最終更新日:2025.4.21
「便がひょろひょろと細くて、いつもと違う…」
「まっすぐ出ない、リボンのような便が増えた」
それは、もしかすると腸内からのSOSかもしれません。
便の形や太さは、腸内環境や体調のバロメーター。
特に“便が細くなる”現象は、単なる便秘から病気の兆候まで、様々な原因が考えられます。
この記事では、「便が細い理由」を中心に、考えられる原因と病気との関連、すぐに始められる改善法までを分かりやすく解説!
腸内環境を整える重要性にも触れつつ、日々の生活に役立つ実践的な内容をお届けします。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
便の形状を測定するために用いられるのが「ブリストル便形スケール(Bristol Stool Form Scale)」です。
ブリストル便形スケールは、便の形状を硬さによって7段階で分類しています。
下記のうち、3番~5番が理想的な便の硬さです。
また、日本人の理想的な排便量は1日あたり150g~200g程度とされ、バナナのような形状が理想的です(※)。
便の平均的な太さは直径3cm~4cmであり、大腸の直径と同じ程度の太さです。
※瀧口隆一, et al. "発酵乳の摂取が健常成人の排便回数, 排便量, 便性および糞便内菌叢に及ぼす影響." 腸内細菌学雑誌 11.2 (1998): 117-122.
便が細くなる原因はひとつではありません。
食生活やストレス、運動不足といった日常の習慣…。その要因は多岐にわたります。
本章では、便が細くなる際によく見られる5つの原因を、分かりやすく解説します。
まずは「なぜ便が細くなるのか?」を知ることが、腸の不調からの脱出の第一歩です。
食物繊維は便のかさを増やし、スムーズな排便を促すのに欠かせません。
そのため、不足すると便が細くなったり、硬くなったりしやすくなります。
特に、外食やインスタント食品が中心の生活では、野菜・海藻・豆類の摂取量が減りがちです。
加齢や運動不足、ストレスなどで腸の動きが低下すると、便が腸内をスムーズに移動できなくなり、途中で形が崩れたり、細くなったりすることがあります。
便意を我慢するクセや、筋力の低下で十分にいきめないと、腸内に便が滞留し、やわらかい状態で押し出され、ひょろひょろとした便になることがあります。
ストレスは、腸の動きをコントロールする自律神経に影響を与えます。
過敏性腸症候群(IBS)なども含め、排便のリズムや便の形状が乱れる原因になります。
便が肛門へ向かってスムーズに移動するためには、正しい姿勢や骨盤の位置も大切です。
長時間のデスクワークや運動不足で骨盤が歪むと、排便に悪影響を及ぼすことがあります。
「たまたまかな?」と見過ごしがちな便の変化。
しかし、便が細い状態が続くのは、思わぬ病気のサインかもしれません。
特に注意が必要なのが、大腸がんや過敏性腸症候群などの疾患。
便の形状から体の異変をいち早くキャッチすることが、健康を守るカギになります。
便の変化が長く続く場合、以下のような疾患の可能性もあります。
特に直腸がんでは、腸が狭くなり便が細くなることがあります。
血便や体重減少を伴う場合は、早めの受診を。
ストレスにより腸の動きが過剰になったり鈍くなったりすることで、便の形や回数が不安定になるのが特徴です。
便が肛門を通過しにくくなり、細くなることがあります。
出血や排便時の痛みがある場合は注意しましょう。
これらの疾患を早期に発見するには、「便の形」に敏感になることが大切。
違和感が続くなら、医師の診察を受けることをおすすめします。
便の形状は、腸内環境と密接に関係しています。
「便が細い=便秘の一種」であるケースも多く、背景には腸内フローラのバランスの乱れが潜んでいます。
健康な腸内には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌という3種の菌がバランスを保ちながら共存しています。
しかし、食生活の乱れやストレスなどが重なると、悪玉菌が優勢になり、次のような影響を引き起こします。
・悪玉菌の増殖により、腸内ガスが増加して腸管が圧迫される
・腸内に炎症が生じ、粘膜が過敏になって便がスムーズに通過できなくなる
・腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が鈍くなり、排便力が低下する
このような環境下では、正常な太さの便が形成されにくくなり、「ひょろひょろした便」「細長い便」になってしまいます。
つまり、便の太さや質は、腸内フローラの健康度を映し出す“鏡”とも言えるのです。
「便が細いのは仕方ない」とあきらめていませんか?
実は、ちょっとした生活習慣の見直しで、腸の動きは劇的に変わることがあります。
ここでは、今日からすぐに実践できる腸活法を5つご紹介。
食事・運動・ケアのコツを押さえて、“するっと出る快便習慣”を手に入れましょう!
食物繊維は、腸内を元気に保つために欠かせません。
便のかさを増やし、スムーズな排便を促進するのに必要不可欠な栄養素です。
便が細くなりがちな人にオススメなのは、毎食ごとに野菜や海藻、豆類をプラスすること。
目安として1日25g以上の食物繊維を目指しましょう。
最初はちょっと多いと感じるかもしれませんが、慣れてくると体が喜ぶのが実感できるはずです。
<実践方法>
・朝食には、サラダやきんぴらごぼうを添える
・昼食は、海藻サラダや納豆、味噌汁で食物繊維を補給
・夕食には、煮物や豆腐ステーキに野菜を加えて
水分不足は、便が硬くなって細くなる原因の一つです。
腸内で水分が足りないと、便が硬くなり、排便が困難になります。
水分を十分に摂ることは、腸内の健康を保つために非常に大切です。
特に、寝起きに温かい飲み物を摂ると腸の動きがスムーズになりやすいでしょう。
<実践方法>
・1日に最低でも2リットルの水を意識して摂る
・温かいお湯や白湯を朝起きた時に一杯飲む
・食事中も水分を意識して摂取し、便を柔らかく保つ
運動不足も便が細くなる原因の一つです。
運動をすることで腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発になり、便の排出がスムーズになります。
たとえ短時間の運動でも、毎日続けることで腸内環境を整える効果が期待できます。
<実践方法>
・毎日20分程度のウォーキングを心がける
・エレベーターではなく、階段を使う
・ストレッチや簡単な体操を毎日のルーチンに加える
腸内には、善玉菌と悪玉菌がバランス良く存在しています。
しかし、食生活の乱れやストレスで善玉菌が減少すると、便が細くなる原因に。
発酵食品を積極的に摂ることで、腸内フローラが整い、便の質が改善されます。
<実践方法>
・毎日の食事に、納豆、キムチ、味噌を加える
・朝食にヨーグルトを食べる
腸の動きを良くするために、腸マッサージも非常に効果的です。
便が細くなっている原因として、腸内の滞留やガスの溜まり過ぎも影響しています。
マッサージを行うことで、腸の動きを活発にし、便が細くなることなく、自然に排便が促進されるようになります。
便が細くなる原因はすぐに改善できるわけではありませんが、これらの方法を少しずつ取り入れることで腸内環境は着実に改善されます。
まずは1つの改善法から始めて、続けやすいものから習慣化してみてください。
腸が元気になれば、便も太くしっかりとしてくるでしょう。
生活改善を意識しても、「どうしても改善しない」「すぐに戻ってしまう」…という方も多いはず。
そんな方には、手軽に腸内環境を整えるサプリメントの活用が効果的です。
特に、
・善玉菌であるビフィズス菌
・善玉菌のエサになるオリゴ糖
が配合されたタイプは、腸内フローラのバランス改善に直結。
続けるほどに“細い便”から“しっかりした快便”への変化が期待できます。
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便の形は、腸からの大切なメッセージ。
細い便が続く場合は、放置せず「なぜ細くなっているのか?」を知ることが第一歩です。
そして、原因が病気でなければ、腸内環境を整える生活習慣を始めましょう。
毎日の食事や運動、そして必要に応じたサプリメントの活用で、あなたの腸は必ず応えてくれます。
腸に良い習慣を毎日少しずつ積み重ねることで、大きな変化を実感できるはずです。
健康な腸を育てることで、便の質も変わり、毎日の生活が快適になります。
今日から腸活を始めて、あなたの腸をもっと元気にしていきましょう!