最終更新日:2025.05.09
「毎日お腹が張ってつらい」「便意はあるのに出ない」「薬に頼るのは避けたい」。
こうした便秘の悩みを抱える人は少なくありません。
特にホルモンバランスの変動で便通が乱れやすい40代以降の女性や、運動不足やストレスの多い生活を送る方にとって、自然で即効性のある便秘対策は重要なテーマです。
この記事では、誰でも自宅でできる「腸もみマッサージ」の正しいやり方を徹底解説。
中でも「のの字マッサージ」は、1日2分程度で手軽に行えるにもかかわらず、効果が高いと人気です。
また、腸もみの効果を高めるための腸内環境改善アプローチについても触れていきます。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
腸の動きは自律神経によって無意識にコントロールされています。
自律神経は食事・睡眠・運動・ストレスなどの影響を受けやすく、乱れると腸の“ぜん動運動”が鈍くなり、便がスムーズに送られなくなってしまいます。
腸もみマッサージは、この低下した腸の運動機能を“外から刺激する”ことでサポートします。
物理的に腸を揺らし、停滞したガスや便の移動を促進することで、自然な排便を引き出す効果があるのです。
便意は副交感神経が優位な状態で起こりやすくなります。
マッサージによる心地よい刺激は、緊張で優位になっている交感神経の働きを鎮め、副交感神経を活性化させます。
その結果、腸の蠕動運動が促され、リラックスした状態で排便しやすくなるという相乗効果も期待できます。
「便秘をなんとかしたいけど、薬には頼りたくない」「自分で簡単にできる方法が知りたい」。
そんな方におすすめなのが、腸の動きをやさしく促す「のの字マッサージ」です。
たった2分、道具もいらず、お腹をさするだけのシンプルなセルフケアで、便意を引き出すサポートになります。
このパートでは、初めての方でも安心して試せるよう、効果を高めるポイントを押さえた基本のやり方を丁寧に解説します。
のの字マッサージの効果を高めるには、リラックスした状態で行うことが重要です。
また、手が冷えていると刺激が伝わりにくいので、手のひらを温めてから始めましょう。
背もたれに軽くもたれ、背筋を丸めないよう注意しましょう。
寝て行う場合は仰向けになり、お腹の筋肉がゆるんだ状態を作ります。
ゆっくりとした腹式呼吸を意識します。吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹がへこむリズムを意識することで、副交感神経が優位になりやすくなります。
1.イスに浅く腰掛けます(仰向けに寝て行う場合は、両脚を肩幅程度に広げて膝を立てます)
2.指先を揃えてへその右下に置きます
3.おなかの皮膚が1〜2cm程度沈むくらいの力加減で、右下腹部→右上腹部→へその上→左上腹部→左下腹部へと「の」の字を書くように時計回りにさすります
4.1周3〜4秒のペースで10周程度繰り返します
力加減はやさしく、皮膚をこすらないよう注意しましょう。
指先ではなく、手のひら全体で圧をかけてください。
深呼吸しながらゆっくりと行うことで、自律神経が整いやすくなります。
1.右手で右側のろっ骨の下をつかみ、左手で左腰骨の上をつかみます
2.そのまま、ゆっくりと1分間揺らすようにもみほぐします
3.両手とも上下を入れ替えて、同じように1分間もみほぐします
便秘解消を目的とするなら、マッサージのタイミングも重要な要素です。 以下のような時間帯に行うことで、より高い効果が期待できます。
就寝中は腸が休息モードになっているため、朝の起床直後は自然と腸の動きが活発になるタイミングです。
布団の上で軽くのの字マッサージを行うことで、腸に「動き出すきっかけ」を与えることができます。
便座に座った状態で、軽くお腹をマッサージすることで、腹圧を高めつつ排便反射をサポートできます。
手のひらで左下腹部をゆっくりと押すのがコツです。
身体が温まり、筋肉や内臓の緊張が緩んでいる状態は、マッサージ効果が最大限に引き出されます。
特に副交感神経が優位になる就寝前は、マッサージによるリラックス効果と相まって、腸の自然な動きを促しやすくなります。
腸もみマッサージは安全性の高い方法ですが、すべての人に適しているわけではありません。
以下に当てはまる方は医師に相談のうえで判断してください。
以下のような症状や状態がある場合は、腸もみマッサージを行わず、医師に相談しましょう。
・強い腹痛や吐き気、嘔吐を伴う場合
・妊娠初期、切迫流産と診断された方
・腹部手術後間もない方、炎症性腸疾患をお持ちの方
・腸閉塞や腸ねん転の疑いがある症状が見られる場合
また、食後すぐのマッサージは消化不良を起こす可能性があるため、食後30分以上経ってから行うことが望ましいです。
腸もみマッサージは、腸を“外から動かす”ための即効性ある方法ですが、便秘体質を根本から変えるには「腸内環境の改善」が欠かせません。
・善玉菌が少ない腸は、便の水分保持力が弱くなり便が硬くなる
・悪玉菌が優位になると腸内ガスが増え、ぜん動運動が阻害される
・腸内フローラの乱れは、自律神経やホルモンにも影響を及ぼす
このように、腸の「内側の環境」が悪化していると、いくらマッサージをしても便秘を繰り返す体質から抜け出すことは困難です。
腸内環境を整えるには、食物繊維や発酵食品を摂るなど食生活の改善が基本ですが、忙しい現代人にとって毎日意識するのは難しい面もあります。
そこで役立つのが、善玉菌や食物繊維成分を手軽に補える腸活サポートサプリメントです。
特に、ビフィズス菌やビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖などがバランスよく含まれている製品は、腸内環境の底上げに効果的。
腸もみやのの字マッサージと並行して腸活習慣を取り入れることで、「出にくい体質」から「自然と出る体質」への変化が目指せます。
「便通リズムサポート」で、毎朝すっきりする習慣をはじめてみる
便秘は、単なる不快感にとどまらず、日常生活の質や健康そのものに影響を与える深刻な問題です。
しかし、だからこそ「すぐにできる」「毎日続けられる」方法でのアプローチが求められています。
今回紹介した“のの字マッサージ”は、まさにその条件を満たす、シンプルかつ効果的な習慣です。
・腸もみマッサージは、1日2分でできる即効性のある便秘対策
・のの字マッサージは腸を直接刺激してぜん動運動をサポート
・腸内環境を整えることで便秘の根本改善が期待できる
腸もみマッサージは、誰でも・今日から・無料で始められるセルフケアです。
ぜひ今日から、この2分習慣を始めてみてください。
そして、それだけで終わらせず、腸活サプリメントなどを活用して腸内環境にもアプローチすることで、数日〜数週間後の“腸の未来”が確実に変わっていきます。
そういった習慣を生活の一部にできれば、気づけば「毎日出る自分」が当たり前になるでしょう。