を始めましょう。
毎日の食事や運動、そして必要に応じたサプリメントの活用で、あなたの腸は必ず応えてくれます。
腸に良い習慣を毎日少しずつ積み重ねることで、大きな変化を実感できるはずです。
健康な腸を育てることで、便の質も変わり、毎日の生活が快適になります。
今日から腸活を始めて、あなたの腸をもっと元気にしていきましょう!
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾病の診断や治療を意図するものではありません。症状や健康面にご不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門の医師による診断と指導をお受けください。
本記事の内容に起因するいかなる結果についても、筆者および運営者は責任を負いかねますのでご了承ください。