最終更新日:2025.07.03
便秘が続いていると、体がだるくなったり、微熱が出たりすることはありませんか?
実は、「便秘」と「発熱」には深い関係があります。
特に子供の便秘では発熱を伴うことも少なくありません。
この記事では、「便秘でなぜ熱が出るのか?」「子供が便秘で熱を出した場合どうするべきか?」「その根本対策は何か?」について、分かりやすく解説します。
長引く便秘で体調不良や不快感に悩まされている方は、症状改善の参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
便秘が原因で発熱が起こる仕組みには、共通点がある一方で、大人と子供ではその影響の受け方に違いがあります。
それぞれの体の特性に合わせた原因を詳しく見ていきましょう。
【大人の場合】便秘で発熱する主な原因
① ストレスや不安による自律神経の乱れ
大人は日常的に多くのストレスを抱えており、それが自律神経を乱す原因に。自律神経が乱れると腸の動きが鈍くなり、便が腸内に溜まりやすくなります。
その結果、腸内に有害物質が滞留し、免疫が過剰に反応することで微熱を引き起こすことがあります。
② 水分・食物繊維不足
忙しい毎日で食事が偏りがちだと、水分や食物繊維が不足して便秘が悪化。
腸内に長くとどまった便からは腐敗ガスや有害物質が発生し、体に吸収されて熱が出ることもあります。
また、便秘によって腸内の免疫機能が低下するため、風邪や感染症に対しても体が弱くなり、熱が出ることもあります。
③ 長時間のデスクワークによる腸の運動不足
座りっぱなしの生活は腸の蠕動運動を低下させ、便秘を悪化させます。
ガスが腸内にたまりやすくなり、腸内フローラのバランスも乱れて発熱の一因に。
【子供の場合】便秘で発熱する主な原因
① 排便習慣が確立していない(我慢のクセ)
子供の便秘は、大人と違って排便習慣の未熟さが関与しているケースが少なくありません。
特にトイレ(排便)に対してイヤなイメージをもち、我慢するクセがつくと、便が長く腸内にとどまり、有害物質が発生。
これが血中に吸収されることで、発熱につながる場合があります。
② トイレトレーニングのストレス
トレーニング中の失敗体験(叱られるなど)がストレスになり、腸の動きをコントロールする自律神経に影響。
腸の働きが鈍くなり、便秘・発熱を引き起こすことがあります。
③ 成長段階に伴う腸機能の未成熟
小さな子どもの腸はまだ発達途中。蠕動運動が弱く、便がたまりやすくなります。
ガスや毒素が発生し、それが体に吸収されて微熱を引き起こすことがあります。
このように、大人と子供では便秘による発熱の原因が異なる場合があります。
大人の主な原因はストレスや食事の影響によるもの、子供の場合は排便習慣や成長段階に関わる場合が多いといえるでしょう。
いずれにしても、早期に腸内環境を整えることが大切であり、腸活習慣を日常に取り入れることが、発熱や便秘を防ぐカギとなります。
便秘と発熱が同時に発生することは、体からの警告信号とも言えます。
腸内で起こる異常が全身に影響を与え、体調不良として現れるため、この状態が続く場合は放置せず、適切な対処が必要です。
ここでは、便秘+発熱時に有効な対処法を大人と子供それぞれに分けて詳しく解説します。
【大人向け】便秘+発熱時の対処法
① 水分補給を徹底する
発熱時は体内の水分が失われやすく、便秘も悪化しやすい状態です。
ミネラルウォーターや発酵飲料をこまめに摂ることで、腸の潤いを保ち、腸内フローラも整います。
② 温かい飲み物で腸を刺激
温かいお茶やスープは腸を温めて蠕動運動を促します。
特に生姜入りの飲み物やハーブティー(カモミールやミントティーなど)は、リラックス効果もありおすすめです。
③ 軽い運動を取り入れる
激しい運動は避けつつ、軽いストレッチやウォーキング、ヨガなどを行いましょう。
腸の動きをサポートし、リラックス効果も得られます。
④ 食事を見直し、腸にやさしい食材を
消化に良い温かいスープやおかゆ、発酵食品を中心に、腸にやさしい食生活を心がけましょう。
食物繊維や善玉菌の摂取で腸内環境を整えることが、回復への近道です。
⑤ サプリメントの活用
ビフィズス菌やオリゴ糖などが含まれる腸活系サプリを取り入れることで、栄養を補いつつ腸内の善玉菌をサポートできます。
【子供向け】便秘+発熱時の対処法
① 水分と食事管理
子供には水や麦茶を中心に、やさしく水分を補給。
食事は消化しやすいおかゆ・うどん・煮込み料理などを中心にしましょう。
② トイレトレーニングの見直し
排便を我慢しないよう、毎日決まった時間にトイレに行く習慣を。
ストレスなく排便できる環境づくりが大切です。
③ 日常的な腸活の実践
運動、腸にやさしい食事、発酵食品を日常に取り入れて、腸内環境を整えていきましょう。
予防こそ最大の対処法です。
④ 症状が続く場合は早めに受診を
便秘が長引いたり発熱が続く場合は、自己判断せず小児科へ。
腸閉塞などのリスクを回避するためにも、早期の診断・対処が重要です。
適切な医療機関での診察を受けるようにしましょう。
腸内環境の悪化が原因で起こる微熱や倦怠感を「なんとなくの体調不良」と放置していると、以下のような症状に発展するリスクがあります。
便秘による身体への影響には、こんなものも
だからこそ、「便秘+微熱」は軽視せず、腸から体を整える意識が重要なのです。
便秘が続くことで腸内に有害物質がたまり、それが吸収されると、体は「異物反応」として微熱を発することがあります。
このような慢性炎症型の微熱や倦怠感を防ぐには、便秘そのものを改善し、腸内環境を良好に保つ習慣=腸活が重要です。
今日から実践できる「発熱を招かないための腸活習慣」を3つに厳選して紹介しますので、実践しやすいものから始めてみましょう。
発熱を招かないための腸活習慣ベスト3
① 発酵食品+水溶性食物繊維を意識的に摂る
善玉菌を優位に保つことで、腸のバリア機能が高まり、有害物質の吸収が抑えられます。これにより微熱や炎症反応を未然に防げます。
【実践例】
発酵食品:納豆、味噌、ぬか漬け、ヨーグルト、キムチ
水溶性食物繊維:海藻類、オクラ、山芋、ごぼう、バナナ
※発酵食品と食物繊維は「セット」で摂ることで善玉菌が活性化し、相乗効果が期待できます。
② 腸の蠕動運動を活性化させる「動く腸活」
腸の動きが弱ると、便の停滞から有害ガスや毒素が発生し、全身への炎症や熱につながる恐れがあります。
【実践例】
・毎朝の10分ウォーキング
・便秘改善に効果的な腸もみマッサージ
・腹式呼吸や呼吸筋ストレッチ
※激しい運動でなくても、寝る前のストレッチや散歩でも十分効果があります。
③ 毎日続けられる「サプリメント腸活」でリスクを低減
忙しい毎日では、毎食で必要な栄養をとるのが難しいことも。そんなときはサプリメントの活用も有効です。
【主な成分例】
・善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌)
・善玉菌のエサとなるオリゴ糖
※腸内環境を維持するための“日常的なサポート”としておすすめです。
便秘が続くことで腸内に毒素がたまり、発熱を引き起こすことは決して珍しくありません。
特に子供や高齢者は影響を受けやすく、腸内環境の乱れが「なんとなく続く体調不良」に直結します。
そうしたリスクを防ぐカギが、「早めの腸活」です。
便秘による熱を防ぐには?
今すぐできる3つの腸活習慣
便秘による微熱や倦怠感は、腸内の毒素やガスが血中に吸収されることで引き起こされることがあります。
こうしたリスクを防ぐには、日常生活の中に「腸活習慣」を取り入れることが大切です。
▶︎ Step 1:発酵食品+水溶性食物繊維を意識的に摂る
善玉菌を増やす発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト)と、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維(海藻類・オクラ・バナナ)を一緒に摂るのが効果的です。
※セットで摂ると相乗効果UP!
▶︎ Step 2:腸の蠕動運動を活性化させる「動く腸活」
朝の軽いウォーキングや腸もみマッサージ、腹式呼吸など、毎日続けられる運動を取り入れると腸が活性化。
運動に慣れていない人は、寝る前のストレッチだけでもOKです。
▶︎ Step 3:毎日続けられる「サプリメント腸活」
野菜不足や忙しさで栄養が偏りがちな方には、ビフィズス菌やオリゴ糖を含むサプリメントがおすすめ。
手軽に続けられる腸活アイテムとして、日常に取り入れる価値ありです。
「続けること」がいちばんの近道です。食事や生活習慣に加えて、サポートアイテムも上手に取り入れてみましょう。
▶︎ 今すぐ始めたい方へ:
腸内バランスを整える“便通力”で、発熱しにくいカラダづくりをはじめましょう
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾病の診断や治療を意図するものではありません。症状や健康面にご不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門の医師による診断と指導をお受けください。
本記事の内容に起因するいかなる結果についても、筆者および運営者は責任を負いかねますのでご了承ください。