最終更新日:2024.9.26
お腹にガスが溜まるとお腹が張って苦しいだけでなく、お腹に溜まったガスがおならとして出ないか心配で、外出先や職場でも落ち着きませんよね。
そこで今回は、お腹にガスが溜まる原因や即効性が期待できるガス抜き方法、さらにはお腹にガスを溜めない食生活や生活習慣などについて解説します。
お腹にハリを感じることが多い方は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
お腹にガスが溜まって張る原因は複数ありますが、中でも多い原因が便秘です。
便秘になるとガスが溜まる理由について、解説していきます。
便秘になると、腸内に便が滞留する時間が通常よりも長くなります。
すると腸内環境が悪化し、悪玉菌が増加。悪玉菌によって便から有毒ガス(硫化水素、スカトール、インドールなど)や有害物質が大量に産生されます。
そのため、便秘になるとお腹にガスが溜まってパンパンになるのです。
人は無意識のうちに、多くの空気を飲み込んでいます。
飲み込んだ空気は大半がゲップとして排出されますが、ゲップを我慢すると空気は腸へと移動し、ガスへと変化。お腹にガスが溜まる原因となります(※1)。
こういった症状は「呑気症(どんきしょう)」あるいは「空気嚥下症」と呼ばれ、お腹にガスが溜まって張りを感じるだけでなく、頭痛や肩こり、抑うつ状態などを引き起こします(※2)。
空気を飲み込みやすいタイミングとして挙げられるのが、食事の時間です。
特に、早食いの人や話しながら食事をする人は空気を飲み込みやすいといわれています。
また、口呼吸の人も空気を飲み込みやすいとされています(※3)。
※1,2,3:木村浩子. "空気嚥下症 (いわゆる噛みしめ呑気症候群) と頭頸部不定愁訴に関する臨床統計的検討." 日本歯科心身医学会雑誌 22.2 (2007): 73-83.
普段、何気なく口にしている食べ物の中には、お腹の中でガスを発生させやすいものがあります。
お腹にガスが溜まることが多い人は、これから挙げる食品を摂る際には食べる量に注意しましょう。
大豆やひよこ豆、黒豆などはオリゴ糖を含んでいます。
オリゴ糖は善玉菌であるビフィズス菌のエサとなる大切な成分ですが、大腸で便を発酵させる際にガスを生成します。
お腹にガスは溜まるものの、オリゴ糖の摂取によって発生したガスは有害なガスではありません。
そのため、おならとして出しても臭くないのが特徴です。
不溶性食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれている玉ねぎは、便秘改善に効果的な食品です。
その一方で、便秘が続いている時に食べると、不溶性食物繊維によって便が大きくなって排出しにくくなります。
腸内に滞留した便は腐敗が進み、お腹に大量のガスが溜まりやすくなります。
また、玉ねぎには硫黄成分が多く含まれているため、発生したガスはインドールやスカトールといった悪臭成分を含むニオイの強いガスになるのが特徴です。
ニンニクに含まれるフラクトオリゴ糖には整腸作用があり、腸内環境改善に役立ちます。
しかし、フラクトオリゴ糖は腸内で発酵しやすいという一面も。そのため、腸内環境が悪化しているとガスの大量発生を引き起こします。
キャベツにはラフィノースと呼ばれるオリゴ糖が含まれています。
ラフィノースにはビフィズス菌を活性化して腸内環境を整える作用がありますが、便秘が続いている時には腸内で内容物を異常発酵させ、ガスを大量に発生させる原因となります。
牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品にはラクトース(乳糖)という糖質が含まれています。
ラクトース(乳糖)には腸内環境を整えて便秘を解消・予防する作用がありますが、日本人の多くはラクトースを消化できる酵素(ラクターゼ)を持っていない「乳糖不耐症」です。
乳糖不耐症の人が乳製品を摂取すると腸内で発酵しやすく、お腹にガスが溜まる原因となります。
お腹に溜まったガス抜き方法には色々ありますが、中でもおすすめなのがツボ押しです。
今回はトイレで座ったまま押せる、即効性が高いガス抜きのツボを紹介します。
お腹のガス溜まりが気になる時に、ガス抜きのツボを押してみてくださいね。
トイレで座ったまま押せるお腹のガス抜きツボ
お腹にガスが溜まる主な原因は、腸内環境の悪化です。
お腹にガスが溜まりやすい人は、ガスが溜まるのを防ぐ食生活や生活習慣を実践してみませんか。
腸内環境を整えてガスが溜まるのを防ぐ生活習慣
腸内環境の良し悪しは、自律神経の状態と深く関係しています。
上記の生活習慣は、腸内環境の改善だけでなく、自律神経を整えるのにも効果的です。
自律神経が正常に働けば腸内環境が良くなり、ガスが溜まることも防げます。
できる範囲で、無理なく実践してみませんか。
過敏性腸症候群は、腸に器質的な異常がないにもかかわらず、腹痛を伴う便秘や下痢といった便通異常が慢性的に起こる疾患です。
ストレスなどメンタル面の不調に関連して引き起こされることが多いとも言われています。
過敏性腸症候群には「便秘型」「下痢型」「混合型」「分類不能型」の4タイプがあり、お腹にガスが溜まる症状がある人は「分類不能型」に当てはまると考えられます。
はっきりとした原因がないにもかかわらず、胃もたれや食欲不振、お腹にガスがたまるなどの症状が慢性的に表れる疾患が、機能性ディスペプシアです(※)。
機能性ディスペプシアの発症要因として、遺伝や心理的経験、アルコールの摂取、喫煙、食事内容、腸内細菌叢の乱れ、睡眠不足、ストレスなどが考えられています(※)。
腸閉塞(イレウス)」は、腸の先天的な異常や、未消化の食べ物の塊といった腸の内容物の詰まりなどによって腸管がふさがれる疾患です。
腸閉塞になると、便だけでなくガスも体外へ排出できなくなります。そのため、お腹にガスが溜まるのです。
腸内細菌異常増殖症候群は、小腸の内容物が正常に動かないことが原因で腸内細菌が異常に増殖する疾患です。
小腸内にガスを発生させて腹部膨満を引き起こすほか、増えすぎた細菌が栄養素を過剰に消費するために体重減少や下痢、吸収不良といった症状が表れます。
※木下芳一. "5. 機能性ディスペプシアの診断と治療." 日本内科学会雑誌 105.9 (2016): 1611-1625.
今回は、お腹にガスが溜まる原因や即効性が期待できるガス抜き方法、腸内環境を整える生活習慣などをご紹介しました。
お腹に溜まったガスは「おなら」として排出されますが、おなかの回数が多かったり、クサかったりする場合は腸内環境が悪化している可能性が考えられます。
腸内環境が悪化すると、便秘だけでなく睡眠の質が悪くなる、免疫力が低下する、体臭・口臭がきつくなる、肌が荒れるなどの悪影響が出ることが少なくありません。
腸内環境を整えてお腹にガスが溜まるのを予防するためにも、腸内に善玉菌を増やすことが大切です。
善玉菌が多く含まれる食品を食べる、善玉菌を配合したサプリを飲むなど、自分に合う方法で腸内環境を良くしましょう!そして、お腹のガスを解消してくださいね。
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