最終更新日:2024.11.15
便秘になると、おなかにガスが溜まって苦しくなったり、下腹部に便が溜まっている不快感で集中力が低下したり、見た目にも下腹がポッコリしてイヤですよね。
便秘を解消したいなら、排便を促す効果が期待できる食べ物を摂りましょう!
今回は、管理栄養士としての知識を織り交ぜながら、便秘解消に効果的な食物繊維が多い食べ物や腸内環境を良くする食品をご紹介します。
頑固な便秘で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
便秘解消に欠かせないのが、食物繊維です。
お通じを改善するために食物繊維が豊富な食べ物や青汁、サプリなどを日頃から口にしている人も多いのではないでしょうか?
まずは、食物繊維が便秘解消に効果的な理由について解説します。
食べ物に含まれている食物繊維は、消化管では吸収されません。
消化管で給されなかった食物繊維は、大腸まで移動して水分と結合。便の量を増やし、腸の蠕動運動を促進します。
腸の蠕動運動が促されると内容物(便)が腸内を通過する時間が短くなり、便意をもよおしてスムーズな排便につながります。
便秘を解消・予防するために大切なのが、良好な腸内環境です。
腸内環境を良くするためには、善玉菌の数を増やして腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを整える必要があります。
ここで重要なのが、ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌のみが含まれた食品やサプリメントだけを摂取しても、エサがなければ善玉菌は増えないという点です。
善玉菌を増やしたければ、そのエサとなる栄養素も一緒に摂らなければなりません。
そのエサが、食物繊維なのです。
ビフィズス菌などの善玉菌が含まれた食品とともに食物繊維を摂取することで、効率的に腸内環境を良くできるでしょう。
食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があります。
種類 | 特徴 | 作用 |
---|---|---|
水溶性食物繊維 | 水に溶ける | 便を軟らかくして便の腸内通過時間を短縮させる |
不溶性食物繊維 | 水に溶けない | 便の量を増やして蠕動運動を促進する |
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、「水溶性1:不溶性2」の割合で摂るのが良いとされています。
不溶性食物繊維は便の量を増やして腸を刺激し、蠕動運動を活発にして便通を促進します。
便秘が続いている人の腸には、腸管によって水分が吸収されて硬くなった便が溜まっています。その状態で不溶性食物繊維を摂ると、硬くなった便が大きくなるためさらに排便が困難になります。
腹痛やお腹の張りにもつながり、硬くなった便を無理に出そうとして痔になったり、過度のいきみによって心疾患や脳疾患などを引き起こしたりする可能性もあります。
慢性的な便秘の人や腸が動きにくい高齢の人は、不溶性食物繊維を摂り過ぎないように注意しましょう。
一方、水溶性食物繊維は便の水分量を増やして排便しやすい硬さに調整します。
便秘が続いている人は、不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維を優先して摂るようにしましょう。
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日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、食物繊維の目標摂取量を以下のように設定しています。
18歳~64歳 | 65歳以上 | |
---|---|---|
女性 | 18g以上 | 17g以上 |
男性 | 21g以上 | 20g以上 |
日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年頃には1日20g以上ありましたが、時代の流れによる食生活の変化とともに減少し、現在は1日あたり14g前後と推定されています(※1)
厚生労働省による調査においても、ほとんどの世代で目標値に達していないことが明かになっています。
健康な成人女性を対象に行った実験によると、1日20gの食物繊維を摂取すると快適で自然に排便できると推察される結果が明らかになりました。
その数値をもとに、便秘の人は食物繊維を5g程度増やして1日25g程度の食物繊維を摂れば、快適な排便が得られると推察されています(※2)。
※2:石井智香子, and 東玲子. "食物繊維が排便におよぼす影響." 日本看護科学会誌 12.1 (1992): 16-22.
食物繊維が多く含まれる食べ物を、水溶性食物繊維・不溶性食物繊維に分けてご紹介します。
日々の食事に積極的に取り入れ、便秘解消を目指しましょう。
水溶性食物繊維が多い食べ物
不溶性食物繊維が多い食べ物
便秘解消・予防のためには、食物繊維だけでなく、腸内環境を整える作用がある食べ物を摂ることが大切です。
腸内環境が整えば、便の状態も良くなって出しやすくなります。
食物繊維が豊富な食べ物と一緒に摂取すれば、より高い便秘解消・予防効果が期待できるでしょう。
便秘といえば、ヨーグルト。ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が含まれていて、腸内環境を整える働きがあります。
中でもおすすめなのが、ビフィズス菌が入ったヨーグルトです。
ビフィズス菌は大腸内の善玉菌のうち99.9%を占め、主要な短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)である「酢酸(さくさん)」を作り出します。
短鎖脂肪酸には悪玉菌の増殖を抑制する働きに加え、脂肪の蓄積を防ぐとともに脂質の代謝を促進し肥満を防ぐ効果や、腸のぜん動運動を促進させる働きがあります。
ビフィズス菌を生きたまま腸に届かせるためには、胃酸の影響を受けやすい空腹時よりも食後に食べるのがおすすめです。
ビフィズス菌は、オリゴ糖や水溶性食物繊維といったエサを食べることで、酢酸を作り出します。
そのため、ビフィズス菌を含むヨーグルトなどを食べる際は、ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖や水溶性食物繊維が含まれた食べ物を一緒に摂るようにしましょう。
ハチミツには、腸内に善玉菌を増やして悪玉菌を減らす、有機酸のグルコン酸やオリゴ糖が含まれています。ビタミン類やミネラル類も豊富で、美容面や疲労回復にも役立ちます。
ビフィズス菌配合のプレーンヨーグルトに加えたり、ハーブティーに入れたりして日常的に摂るようにしましょう。
ただし、1歳未満の乳児には与えないように注意を。
便をスムーズに出すためには、すべりを良くする良質な脂質の摂取が必要です。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸には、腸のぜん動運動を促進する作用があります。
サラダドレッシングなどとして使うほかに、納豆のタレとして使うのもおすすめです。
スプーン一杯のオリーブオイルに少量の岩塩を加えれば、新感覚の味わいを楽しめます。
また、水切りをしたヨーグルトにオリーブオイルとはちみつを加え、そこに胃腸を整える効果があるセイロンシナモンのパウダーを少量混ぜれば、腸活デザートに。
きな粉を加えたら、ほんのり和風のやさしい味わいになります。
梨や桃、リンゴ、プルーンなどバラ科の果樹には、腸管内の水分を増やして便を軟化させる作用がある成分「ソルビトール」が含まれています。
ソルビトールは便秘薬の成分として使われることもあり、即効性が期待できます。効果が高い分、食べすぎには注意を。
トウモロコシには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のほか、ビフィズス菌など善玉菌のエサとなるオリゴ糖も豊富に含まれています。
今回は、便秘解消や予防に効果的な、食物繊維が多い食べ物や腸内環境を整える食品をご紹介しました。
便秘解消・予防に理想的なのは、今回ご紹介した食物繊維やビフィズス菌、オリゴ糖などを含む食べ物を、朝・昼・晩の3食でバランス良く摂ることです。
しかし、実際にそのような食事を毎回用意するのは手間がかかって大変ですよね。
出来る範囲で腸活を意識した食事を摂りつつ、不足分は腸内環境を良くする成分がバランス良く配合された腸活サプリメントで補うのもおすすめです。
ビフィズスやビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖が配合されたサプリなら、飲むだけで手軽に腸内環境を整えられます。
無理なく続けられる方法で腸内環境を整えて、便秘とは無縁の毎日を目指しましょう!
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