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腸疲労とはどんな状態?腸が疲れる原因や症状、改善方法を解説!

最終更新日:2023.12.25

腸疲労とはどんな状態?腸が疲れる原因や症状、改善方法を解説!

「便秘や下痢になることが増えた」「おならが臭い」。心当たりがある人は、腸疲労かもしれません。

腸疲労になると、便秘や下痢といったおなかの不調や不快感だけでなく、ニキビや吹き出物などの肌荒れに悩まされたり、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったり、アレルギーを発症しやすくなる恐れも…。

今回は、身体に様々な悪影響を与える「腸疲労」の原因や症状、改善方法などを解説していきます。

腸の不調を感じている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
 食品保健指導士
管理栄養士

腸疲労とは?腸が疲れると何が悪いの?

「腸疲労」とは、その名の通り“腸が疲れている状態”です。腸が疲労することで機能が低下し、便秘や下痢などの便通障害や、おならが臭くなるといった症状が表れます。

腸には、主に3つの役割があります。

  • 腸の役割

    1. 食べ物の消化
    2. 食べ物の栄養素や水分を吸収する
    3. 不要なものを便として排出する
  • 腸の役割

腸が疲れると、摂取した食べ物や水分の消化・吸収が阻害されます。蠕動運動も低下するため、便が腸内を移動せず停滞し、便秘がちに。また、腸疲労によって腸内環境が悪化すると、悪玉菌が増殖。腸の機能がますます低下し、便秘がひどくなるといった悪循環に陥ることも珍しくありません。

腸疲労が体に与える悪影響は?腸が疲れると便秘になる?

腸疲労によって腸内環境が悪化すると、便秘や下痢だけでなく、肌の調子や自律神経のバランスにも影響を与えます。また、腸には免疫細胞が多く存在しているため、腸疲労によって風邪をひきやすくなったり、アレルギーを起こしやすくなったりする可能性が高くなるのです。

さらに、腸では“幸せホルモン”と呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」が合成されています。腸の疲労によって腸内環境が悪化すると、セロトニンの分泌量が減少。うつ病などのメンタル不調を引き起こすことが考えられます。

腸内環境が悪化すると、セロトニンの分泌量が減少

それだけではありません。セロトニンは良質な眠りに欠かせない“睡眠ホルモン”である「メラトニン」の原料でもあるため、不足すると睡眠の質が低下。

腸の動きは睡眠中の副交感神経が優位な時間に促進されるため、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすると便秘になりやすくなるのです。

このように、脳と腸がお互いに影響を与え合う関係を「脳腸相関」と呼びます。

腸疲労度をチェック!あなたの腸は疲れてない?

便秘や下痢が繰り返し起こる人や、そんなに食べていないのに腹部に膨満感がある人、おならが臭い人は腸が疲れているかもしれません。下のチェックシートで、あなたの腸の疲労度を調べてみましょう

  • 腸疲労度チェック

    1. 睡眠時間が6時間以下で睡眠不足気味
    2. 生活リズムが不規則
    3. 野菜やキノコ類、海藻など食物繊維が含まれる食べ物を食べない
    4. 甘い飲み物・食べ物を摂ることが多い
    5. 朝食を抜くなど、1日3食摂らないことがよくある
    6. インスタント食品やレトルト食品を頻繁に食べる
    7. 肉を食べることが多い
    8. お酒をよく飲む
    9. ストレスがたまっている
    10. あまり運動をしない

当てはまる項目が多いほど、腸はお疲れ気味です。チェックが沢山ついた人は、腸の疲れを癒すための生活習慣や食生活を今日から実践しましょう。

腸疲労度チェック

腸疲労の改善方法!疲れた腸を回復させるには?

疲れた腸を元気な状態に回復させるためには、生活習慣の改善や食生活の見直すことが大切です。腸疲労の原因を改善することで腸内環境が整い、全身に良い影響がもたらされるでしょう。

それでは、腸の疲れを癒すための改善方法をご紹介します。

食べる量を減らす

腸疲労の原因が暴飲暴食である場合は、腸を休ませるために軽めの断食にチャレンジしてみましょう。とは言え、全く食べないと空腹でイライラしたり、ストレスがたまったりする可能性も。

ヨーグルトや食物繊維が豊富なフルーツ、オートミールのおかゆなど、消化吸収が良いメニューだけを食べるプチ断食なら、負担なく実践できるでしょう。

消化吸収が良いメニュー

食物繊維や乳酸菌が豊富な食べ物を摂る

食物繊維は善玉菌のエサとなるだけでなく、便の容量を増やしてスムーズな排便を促進します。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がありますが、便秘が慢性化している人は不溶性食物繊維を摂ると便秘が悪化する場合があります。

何日間も便秘が続いている人は、不溶性食物繊維が多い食べ物は避けた方が良いでしょう。

食物繊維や乳酸菌が豊富な食べ物を摂る際には、善玉菌の増殖をサポートするオリゴ糖が含まれた食品を一緒に摂ると、腸疲労の回復に効果的です。オリゴ糖を含む食材には、ハチミツや大豆などの豆類、玉ネギ、アスパラガスなどがあります。

温かい飲み物を摂る

腸疲労によって便秘が引き起こされている場合、腸内で便が硬くなっている可能性があります。

便が硬くなると排出が困難になるため、柔らかくするために水分をしっかり摂取しましょう。おすすめは、朝起きてすぐに白湯を飲むこと。腸が刺激されて蠕動運動が促され、排便を促進します。

睡眠の質を高める

疲れた腸の腸内環境は乱れて、善玉菌が減少しています。腸内に善玉菌を増やすためには、睡眠中に副交感神経が優位になる必要があります。そのためには、睡眠の質を高めることが必須なのです

睡眠の質を高めるのに効果的なのが、就寝時間の2時間程度前にぬるめのお風呂に入ったり、好きな香りを部屋に漂わせたりすること。リラックスして眠りにつけば、質が高い睡眠を期待できるでしょう。

>睡眠の質を高める

軽めの運動を習慣的に行う

運動による腸への刺激は、排便を促します。腸疲労による便秘解消に効果的なのが、軽めの運動を毎日行うこと。

朝のウォーキングは、太陽を浴びてセロトニンの分泌を促進し、自律神経を整える効果が期待できます。体を動かすのが苦手な人は、腹式呼吸を実践するだけでも違いますよ。

腸の疲れをとって快適なお通じを!

今回は、不規則な生活や偏った食生活などで引き起こされる「腸疲労」について解説しました。

腸が疲れると、便秘や下痢といったおなかの不調が起こりやすくなります。「たかが便秘」と軽視されがちですが、その悪影響は消化器官だけにとどまらず、肌荒れや免疫力の低下、さらにはうつ病など全身に及ぶのです。

>腸の疲れをとって快適なお通じを!

腸の疲れを感じたら生活習慣や食生活を見直して、腸疲労の回復に努めましょう。もしも便秘や下痢が慢性化していたり、身体に不調が出ていたりする場合は、消化器の専門医へ早めに相談することをおすすめします。

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