最終更新日:2025.05.14
「毎日野菜を食べているのに便秘が治らない」「運動もしているのにすっきりしない」。
そんな悩みを抱えている方に注目してほしいのが、「姿勢」です。
猫背や反り腰といった悪い姿勢は、内臓の働きを妨げ、腸の動きにも影響を与えるため、便秘の一因になることがあります。
本記事では、姿勢と便秘の意外な関係について解説しながら、改善のヒントもご紹介します。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
食品保健指導士・管理栄養士
古本 楓
食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。
【資格】
・公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
食品保健指導士
・管理栄養士
目次
まずは、あなたの姿勢が「猫背」や「反り腰」に当てはまるかを簡単にチェックしてみましょう。
以下の図を参考に、壁に背をつけて立ってみてください。
・お尻より先に背骨が付く、壁と背中の間に手が入らない人
→猫背
・壁と腰の間で両手のひらを重ねられるほどスペースがある、お腹が前に張り出している人
→反り腰
正しい姿勢は、横から見て耳・肩・股関節・くるぶしが一直線上にあり、後頭部とお尻が壁に付いて、腰の後ろに手の平がスッと入る程度の隙間がある状態です。
座り方や立ち方が悪いと、骨盤が前後に傾いたりねじれたりします。
このゆがみは、直腸周辺の筋肉や神経に影響を与え、便意がうまく伝わらなかったり、いきんでも出にくくなったりする原因になります。
「出したいのに出ない」といった症状がある方は、骨盤のゆがみや姿勢の乱れが関係している可能性を考えてみましょう。
猫背の姿勢では、お腹が折れ曲がるように圧迫され、腸の動きが妨げられます。
その結果、ガスが溜まりやすくなったり、便の移動がスムーズにいかなくなったりするのです。
ここでは、猫背によって便秘が起こるメカニズムと、猫背改善によるメリットについて詳しく見ていきましょう。
猫背になると、肩が内側に入り、背中が丸くなり、胸郭(肋骨まわり)も縮こまります。
このとき、お腹も自然と圧迫される形になり、胃や腸が下に押し下げられます。
腸が圧迫されると、腸内の通り道が狭くなり、便の移動がスムーズにいかなくなります。
また、猫背の姿勢は肺を圧迫し、浅い呼吸になりやすいのも問題です。
深い呼吸がしにくくなると、自律神経のバランスが崩れやすく、腸の蠕動運動が弱まってしまいます。
腸の動きが鈍くなると、老廃物が体内に溜まりやすくなり、代謝も低下します。
すると、脂肪が燃えにくくなり、体重が増えやすい体質に変化していくことも。
つまり、猫背が便秘を招き、便秘がさらに太りやすさを引き起こす…という悪循環に。
見た目のシルエットも崩れてしまうため、美容や健康のためにも猫背の改善は欠かせません。
普段から背中が丸まりやすい方は、座り方やスマホの見方から見直すことが、便秘改善への一歩となるでしょう。
「反り腰」は、女性に多く見られる姿勢です。
実は、この「反り腰」こそが、便秘を引き起こす大きな要因となっている場合も。
反り腰と腸の関係を知ることが、慢性的な便秘解消への近道です。
反り腰とは、骨盤が前傾し、腰が過度に反ってしまっている状態を指します。
背筋が無理に反っているように見えるため、姿勢が良さそうに見えますが、実は骨盤が前傾しすぎているために、腸が下に引っ張られて機能が低下しがちです。
腸がうまく収まらないことで、ガスが溜まりやすくなったり、下腹部が常に張ったように感じたりすることもあります。
反り腰の方は、体幹のバランスが崩れやすく、腹筋の働きが弱まりやすい傾向があります。
腹筋は便を押し出すために重要な筋肉。ここがうまく使えないと、排便がスムーズにいかなくなるのです。
反り腰と便秘の両方に悩んでいる場合、腹筋を中心としたインナーマッスルのトレーニングや、骨盤のポジションを整えるエクササイズが効果的です。
運動や食事に気をつけていても、なかなか改善しない便秘。
その背景には、正しい姿勢が取れていないことが隠れているかもしれません。
姿勢を整えると、内臓が本来の位置に戻り、腸の動きが活性化します。
ここでは、日常生活でできる「姿勢からの腸活」アプローチを紹介します。
まず意識したいのは、「骨盤を立てる」ことです。
骨盤をまっすぐに保つことで、腸への圧迫が軽減され、内臓が正しい位置で安定しやすくなります。
腸がよろこぶ姿勢改善のコツ
・椅子に浅く座らず、深く腰掛ける
・座っているときは足裏全体を床につける
・立つときは頭のてっぺんが天井から吊られているイメージで
・反りすぎず丸めすぎず、背骨の自然なカーブを意識
姿勢改善は一朝一夕には身につきませんが、日々の積み重ねが腸へのやさしさにつながります。
正しい姿勢を習慣化することで、自然と便通リズムが整う人も少なくありません。
体をひねる動きや、腸の周囲をゆるやかに刺激するポーズは、便秘解消に効果的です。
たとえば、仰向けで膝を左右に倒す「ツイストストレッチ」や、うつ伏せから上体を起こす「コブラのポーズ」なども、腸の働きを促すのに役立ちます。
ただし、体に負担をかけすぎず、無理のない範囲で継続することが大切です。
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悪い姿勢が便秘の引き金になるのは事実ですが、「姿勢を正せばすべて解決」というわけではありません。
腸がしっかりと働くためには、腸内の環境を整えることも欠かせません。
食事、睡眠、運動、そして腸内細菌のバランスを保つこと。
これらを総合的に意識することで、便秘の根本的な改善につながります。
猫背や反り腰といった姿勢の乱れは、腸を物理的に圧迫し、蠕動運動の低下や排便困難を引き起こす大きな要因です。
食事や運動に取り組んでも便秘が解消しない場合、見落とされがちな「姿勢の悪さ」が関係しているかもしれません。
便秘の根本改善には、腸の動きを妨げない姿勢を身につけることが欠かせません。
骨盤を立てて体の軸を整える習慣は、腸に無理な負担をかけず、スムーズな排便を助けてくれるでしょう。
まずは自分の姿勢を客観的に見直し、腸にやさしい体の使い方を意識することが、自然な便通の回復につながります。
そして姿勢の見直しに加えて、腸内環境を手軽に整える方法を生活に取り入れるのもおすすめです。
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