最終更新日:2025.4.22
「便秘が続くと、なんだか気持ち悪くなる…」
「食欲がなく、ムカムカする感じがつらい」
そんな不快な「吐き気」は、もしかすると便秘が原因かもしれません。
実は、腸がうまく動かず便が滞ると、胃腸全体の働きが乱れて、吐き気・腹部の膨満感・食欲不振・頭痛など、さまざまな不調が出てくることがあります。
本記事では、便秘による吐き気のメカニズムや注意すべきサイン、そして今日から始められる具体的な対処法まで、分かりやすく解説していきます。
便秘による吐き気や頭痛で悩んでいる方は、症状を改善する参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
便秘が続くと、腸内にたまった老廃物やガスが全身の不調を招き、吐き気などの症状として表れることがあります。
代表的な原因は次の5つです。
便秘になると腸内で悪玉菌が増殖し、ガスが大量に発生します。
このガスが腸内にたまり、お腹がパンパンに張ってしまい、胃を物理的に圧迫。
これが「ムカムカする感じ」や「食欲が湧かない」といった吐き気の原因になるのです。
本来、胃と腸は連携しながらスムーズに食べ物を消化・吸収しています。
ところが便秘になると腸の動きが鈍くなり、胃の働きも影響を受けて消化不良に。
胃もたれや吐き気を引き起こす原因になります。
自律神経は、体内のさまざまな機能を調整する役割を持っています。
そのため、ストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れて腸の動きにも影響を及ぼします。
腸の動きが不安定になるとガスの蓄積や消化不良が進行し、それが吐き気の原因に。
ストレスが慢性化すると、消化器系の働きが低下して腸内フローラのバランスが崩れるため、便秘と吐き気が長期化する可能性があります。
女性の場合、生理前や更年期などホルモンの変動が腸の動きに影響します。
特に黄体ホルモン(プロゲステロン)が増える時期は腸の働きが低下しやすく、便秘とともに吐き気や腹部の不快感に悩まされる人が少なくありません。
便秘と吐き気が同時に現れる背景には、次のような疾患が潜んでいることもあります。
大腸がん
腫瘍が腸をふさぎ、便が流れにくくなって吐き気や嘔吐を引き起こします。
胃腸炎
細菌やウイルスの感染で腸の働きが低下し、便秘と吐き気が同時に現れることがあります。
潰瘍性大腸炎・クローン病
腸に炎症が慢性的に起こる病気で、便秘・吐き気・下痢・体重減少などの症状が現れます。
こうした疾患の場合、放置すると命に関わるリスクもあるため、少しでも異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
吐き気は便秘が原因で起こることもありますが、症状の長期化やその他の不安な兆候が表れた場合には、病院での受診を検討しましょう。
特に、便秘と吐き気が同時に起こると、他の深刻な病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。
もし吐き気が数日以上続く場合は、体が何かを伝えようとしているサインかもしれません。
特に、次のような場合には注意が必要です。
・吐き気が1週間以上続いている
・吐き気が強くなる、食事を摂るとさらに悪化する
・食欲が全くない、または食べても吐き気が強くなる
吐き気だけでなく、強い腹痛や実際に嘔吐してしまう場合は、重大な病気のサインである可能性も。
これらの症状が一緒に現れた場合は、以下の病気が疑われることがあります。
腸閉塞(イレウス)
腸が詰まり、内容物が通過しなくなる状態です。
強い腹痛や吐き気、嘔吐が特徴で、放置すると命に関わることもあります。
胃腸炎
ウイルスや細菌による感染症で、腸の働きが低下し、吐き気や腹痛、下痢などの症状を引き起こします。
便に異常が見られる場合は、すぐに病院を受診することを強くおすすめします。
血便
便に血が混じっている、黒っぽい便が出るなどの症状で考えられるのは、胃や腸に潰瘍や出血がある可能性です。
大腸がんや胃潰瘍などの疾患が原因かもしれません。
便が細くなる
細い便や変形している便は、何らかの理由で腸の中を便がスムーズに通過できなくなっている可能性があります。
大腸がんの初期症状として表れるケースも。
発熱と吐き気がセットで現れる場合、感染症の疑いがあります。
胃腸炎
細菌やウイルスによる感染症で、発熱、吐き気、下痢、腹痛などが同時に表れます。
膵炎や胆嚢炎
膵臓や胆嚢に炎症が起きることで、発熱や吐き気、上腹部の痛みが現れることがあります。
便秘が原因の吐き気は、ちょっとした工夫で和らげることができます。
手軽に実践できる対処法をご紹介しますので、不快な症状に悩んでいる人は試してみませんか。
便秘や吐き気の原因がストレスである場合、エッセンシャルオイル(精油)などの香りがリラックス効果を高めて、症状の緩和が期待できます。
特に、消化促進に効果があるとされるペパーミントやラベンダーの香りは、便秘と吐き気の症状がある時におすすめの香りです。
ハンカチなどに一滴たらして持ち歩けば、外出先で気分が悪くなってもすぐに気分転換できるでしょう。
体温が冷えると腸の働きが鈍くなり、便秘や吐き気を引き起こしやすくなります。
冷たい飲み物を避け、常温や温かい飲み物を摂取することが有効です。
特に、温かい白湯やレモン水は腸を穏やかに刺激して、消化を助ける効果が期待できます。
便秘による吐き気は、ストレスが原因で悪化することがあります。
深呼吸をしながら静かな場所で目を閉じ、心を落ち着けることで副交感神経が優位になり、腸の動きが整いやすくなるでしょう。
吐き気を和らげるためにハーブティーを活用するのも効果的です。
特に、ペパーミントティーやジンジャーティーは消化を助け、吐き気を抑えるのに有効とされています。
腹式呼吸は、深い呼吸を行うことで腹部を膨らませ、呼吸を通じて内臓をやさしく刺激し、腸の蠕動運動を促進します。
また、深い呼吸はリラックス効果があり、自律神経のバランスを整えるため、ストレスによる便秘や吐き気の緩和効果が期待できます。
腹式呼吸のやり方
1.リラックスした姿勢で座る
椅子に座るか、床に座り、背筋を伸ばしてリラックスしましょう。
手は膝の上に置いて、目を閉じてもOKです。
2.お腹を膨らませながら深く息を吸う
鼻からゆっくり息を吸い、お腹が膨らむのを感じながら呼吸します。
このとき、胸を動かさず、腹部を使って呼吸を意識しましょう。
3.ゆっくり息を吐きながらお腹をへこませる
口を少し開けてゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませます。
呼吸が深くなることで、内臓が刺激され、腸の動きが活発になります。
これを5回~10回繰り返すことで、リラックスし、腸の働きが改善されるのを感じることができるでしょう。
便秘による吐き気を繰り返している人は、「腸内環境」が悪化しているかもしれません。
腸内では、善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスが保たれているのが理想ですが、食生活やストレス、加齢などの影響で悪玉菌が増えると、ガスや有害物質が発生。
腸の働きが鈍くなり、便秘や吐き気といった不調を招きます。
腸内環境を整えるポイント
・食物繊維が豊富な食べ物や、発酵食品を積極的にとる
・加工食品や糖質を摂りすぎないように注意する
・善玉菌(ビフィズス菌など)とオリゴ糖を毎日補う
毎日の食事だけでは難しいという方は、腸活に特化したサプリメントを上手に活用するのも1つの手です。
便秘が続いて吐き気がするのは、体からのサインかもしれません。
便秘の原因としては、腸内ガスの溜まりすぎや自律神経の乱れ、ホルモンバランスの変化など、さまざまな要因があります。
一時的に吐き気を抑える方法も大切ですが、根本的には腸内環境の改善が必要です。
腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラを整えることが、健康的な毎日を過ごすためのカギになります。
もし「腸活」を始めてみようかなと思ったら、ビフィズス菌とオリゴ糖をしっかり補えるサプリメントがサポートになります。
腸内環境を整えることで、便秘や吐き気の症状も徐々に軽減できるはずです。
少しずつでも腸活を意識して、体調を整えていきましょう。
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