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最終更新日:2025.09.16

中学生の便秘の原因と解消法|家庭でできる腸活習慣と受診の目安

中学生の便秘の原因と解消法|家庭でできる腸活習慣と受診の目安

「中学生になってから便秘が増えた」「子どもが便秘を気にしているけど、どうすればいいの?」。

思春期の訪れとともに、便秘で悩むことが増えるお子さんは少なくありません。

中学生の便秘には、体の成長に伴うホルモンの変化や学校での排便我慢、生活習慣の乱れなど、思春期特有の原因が隠れています。

本記事では、中学生の便秘が起こる原因を詳しく解説し、家庭でできる具体的な解消法や腸活習慣を紹介します。

さらに、受診が必要なケースや思春期特有の心理面へのサポート方法もまとめました。

保護者の方に向けて、安心してお子さんを支えられる実践的な情報をお届けします。

食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、「便秘」「腸活」についての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会 食品保健指導士
管理栄養士

中学生の便秘の原因|思春期特有の理由と生活習慣

中学生が便秘になりやすい理由は、一つではありません。思春期は、体も心も大きく変化する時期であるため、複数の要因が重なっているケースが珍しくないのです。

中学生が便秘しやすい原因について保護者が理解しておくと、対策がたてやすくなります。

1. 思春期特有のホルモンバランスの乱れ

中学生の体は急激に成長し、性ホルモンの分泌が活発になります。このホルモン変化は、自律神経に影響を及ぼし、腸の蠕動運動を鈍らせてスムーズな便通を阻害する原因となります。

特に女子は初潮前後にホルモンの揺らぎが大きく、便秘や下腹部の不快感を訴えることが増えます。

2. 学校でトイレを我慢してしまう心理的要因

「排便時の音が気になる」「トイレ後の臭いが恥ずかしい」。学校のトイレは心理的に使いにくく、多くの中学生が便意を我慢しがちです。

便意の抑制が習慣化すると、出口に便が到達しても便意が起きにくい「直腸性便秘」を引き起こす可能性も。

便が腸内に滞留すると硬くなり、さらに排便が難しくなるという便秘の悪循環に陥ります。

便意を我慢すると直腸性便秘になる可能性が上昇

3. 朝食抜き・不規則な生活リズム

中学生になると、部活動や塾で帰宅が遅くなる日が多くなることも。

夕食や就寝の時間が後ろにずれることで、起床時間がギリギリになり、朝食を食べないまま登校する子どもも少なくないでしょう。

中学生を対象にした自律神経と生活習慣との関連についての調査では、「朝食を食べない」と回答した子どもは約20%、「食事時間がやや不規則・不規則」と回答した子どもは50%以上にのぼりました(※)。

中学生の食事習慣

朝食は、腸を刺激して排便リズムを整える重要なスイッチです。そのため、朝食を食べないと便意が起こりにくくなり、便秘を招く原因になります。

4. 座りっぱなしで運動不足

現代の中学生は座って過ごす時間が増え、運動不足になりやすい傾向にあります。

スマホやゲームで座りっぱなしの時間が多いと、腸の動きが鈍くなり、便秘がちに。また、排便に必要な筋力が低下し、ちゃんと便が出せなくなっている可能性が考えられます。

5. 食物繊維が足りない食生活

炭酸飲料やスナック菓子が多い食生活では、水分や食物繊維が不足し、便が硬くなって排便がスムーズにいかなくなります。

食物繊維が少ない食生活で便秘が悪化する

このように、中学生の便秘は「体の変化」「学校での我慢」「生活習慣の乱れ」が複合的に絡んで引き起こされていることが分かります。

だからこそ、家庭でのサポートが欠かせないのです。

中学生の便秘改善に役立つ腸活習慣|毎日の生活に自然に取り入れる

便秘は一時的な対処では解決しにくく、生活習慣の積み重ねが大切です。

中学生の生活リズムに寄り添った腸活を続けることで、自然と快適な便通が習慣化していきます。ここでは 「今日からできる具体的な工夫」 を紹介します。

1. 食物繊維と発酵食品を取り入れた食事

食事は腸活の基本です。簡単なメニューでも良いので、朝食を必ずとる習慣をつけましょう。朝食を食べることで体温が上昇し、活動の準備が整います。

また、食事から摂取したブドウ糖が脳のエネルギーとなり、集中力を高めて学習効率を良くします。

  • 朝食例:ヨーグルト+バナナ+全粒パン(またはおにぎり)
  • 昼食例(お弁当の工夫):卵焼きにほうれん草や小松菜を混ぜる、サラダに豆やコーンを追加
  • 夕食例:野菜たっぷりの味噌汁+サバや鮭などの魚料理
  • おやつ:ナッツ、干し芋、ドライフルーツ、無糖ヨーグルトにきな粉をかける

ポイントは「一品足すだけ」。例えば、味噌汁にきのこを足す、サラダに豆を入れるなど、ちょっとした工夫で食物繊維と発酵食品を同時に取り入れられます。

朝食を食べて1日の活動準備をする

2. 朝の3分トイレ習慣を身につける

たとえ便意がなくても「朝食後に3分間トイレに座る」ことを続けると、排便リズムが身につきます。

保護者が声掛けして、一緒に「朝の準備の一部」として定着させるのが効果的です。

3. 水分・油(オリーブオイルなど)で便を柔らかくする

便を柔らかくする工夫も大切です。水分は1日1〜1.5リットルを目安として、こまめに補給しましょう。

また、オリーブオイルやごま油など良質な油を食事に取り入れると、自然に脂質を摂取できます。

適量の脂質を摂ることで、腸内をスムーズに移動する便が作られます。

4. 軽い運動やストレッチで腸を刺激する

激しい運動でなくても、朝のストレッチやラジオ体操、通学時のウォーキングで十分です。

特に「お腹をひねる動き」や「腹筋を使う運動」は、腸の蠕動運動を促します。

5. ストレスケアやリラックス法を取り入れる

ストレスは、便秘の大きな要因です。受験勉強や友人関係の悩みで自律神経が乱れると、腸の動きも鈍くなります。

家庭では「お風呂でリラックス」「寝る前におしゃべり」「読書や音楽で落ち着く時間」を設け、心のケアを意識してあげましょう。

中学生の便秘解消・予防にはストレスやリラックスケアが重要

6. 睡眠と生活リズムを整える

腸の働きは自律神経と深く関わっています。夜更かしや不規則な睡眠は便秘の原因に。

  • 目標就寝時間:夜11時までにベッドへ
  • スマホルール:寝る30分前に手放す → メラトニン分泌が促され、眠りが深くなる
  • 朝のリズム:起きたらカーテンを開けて朝日を浴びると体内時計がリセットされ、腸の動きもスムーズに

睡眠の改善は「腸だけでなく、集中力や肌の調子」にもつながるため、中学生にとってメリットが実感しやすいポイントです。

中学生の便秘解消・予防には十分な睡眠時間の確保が大切,午後11時までに就寝

7. 学校生活に合わせた工夫も忘れずに

腸活は「特別なこと」ではなく、学校生活の中で自然にできる工夫が大事です。

  • 水分補給:部活バッグに水筒を必ず入れる(1日1.5Lを目安に)
  • 休み時間:友達と階段を使って歩く → 軽い運動が腸の刺激に
  • おやつ持参:個包装のドライフルーツや小袋ナッツをカバンに入れておく

8. 腸活サプリを活用する

食事や生活習慣を見直しても便秘が改善しない場合は、ビフィズス菌やオリゴ糖を配合した腸活サプリを活用するのも一つの手段です。

手軽に習慣化できるので、忙しい中学生でも続けやすく、親子で一緒に腸活を始めるきっかけになります。

例えば朝食やおやつのタイミングで摂取するだけでも、腸内環境にアプローチできます。

便秘改善には、特別な薬や大掛かりな工夫よりも 「毎日の小さな積み重ね」 が効果的です。

中学生の生活に合った腸活習慣を取り入れて、少しずつ便秘しにくい体づくりを進めましょう。

中学生の今日の腸活チェックリスト

中学生の便秘で医療機関を受診すべきサイン|保護者が知っておくポイント

生活習慣を見直しても改善しない場合や、異常がある場合は、医療機関への受診が必要です。

  • 3日以上排便がない、強い腹痛がある
  • 便に血が混じる、嘔吐を伴うなど異常がある
  • 食事や生活改善をしても良くならない

思春期の子どもは「恥ずかしい」「大げさだと思われたくない」という気持ちから受診を嫌がることがあります。

そんなときは、保護者が先に相談窓口に電話して状況を確認する、女性医師や小児科を選ぶなど安心感を与えることが大切です。

「薬をもらうと体が楽になるかも」と前向きに声をかけると、子どもも受診に前向きになりやすくなります。

中学生の便秘で病院を受診する目安は

中学生の便秘まとめ|家庭でできるサポートと予防のポイント

中学生の便秘は「ホルモンの変化」「学校での我慢」「生活習慣の乱れ」が重なって起こります。

解消には、朝食+トイレ習慣、運動や水分・食物繊維の工夫、規則正しい睡眠が欠かせません。

さらに、毎日の食事や生活改善だけでは便秘が改善しにくい場合は、ビフィズス菌やオリゴ糖を配合した腸活サプリの活用も有効です。

手軽に取り入れられ、忙しい中学生でも続けやすく、親子で一緒に腸活習慣を始めるきっかけになります。

親子で一緒に腸活サプリを飲んで快適な毎日

便秘は「体質だから仕方ない」と諦める必要はありません。

生活習慣の改善に加え、サプリを上手に活用することで、お子さんの健やかな成長と快適な毎日を支えることができます。

まずは今日から、できることを一つずつ親子で取り入れてみましょう。

長引く便秘や強い症状がある場合は、医療機関での相談が安心につながります。

中学生の思春期特有の心理にも配慮しつつ、保護者が伴走することで改善への道が開けます。

中学生のお子さんの便秘が気になる保護者の方へ

生活習慣や食生活の見直しに、腸活サプリをプラス。

ビフィズス菌とオリゴ糖で内側からサポート。

習慣にしやすいシンプルな腸活、始めてみませんか?

【参考資料・出典】

※堀田法子, et al. "中学生・高校生の自律神経性愁訴と生活習慣との関連について." 学校保健研究 43.1 (2001): 73-82.

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾病の診断や治療を意図するものではありません。症状や健康面にご不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門の医師による診断と指導をお受けください。

本記事の内容に起因するいかなる結果についても、筆者および運営者は責任を負いかねますのでご了承ください。