最終更新日:2024.3.19
お腹にガスが溜まると不快なだけでなく、見た目にも下腹がポッコリして憂うつな気分になりますね。
また、いつおならが出るか分からない不安感で、折角のお出かけや食事会などが思い切り楽しめない、という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、トイレの中や職場、学校など外出先でもすぐに試せる「ガス抜きに効果的なツボ」をご紹介します。
さらに、ガス抜き効果が高いマッサージや体操も併せてお伝えしますので、ツボ押しとともに実践してみてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
「ツボ」は、正式には「経穴(けいけつ)」と言います。
経穴は、中国伝統医学(中医学)において生命エネルギーのようなものを指す「気」の通り道である「経絡(けいらく)」の途中にあるものとされ、日本でも古くから医療に用いられてきました。
ツボ押しには民間医療のイメージが強く、「本当に効果があるのか分からない」と思っている人が多いかもしれません。
しかし、その治療効果についてはWHO(世界保健機構)でも認められ、全身にある361個のツボが国際標準として定められています(※)。
※:形井秀一, et al. "WHO 経穴部位国際標準化の経緯と今後." 全日本鍼灸学会雑誌 57.5 (2007): 576-586.
ツボ押しは、場所や時間を問わず気になった時にすぐ刺激できる手軽さが魅力です。
トイレの中や職場などで座って押せる、ガス抜きや便秘改善に即効で効果が期待できるツボ7カ所を紹介します。
天枢(てんすう)
関元(かんげん)/丹田(たんでん)
大腸兪(だいちょうゆ)
間使(かんし)
合谷(ごうこく)
三陰交(さんいんこう)
足三里(あしさんり)
ツボを刺激する際は「イタ気持ち良い」と感じる程度の力で、1回につき5秒程度を目安に押しましょう。
ただし、ツボがある部分が炎症を起こしていたり、熱を持ったりしている場合や、食前・食後30分以内、飲酒後、入浴前後すぐは控えてください。
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次は、ツボ押しとともに行うことで、ガス抜き効果や便秘改善効果をさらに高められるマッサージをお伝えします。
のの字マッサージ
腸内のガスが溜まりやすい部分を刺激して、ガスの排出を促すマッサージです。
マッサージを行う前に、温かいパッドや温熱シートなどで腹部を温めておくとさらに効果が得やすくなります。
※イスに座ったままでも行えます。その場合は、イスに軽く腰掛けてからへその下に重ねた両手をセットしてマッサージしましょう。
腸の蠕動運動を促進して便通を整えるためには、夕方以降に副交感神経が優位になることが大切です。
入浴後などにマッサージを行うことで深いリラックス感が得られ、便秘解消はもちろん、良質な眠りにもつながるでしょう。
運動で腸を刺激するのも、お腹のガス抜きに効果的です。
ツボ押しやマッサージとともに体操を行うことでガス排出を促進し、腹部の張りや不快感を解消できるでしょう。
ガス抜き腰回し体操
座ったままでできる、お腹にたまったガスを解消できる体操です。
骨盤周りの筋肉を刺激して、腸の動きを促進します。ただし、腰に痛みがある人は症状を悪化させる恐れがあるため、控えてください。
お腹にガスが溜まる代表的な原因が、便秘です。
便秘が続くと、腸内に滞留した内容物の腐敗・発酵が進んで有害なガスが発生。ガスによってお腹がパンパンになり、下腹がポッコリしたり、腹部に不快感をもたらしたりします。
そのため、大腸の調子を整えて便秘を改善することが、お腹のガスを解消するためには欠かないポイント。
次は、ガス溜まりを防ぐ食生活や生活習慣を紹介します。
便秘が続いている時は、お腹にガスが溜まりやすくなる食べ物を控えるようにしましょう。
腸内にガスを発生させやすい代表的な食品には、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、ニンニク、牛乳をはじめとした乳製品、リンゴやバナナなどがあります。
これらの食べ物には食物繊維が豊富に含まれているため、通常は便秘解消に役立つ食べ物です。
しかし、便秘が悪化している場合は、食物繊維がなかなか分解・吸収されずにガスが大量に発生したり、便の容量を増やして腸内の移動を妨げたりする可能性があります。
早食いの人は食べ物を咀嚼する回数が少ないため、消化不良になりやすい傾向があります。
消化不良は便秘の原因となり、お腹にガスが溜まる要因の一つに。ゆっくりと時間をかけて、ひと口につき30回以上は噛むようにしましょう。
お腹にガスが溜まりやすいのは、腸内環境が悪化しているサイン。
腸内環境を改善するには、善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を含む食べ物と、オリゴ糖などの善玉菌のエサとなる成分が含まれた食べ物を摂りましょう。
食事からの摂取が難しい場合は、ビフィズス菌や乳酸菌が配合されたサプリメントを活用して、腸内環境を整えるのも有効です。
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毎日の起床・就寝時間を揃える、同じタイミングで食事を摂るなど、日々の生活リズムを一定にすることで体内時計が整いやすくなります。
体内時計が一定に動くようになると、自律神経のバランスが良くなり、便秘解消につながります。
さらには睡眠の質も高まり、メンタル面も安定するようになるでしょう。
ガス抜きに効果的なヨガのポーズやストレッチだけでなく、リラックス効果が高いポーズや筋力アップを目的としたストレッチ、ウオーキングなどの適度な運動を習慣的に行うことは、便秘予防に高い効果をもたらします。
睡眠前に入浴して体温を上げると、入浴後に体温が低下していく段階で眠気を感じやすくなります。
睡眠の質は便通状態とも深い関係があり、寝つきが悪かったり、眠りが浅かったりすると便秘気味になる人が少なくありません。
お腹にガスが溜まっている時は、シャワーではなく湯船に浸かって体の芯までしっかり温めましょう。
脳機能やうつ病などの精神疾患と腸内細菌には、相互に影響を与え合う「脳腸相関」があると考えられています。
数多くの研究結果で、慢性的なストレスは腸内細菌叢に悪影響を与え、腸内環境を悪化させることが示唆されています(※)。
ストレスの蓄積は自律神経のバランスが崩れる原因となり、交感神経と副交感神経の切り替えに悪影響を与えます。
自律神経が乱れると、夜になっても交感神経が活発なままとなり、脳の興奮・緊張状態が持続。
本来であれば夜に優位となって腸の蠕動運動を促進する副交感神経の働きが阻害され、便秘になります。
便秘になると、腸内に悪玉菌が増加して腸内環境が悪化。ガスの発生による不快感や膨満感、吐き気、肌荒れなど様々な不調を引き起こす要因となります。
※:功刀浩. "うつ病・自閉症と腸内細菌叢." 腸内細菌学雑誌 32.1 (2018): 7-13.
今回は、お腹のガス抜きに即効で効くと言われているツボをご紹介しました。
座ったまま刺激するだけで効果が期待できますので、お腹の張りが気になった時にトイレや職場で試してみてくださいね。
また、ツボ押しとともに生活習慣や食生活の見直しを行えば、ガスの発生予防や便秘解消もできるでしょう。
お腹がパンパンに膨らんで苦しい思いをする前に、今すぐできる対策から始めませんか。