最終更新日:2025.4.22
「毎朝スッキリ出ない」「お腹が張ってつらい」「肌荒れやイライラも気になる」。
そんな便秘の悩み、ひとりで抱え込んでいませんか?
便秘は一時的な不調と思われがちですが、実は腸内環境の乱れを知らせるサイン。
放っておくと肌荒れ・疲労感・集中力の低下など、心身にさまざまな影響を及ぼすこともあるのです。
そんなつらい便秘を根本から解消するカギは、毎日の「食べ物」にあります。
この記事では管理栄養士の視点から、便秘を改善する食材の選び方や、腸内環境を整えるコツについてわかりやすく解説。
忙しい毎日でも取り入れやすい食べ物や習慣を通して、スッキリ快調な毎日をサポートします。
頑固な便秘で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
便秘とは、便がスムーズに排出されない状態のこと。
実はその背景には、以下のような腸内環境の乱れが潜んでいます。
・食物繊維不足
・水分不足
・ストレスや緊張
・腸内の善玉菌の減少
・運動不足
特に最近は、「毎日出ているのにスッキリしない」「コロコロ便しか出ない」といった“隠れ便秘”の方が増えています。
これは食生活や腸内フローラのバランスが大きく影響しています。
「便秘を解消したい」と思っても、何を食べればいいのかわからない…という方も多いのではないでしょうか?
便秘改善に効果があるとされる食べ物には、次のような特徴があります。
便秘改善に欠かせないキーワードが、「食物繊維」です。
でも、「どうして食物繊維が便秘に効くの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか?
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。
水溶性食物繊維
海藻、こんにゃく、大麦、熟した果物などが代表例。
水に溶けてゲル状になり、便を柔らかくして排出を助けるほか、腸内で発酵しやすく善玉菌を増やす効果があります。
不溶性食物繊維
野菜、ごぼう、豆類、玄米、きのこ類などに多く含まれています。
便のカサを増やして腸の壁を刺激し、蠕動運動を活発にして排便を促します。
■食物繊維と善玉菌の深い関係
「食物繊維は便秘に良い」と言われる理由のひとつに、“腸内の善玉菌を元気にしてくれる”働きがあります。
特に、水溶性食物繊維やオリゴ糖は、腸内のビフィズス菌など善玉菌の「エサ」となって腸内フローラを整える役割を果たします。
つまり、食物繊維は単に便のカサを増やすだけでなく、善玉菌の活動をサポートし、腸内のバランスを健やかに保つキープレイヤーなのです。
また、不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を活発にしてくれるため、善玉菌のエサが腸内にとどまりやすくなり、結果として善玉菌の増殖環境が整いやすくなるという相乗効果も期待できます。
しかし、食物繊維はどちらかに偏ると逆効果になることもあるため、意識して、バランス良く両方を摂るようにしましょう。
腸内環境を整えるうえで重要なのが、ヨーグルト・納豆・キムチなどの発酵食品。
善玉菌を補う「プロバイオティクス」として働き、腸内フローラを改善する効果が期待できます。
発酵食品は“菌を直接届ける”という点で、とても優れた食べ物です。
ただし、菌は腸に定着しにくいため、毎日少量でも続けて摂ることが効果を引き出すポイントになります。
特にビフィズス菌や乳酸菌は熱に弱いため、冷たい状態で摂るのがおすすめ。
ヨーグルトは朝食に、納豆は夕食に、といったように生活の中に自然と組み込みましょう。
さらに、発酵食品に含まれる乳酸や酢酸などの有機酸は、、腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を防ぐ働きもあります。
これにより、腸内環境がより善玉菌優位となり、便秘の解消につながります。
食物繊維(プレバイオティクス)+発酵食品(プロバイオティクス)の組み合わせは、まさに“腸活の黄金コンビ”。
腸内フローラの改善にとても効果的です。
オリゴ糖は、腸内の善玉菌(とくにビフィズス菌)を増やす、プレバイオティクスとして知られています。
自らは消化吸収されずに大腸まで届き、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きをします。
代表的なオリゴ糖には、「フラクトオリゴ糖」や「ガラクトオリゴ糖」などがあり、これらは自然な食品にも含まれています。
また、市販の「オリゴ糖入り甘味料」などを活用するのも一つの方法ですが、過剰摂取するとお腹がゆるくなることもあるため、自然な食品からの摂取が理想的です。
オリゴ糖は善玉菌の“ごはん”であり、発酵食品が“菌そのもの”であるとすると、この2つを組み合わせることで、腸内環境はぐっと整いやすくなります。
ここでは、特に人気が高く、便秘対策におすすめの具体的な食材をピックアップし、それぞれの特徴と効果的な食べ方をご紹介します。
乳酸菌やビフィズス菌を含む代表的な発酵食品。
毎朝の習慣にすることで腸内フローラが安定します。
無糖タイプを選び、オリゴ糖やフルーツをトッピングすると◎。
天然のオリゴ糖を含み、腸内の善玉菌をサポート。整腸作用が期待できます。
ヨーグルトやトーストにかけるほか、白湯に溶かして飲むのもおすすめです。
ただし、1歳未満の乳児には与えないように注意を。
植物性乳酸菌と食物繊維を一緒に摂れる優秀な発酵食品。
腸を活性化させ、便通改善に効果的です。
朝食や夕食の一品として毎日続けましょう。
食物繊維とオリゴ糖が豊富な果物。
熟したバナナほど腸にやさしく、便秘解消を後押しします。
朝のエネルギー補給にもぴったり。
不溶性と水溶性、両方の食物繊維を含む食材。
腸のぜん動運動を促し、溜め込まないカラダ作りをサポートしてくれます。
食べ物に含まれている食物繊維は、消化管では吸収されません。
消化管で給されなかった食物繊維は、大腸まで移動して水分と結合。
便の量を増やし、腸の蠕動運動を促進します。
腸の蠕動運動が促されると内容物(便)が腸内を通過する時間が短くなり、便意をもよおしてスムーズな排便につながります。
水分補給、運動、リラックス…どれも今日から取り入れられる習慣ばかりです。
ただ、「仕事や家事で毎日続けるのが難しい…」という人も少なくないでしょう。
そんな方の“もう一歩”をサポートしてくれるのが、ビフィズス菌とオリゴ糖を配合した腸活サプリです。
サプリメントなら、腸活を毎日手軽に続けられて、腸内環境をしっかりサポート。
食生活や生活習慣に「あとひとつ足りない」を埋める心強い味方になってくれますよ。
A. 食物繊維は便秘解消に有効ですが、、「摂りすぎ」に注意が必要です。
便秘改善を意識するあまり、玄米やごぼうばかり食べる方もいますが、かえってお腹が張ってしまうことも。
不溶性食物繊維を過剰に摂ると、便が硬くなって逆に出にくくなることがあります。
水溶性とのバランスを意識し、こまめな水分補給もセットで行いましょう。
A. 難しく考えすぎず、「腸が喜ぶ組み合わせ」を1日1食取り入れるだけでも変化を感じやすくなります。
例えば「納豆とわかめの味噌汁+大麦ごはん+バナナヨーグルト」は、水溶性・不溶性・発酵食品・オリゴ糖を一度に摂れる優秀な組み合わせです。
A. 腸内環境の改善には、、少なくとも2週間~1ヶ月ほどの継続が必要です。
「少しずつ出るようになった」「お腹の張りが減った」といった小さな変化が、改善のサイン。
続けることで体は確実に変わっていきます。
便秘のタイプや生活習慣にもよるため、すぐに結果が出なくても焦らず、コツコツと続けてみましょう。
便秘改善に魔法のような近道はありませんが、「正しい知識」と「正しい習慣」があれば、少しずつ確実に変わっていけます。
まずは「今日からできること」として、
・食べ物(食物繊維・発酵食品・オリゴ糖)を見直す
・水分補給や運動を意識する
・必要に応じて腸活サプリを活用する
という3つのステップを始めてみましょう。
「便秘を解消したい」と感じている今が、変わるチャンスです。
腸内環境が整えば、心も体も軽やかになります。
もし「毎日の食事だけでは難しい」と感じたら、腸活サプリをうまく活用してみてください。
「食べ物を変える」ことから始まる腸活で、あなたの毎日はもっと心地良くなるはずです。
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